非接触管型熱分解炉を用い, 水蒸気を稀釈ガスとして灯油の熱分解実験を行ない。反応温度550~750℃, 稀釈率1.5~5.5g-steam/g-keroseneおよび滞留時間0.3sec以下の実験範囲内でつぎのような結論をえた。
i) 本実験範囲内において, ガス化率およびエチレン収率はそれぞれ0.7g-gas/g-keroseneおよび0.3g-ethylene/g-keroseneを越え, ナフサにくらべてけっして劣らないエチレン収量を灯油からも期待できる。
ii) 過酷な実験条件の場合をのぞいて, 反応を液成分の総括1次反応として取り扱った結果, 反応速度定数にをえた。
k=7.9×10
7exp (-32×10
3/
RT)
iii) 反応管軸方向の管壁温度分布は反応の進行にかなりの影響を与えるが。本報告において導入された数値解式によりそれをほぼ妥当に見積ることができた。
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