理論的な溶融速度
Vが多くの近似のもとに得られた。平板状壁面では, 無次元溶融速度Vγ=0と無次元加圧力P/μcの関係は,
である。ただし
Nは粘性係数の温度依存性に関する係数である。フィン状起伏のある壁面に対しては, 補正係数 [
V/Vγ=0] が得られた。
プラスチックの溶融紡糸法に適用したところ, 1) 加圧力の影響と粘性係数の影響は小, 2) 壁温の影響は大, 3) 排出溝間隔の影響と粘性係数の温度依存性の影響は中, 4) 壁面運動速度の影響は無い, 5) 融液の膜厚は0.1mm程度であり, 多くの紡糸機で差異が小さい, 6) Vと壁面金属の熱伝導率を与えれば最適の壁面起伏形状を決定できる, 7) 例: Al製の “I. C. I. 型加圧溶融格子” の最適形状は, 高さが底辺の2倍の2等辺3角形に近いものである。しかし形状が最適でも平板状壁面の
Vγ=0のわずか1.6倍の
Vしか得られない。
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