高分子水溶液における電解異の当量伝導度と拡散係数との関係を研究して次の結論を得た。
1) Eyringの拡散式はWaldenの法則に相当し, 強電解質の拡散係数と当量伝導度は比例する。
2) Waldenの法則における粘度は媒体のマクロ粘度ではなく, モクロ粘度であるべきである。
3) 強電解質の当量伝導度の測定から高分子溶液のミクロ粘度を得ることができる。そして, このミクロ粘度は拡散係数の測定から得られるミクロ粘度にほぼ等しい。
4) 高分子溶液のミクロ粘度は高分子の種類, 溶質の種類, およびマクロ粘度 (分子量又は重合度) に無関係であり, 高分子の濃度の増加と共に多少増加するか, 溶媒自身の粘度の値にほぼ等しい。
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