流動海水 (3%N3Cl40℃, pH1~4) によるアルミニウム青銅直管の腐食試験を行ない, 長時間にわたる腐食挙動を明らかにし, 設計的見地から解析を加えた。すなわち, 腐食液中への銅溶出速度は時間の経過にしたがって徐々に減少していくのに対し, アルミニウム溶出速度は比較的長い加速域を経たのち一定となり, その速度は (
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0.3に比例すること, さらに, 脱アルミニウム腐食により形成された残滓層の溶解が起るため, 腐食速度と材料表面層の性状との関係は非常に複雑となること, などを明らかにし, これらに対して検討を加えた。また, 侵食深さは腐食液中に溶出したアルミニウムの量の一次関数として表わされるので, 設計に際してはこれに着目すべきであることを指摘し, 侵食深さの推算式を導出した。腐食挙動に対する酸濃度の影響についても実験し, pH1~3においてはその影響がほとんどないことを認めた。
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