ガスを流さぬ場合の灌液充填塔のOperating hold-upと灌液の物性及び操作條件との関係については前報にて報告した。ガスを向流させた場合でもその流速の小さい範囲ではhold-upはガス速度に関係しないことがElginら及びPiretらによつて報告されているから,この関係式はそのまゝ適用できるわけである。
液量を一定にして,ガス流速を増して行つた場合の充填塔の性状についてはElginらによつて詳細に論じられており,これによると或る流速に至るとhold-upはガス流速と共に増加し始め,さらに或る限界速度に達すると再びhold-upは急激に増加してくる。第1の屈折点がLoading pointであり,第2の屈折点がFlooding pointに相当する。
本報文では既往文献のhold-upの測定値よりLoading velocityを各種充填物について求め,Loading velocityと操作條件との一般的関係を導いたものである。なおガス流速とhold-upとの関係についても言及した。
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