重力による沈降濃縮がきわめて困難な徴粒子懸濁液に電界を加えれば, 分散粒子の沈降速度およびスラッジの濃度はいちじるしく増大する。本研究は, 電界を加えた場合のこのようなすぐれた沈降濃縮特性を利用した連続式沈降濃縮装置の開発を主な目的としたものである。さらに, 本実験は, 電界を加えた回分沈降濃縮過程における脱イオン効果およびイオソ洗浄効果についても検討した。実験の結果, 次のことが明らかになった。
1) ベルトコンベァ方式によって回分沈降濃縮のときとほぼ同じ65-70 [wt.%] の濃縮されたケーキ状スラッジが連続的に得られる。
2) 電界強度および槽内滞留時間を調整することにより適当なスラリ濃縮度を得ることができる。
3) 電界を加えた沈降濃縮過程で, スラリ分散媒中に溶存するイオンをとりのぞき, また電気滲透を利用して洗浄効果をあげることができる。
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