特殊教育学研究
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23 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 臼田 恵美子, 須藤 貢明
    原稿種別: 本文
    1985 年 23 巻 3 号 p. 1-12
    発行日: 1985/12/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    聴覚障害児のカテゴリーに関する知識を拡大することを目的として、事物の特徴を抽出する時に、問いかけの「ことば」を手がかりとさせるという指導方法を考案した。問いかけの「ことば」は、問いの受け手が事物の特徴を抽出する際に、そのカテゴリーを方向づける役割を持ち、この「ことば」の理解が、聴覚障害児にカテゴリーに関する知識を獲得させるために役立つと考えた。ろう学校小学部6年生4名を対象に実際に指導を行い、その結果から、問いかけの「ことば」の理解と指導方法を考察した。理解は(1)問いかけの「ことば」に関わらないカテゴリー化、(2)問いかけの「ことば」以外の手がかりを利用したカテゴリー化、(3)問いかけの「ことば」間の識別、(4)各問いかけの「ことば」が指示するカテゴリーの形成という過程を持つと考えた。指導方法もこの過程に即して進めるべきであると考え、その具体的手続と教材を示した。
  • 三浦 哲, 出口 利定, 小川 仁, 小野 博
    原稿種別: 本文
    1985 年 23 巻 3 号 p. 13-22
    発行日: 1985/12/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    生来性の感音性難聴児は、語音の音響的特徴を把握することが困難であり、特に母音に比べ子音の聴覚的音韻性が未確立である。その理由として、子音部分の持続時間が短いことが考えられる。本研究では、/ma/と/na/の子音部分を時間的に2倍・3倍・4倍に伸長した加工音を作成し、自然音と加工音の受聴明瞭度を測定・比較し、さらに加工音を用いた学習実験を行なうことによって、加工の語音聴取に及ぼす影響について検討した。聴取実験の結果、今回の加工方法は/ma/より/na/に有効であるという傾向が示された。特に/ma/では、加工によって明瞭度が低下する場合が多く認められた。また、音響成分が低音域に集中している子音部分を伸長加工したことにより、F2過渡がforward maskingを受けたことが示唆された。さらに、学習実験の結果、単音節の反復聴取が被験児の聴覚的音韻性に混乱をもたらし、明瞭度を低下させることが示された。
  • 新美 明夫, 植村 勝彦
    原稿種別: 本文
    1985 年 23 巻 3 号 p. 23-34
    発行日: 1985/12/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    学齢期心身障害児をもつ父母のストレス尺度(植村・新美、1983)を因子分析して得られた、父母各8個のストレス因子について、それぞれの背景要因を探るべく、数量化I類による分析を行なった。背景要因変数は、障害児の属性要因、家族の属性要因、自己の態度要因、配偶者の態度要因の4領域に分類され、合計65変数が分析に用いられた。I類による分析は、説明変数としてまず障害児の属性要因のみを用い、順次、次の領域の変数を付け加えるステップ・ワイズの方法を採った。その結果、障害児の属性要因と並んで、自己の態度要因の重要性が、ほとんどの因子に共通しており、家族内の客観的な要因の検討だけでは不十分であることが指摘された。またいくつかの因子において、配偶者の態度要因の重要性が認められ、ストレスの高い本人ばかりでなく、その配偶者をも含めた介入の必要性が示唆された。
  • 加藤 哲文, 小林 重雄
    原稿種別: 本文
    1985 年 23 巻 3 号 p. 35-46
    発行日: 1985/12/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    5名の自閉症児の複合聴覚刺激(白色雑音及び言語音)への過剰選択性及び言語音と非言語音への選択的反応傾向を検討するために、自由オペラント事態における継時弁別学習を行った。弁別学習獲得後、複合刺激の各要素への反応傾向を測定するために、プローブセッションを導入した。その結果、3名において白色雑音への過剰選択性が示されたが、他の2名は両要素への反応傾向はほぼ同等であった。また、各対象児の発達年齢(DA)と過剰選択性の程度(過剰選択性スコア)とに高い負の相関がみられ、さらに弁別学習の基準達成に要したセッション数と過剰選択性の程度とに高い正の相関がみられた。以上より本結果は、視覚モダリティを用いた先行研究の結果を支持し、さらに弁別習得時間と過剰選択性との関連性を示唆した。
  • 藤原 義博
    原稿種別: 本文
    1985 年 23 巻 3 号 p. 47-53
    発行日: 1985/12/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    かなり豊富な語いを持つにもかかわらず、その機能的使用に乏しい自閉症児の実験観察を通して、機能的な言語行動である要求言語行動を形成するための要因について次の2点より検討を試みた。即ち、(1)言語的ニーズに係る物理的環境要因として、欲求対象物を自己充足出来ないかあるいは困難な状況を設定し、その環境統制の差異による欲求充足行動の変動とその反応型について検討した。(2)メディエーターたる欲求充足者の対応を変数として欲求充足行動の変容について検討した。その結果、要求言語行動を形成する要因として、欲求対象物を統制し自己充足が困難な事態を設定することによって言語的ニーズを高め、そこで示す子どもの欲求行動をメディエーターが的確に捉え、即時に対応することの重要性が示唆された。また、その学習の成立要因として、受容的充足過程を充分に体験することの重要性と、メディエーターたる他者の機能の重要性が示唆された。
  • 大沼 直紀
    原稿種別: 本文
    1985 年 23 巻 3 号 p. 54-61
    発行日: 1985/12/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 長澤 泰子, 大石 益男
    原稿種別: 本文
    1985 年 23 巻 3 号 p. 62-66
    発行日: 1985/12/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 小池 敏英
    原稿種別: 本文
    1985 年 23 巻 3 号 p. 67-73
    発行日: 1985/12/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
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