本研究では,静脈物流の概念と静脈物流に関する先行研究に対してレビューを行う.1980年代まで静脈物流はロジスティクスの逆向きのプロセスとして定義された.ところが,資源や廃棄物問題などの環境的側面,そして,製品の返品量の増加などの経済的側面の強化により,静脈物流の概念も環境と経済的側面を反映するよう拡大された.また,静脈物流に関する研究も,環境及び経済的側面の強化に伴い,その重要性が増大することとなった.本研究では,静脈物流に関する先行研究に関して,総論や静脈物流システム,モデル,関連法律及び制度の4つの観点から考察を行い,静脈物流に関する先行研究の現状や課題などを示す.
官民連携による社会資本整備の手法であるパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP:Public Private Partnership)は,アジアや中南米諸国の交通分野でも活用され,事業運営や複合的な形態で行うものを含め,案件の民活化や多様化が進展している.交通分野においては,長期にわたるプロジェクト期間やライダーシップ・リスク等から,発展途上国のプロジェクトでは,経営が良好でない事例もみられるが,相手国との政策対話の機会の確保やコンサルティング機能の充実,PPPに関する知見の集積を通じ,海外展開のあり方につき検討を深めていくことが重要である.
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