港湾物流分野における情報システム間のデータ連携技術として今後REST API with JSON (API)の適用が期待される.本稿では,プラットフォームシステム(PF)を中心にAPIの適用実態把握と普及に向けた課題分析・対策検討を行った.主な成果を次に示す.(1)PF毎にAPIの電文仕様が乱立しており,データ連携の相互運用性確保に向け,電文仕様のうちセマンティクスレベルでの標準実装が重要になる.(2)ステータス情報共有はAPI,手続情報共有は既往技術(EDIFACT)という棲み分けでのAPIの普及が推察される.(3)PF運営者は,PFユーザーが抱えるAPI連携モジュール開発に係る各種課題に留意すべきである.さらに,これら成果も踏まえ,国土交通省が運営するPFのCyber Portへの施策提言を行った.
2015年9月にニューヨークで開催された国連サミットにおいて加盟国の全会一致で採択された「2030 Agenda for Sustainable Development(2030アジェンダ)」は,1992年の国連地球サミットで採択された「アジェンダ21」,ミレニアムサミットを経て2001年に策定された「ミレニアム開発目標(MDGs)」の後継となるものである.この「2030アジェンダ」において,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」として17のゴール・169のターゲットが明記され,世界各国でその達成に向けた取組が進められている.