オーバーツーリズムは,社会,文化,自然,環境面で悪影響を及ぼしており,世界的な懸念事項となりつつある.そうした負の側面を解決するために,地元自治体等による対策が各地で講じられているものの,オーバーツーリズムと政策との関連性についてはほとんど調査されてない.本研究では,定性的情報に基づいて政策をそのタイプと関与度合いに応じて分類し,さらに定量的な統計情報等も加味した上で,オーバーツーリズムの観点から都市のランク付けを行った.その際,世界中から都市を選定しそのデータを分析することで,政策の厳格さとオーバーツーリズムの度合いの相関関係を分析した.これより,量的指標と定性的指標を組み合わせて用いることで,オーバーツーリズムの度合いを都市間で相対比較するための有用なツールとなりうる可能性があることが示唆された.さらに,オーバーツーリズム問題に対する典型的な対応策にはいくつかのタイプがあり得ることや,それが観光地の開発の方向性の要因となる可能性が示唆された.
本稿では,日本の高速道路網を対象に2115年度まで料金徴収をした場合の償還シミュレーションを行い,現行の高速道路の料金水準と比較した.その結果,現行の枠組みを維持し,「新東名高速道路・新名神高速道路の6車線化」,「暫定2車線の4車線化」および「更新」を実施した場合,全体として約13%の料金引き上げとなること,またAET(All Electronic Tolling)化および暫定2車線区間の料金半額化を考慮した場合もほぼ同じになることを明らかにした.さらに,感度分析の結果から「暫定2車線の4車線化事業の整備期間延長」は料金改定率を抑えることができ,「固定資産税の免除」と「上限金利1%」については,料金引き下げが可能であることを示した.
人口減少・少子高齢化が進む中で,地方部においては公共交通の空白・不便さや,路線バスの廃止・減便などによる更なる公共交通サービス水準の低下が大きな課題となっている.本研究では,地方部におけるモビリティ向上のためデマンド交通の適用を検討し,既存のデマンド交通の課題を考察したうえで,最新のICTを用いた新しいデマンド交通システムの開発を行った.そして,開発したデマンド交通システムを用いてシミュレーションを行い,開発したシステムの地域における適用性を示した.
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