運輸政策研究
Online ISSN : 2433-7366
Print ISSN : 1344-3348
11 巻 , 2 号
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研究
  • 岡田 啓
    2008 年 11 巻 2 号 p. 002-013
    発行日: 2008/07/25
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    燃費規制と自動車税のグリーン化のポリシーミックス,燃料価格の高騰や景気の影響などにより交通部門のCO2排出量は減少傾向にある.政府は,目標を確実に達成し,追加的なCO2排出量削減を交通部門において実現させるために,燃費規制強化を中心としたCO2排出量削減政策をまとめている.しかしながら,日本政府が実施している燃費規制と自動車税のグリーン化のポリシーミックスにて燃費性能の高い自動車を普及させCO2排出削減を図ることは,温室効果ガスの削減費用が高いもしくは厚生損失を生じさせる.そこで本研究では,近年注目されつつある,社会的厚生の損失を抑えつつCO2等の温室効果ガスを抑制する政策である,権利取引制度を応用した燃費取引制度についての効果の評価を行う.この政策による自家用自動車起因のCO2削減効果と社会厚生の変化を評価するために,本稿では簡便なシミュレーションを実施した.シミュレーションの結果,燃費取引制度は燃費規制よりも社会的厚生を損なうこと無くCO2削減をできる政策であるものの,CO2削減の幅は燃費規制よりも小さくなることが判明した.

  • 山崎 清, 武藤 慎一
    2008 年 11 巻 2 号 p. 014-025
    発行日: 2008/07/25
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    道路交通計画における予測・評価において開発・誘発交通を考慮することはOD固定型等の既存手法に対して主体の立地・交通行動の仮定を緩めることであり,この仮定の違いによって道路整備の影響・効果は異なる.本稿では家計,企業等の主体の立地・交通における仮定の違いによる効果・影響の違いを把握するため,仮定の異なるモデルを用いて東京都市圏における現在事業中の3環状整備の影響・効果を計測した.開発・誘発交通を含めた場合,利用者便益は既存手法と比較して,若干減少するものの,大きな効果が期待できるが,CO2排出量は立地行動,発生頻度を可変すると増加していくことを把握した.

  • 小野 憲司, 福元 正武
    2008 年 11 巻 2 号 p. 026-036
    発行日: 2008/07/25
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    アジア諸国の急激な経済成長と国際分業体制の深化を背景として,アジアの交通ネットワークには,国境を越えたヒト,モノのシームレスな移動を支える輸送サービスの提供が求められている.本研究では,近年の世界及びアジアの貿易パターンの動向を分析することによって,アジアにおいて進展する国際分業体制の深化と相互依存の高まり,日本経済との関連性を明らかにするとともに,旅客及び貨物総流動調査データや道路,鉄道インフラの整備水準の国際比較等を通じて,アジア経済の持続的な発展を支えるシームレスな総合交通ネットワーク形成推進に向けたわが国の戦略としてのアジア共通交通政策推進のあり方とその課題,展望について考察する.

報告
  • 赤倉 康寛, 渡部 富博
    2008 年 11 巻 2 号 p. 037-044
    発行日: 2008/07/25
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    わが国の海外との交易の中で,アジア域内の比重が益々増加していくと見られており,これを支えるため,特に東アジア域内航路の状況や船型動向等を正確に捉えていく必要がある.しかし,同航路の状況については,整理された既存データが限られているのが現状である.この点を踏まえ,本報告は,最新のデータをもって,東アジア域内航路の船型動向を定量的に把握したものである.

    また,北米・欧州航路への大型船投入は,既存船を他航路へ転配させ,他航路の大型化を導く,いわゆるカスケード効果があるとされている.このカスケード効果が東アジア域内航路の大型化に与えた影響について,航路転配状況を把握することにより分析した.

  • 橋本 昌史
    2008 年 11 巻 2 号 p. 045-054
    発行日: 2008/07/25
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    今世紀に入り我が国の自動車保有数増加率は徐々に鈍化してきた.とくに,昨年度は0.2%の増加に留まった.これは,高度成長期以降前例のない低率である.本年度前半の新車販売も引き続き低調で,昨年同期を9%近く下回っている注1).年度後半もこの傾向が持続すれば,本年度末には保有数が減少する可能性もある.本報告は,戦後における我が国自動車普及の特徴を指摘したうえ,東京等大都市圏の中核を形成する5都府県等における自家用乗用車について最近の普及状況を分析することにより,自動車普及の現状を明らかにするとともに,今後を展望したものである.

  • 浅井 康次
    2008 年 11 巻 2 号 p. 055-059
    発行日: 2008/07/25
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    本稿はケーブルカーを核とする観光鉄道の現況を,主として経営面から概説したものである.路線の類型化,運行面における特徴,コスト構造,行楽地アクセスとしての地位,入込客数との相関を示し,廃止路線の要因分析を試みた.経営は厳しく廃止もみられるが,地域活性化に資し環境適合性の高い観光鉄道を再評価,存続維持を模索する時期にきている.

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