運輸政策研究
Online ISSN : 2433-7366
Print ISSN : 1344-3348
6 巻, 1 号
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研究
  • 室田 篤利
    2003 年 6 巻 1 号 p. 004-014
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    近年,我が国の地方都市の多くにおいて,都心部の空洞化が問題になっている.1998年7月に中心市街地活性化法が施行され,多くの都市で基本計画が策定されたが,どのような施策が有効なのか,まだ暗中模索の状況ではないだろうか? 本稿は,全国の地方都市91都市を対象に,都市の特性と空洞化の状況を基に,都市の類型化を行い,また,国内外の先進事例における施策内容を基に,都市の類型ごとの空洞化解消策について検討を行ったものである.都市の類型化では,「独立都市」,「低成長都市」,「他依存都市」及び「低密都市」の4類型に分類した.活性化策としては,公共交通施策等の交通施策を中心に検討を行った.

  • 依田 育也, 菅生 康史
    2003 年 6 巻 1 号 p. 015-022
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    これまで,鉄道によって提供されるサービス水準は,冷房化率,混雑率といった個別の指標に基づいて路線別に議論されてきた.しかし近年の利用者ニーズの多様化により,様々なサービス指標を考慮した評価が必要となっている.そこで本研究では東京近郊圏を対象に,これらのサービス指標を一体的に評価するために一般化費用を用い,地域別のサービス水準評価を行った.さらに地理情報システム(GIS)を用いて,その地域的な分布状況を視覚的に示すことを試みた.その結果,距離帯別のサービス水準の偏在状況,ピーク時とオフピーク時等の時間帯別サービス水準の変化,都心の目的駅別鉄道サービス水準の差異などを把握できるようになった.

報告
  • ―ロジットモデルを用いる場合のケーススタディ―
    加藤 浩徳, 金子 雄一郎, 井上 真志
    2003 年 6 巻 1 号 p. 023-038
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    本研究は,交通プロジェクトの便益計測に関して,3種類のOD間代表一般化費用(最小費用法,加重平均法,ログサム法)を用いた場合の計測便益値の特性を分析するものである.分析は,1ODの場合における数値分析と,東京圏都市鉄道プロジェクトを用いた実証的な分析の2種類によって行った.その結果,各手法による便益値の大小関係は,対象ネットワークの初期条件(一般化費用の大きさや選択肢数)ならびにプロジェクトの特性(新規整備を伴うか伴わないかや改善の程度)に応じて決まることが分かった.また,実際のプロジェクトについて事例分析を行った結果,小田急小田原線の複々線化プロジェクトでは3つの手法間の便益値の差違はかなり小さいが,営団南北線整備プロジェクトでは,ログサム法による便益値が他の手法による便益値よりもかなり卓越すること,そして,この大小関係は,プロジェクトの特性や東京圏の都市鉄道ネットワークの特性等に依存することなどが明らかとなった.

紙上討議
  • -斉藤提言への具体的対応-
    山根 隆行
    2003 年 6 巻 1 号 p. 039-040
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル フリー

    斉藤は「港湾の効率的な経営に関する研究」(運輸政策研究Vol.5 No.2)において,港湾の経営状況を企業会計方式を用いて整理する有用性を説き,港湾管理者の財務上の問題点を把握して,港湾の財務体質,競争力の強化に向けた提言を行っている.しかしながら,我が国の港湾管理者の実態を見ると,直ちに企業会計方式を適用することは困難と考えられる.本討議では既存データを活用することによる現実的な財務状況の把握とアカウンタビリティへの対応を提案する.

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