本研究は,スーパー中枢港湾育成の鍵となるコンテナ貨物の集約に向けて,日本発着の国際コンテナ貨物を対象に直行航路と釜山港経由のフィーダー航路との競合関係を定量的に分析し,荷主のコンテナ輸送経路選好意識を明らかにした.そのうえで,単に日本発着の国際コンテナのうち釜山港経由貨物を中枢港に回帰させるだけに留まらず,中国等の第三国の貨物を積極的に取り込んでいくための重要なツールとなる可能性を秘めている内航・外航連続型フィーダー航路を提案するとともに,その実現に向けて今後取り組むべき課題について明らかにした.
1998年,第二東名・名神高速道路(第二東名神と略)に対して環境負荷が鉄道と同レベルで,ユーザーの負担にならない廉価なコストをコンセプトとした「高速幹線物流システム」1)が西田らにより発表された.その後,第二東名神はコスト削減計画(2003年3月)により暫定4車線で供用を行う事となり,導入課題であった「収容空間の確保」の可能性が高まった.本稿は,東海道の現状を把握し,トラック輸送の問題点を抽出した.次に,高速幹線物流システムを始めとする新物流システムをレビューし,システムの成立要件を整理し,新物流システムの第二東名神への導入を提案する.