中央北海道樺戸山地南部に分布する,中〜上部中新統奔須部都層,須部都層(発足層・厚田層),一番川層(盤の沢層),望来層の堆積相解析を行った.その結果,25の堆積柏とこれらの組み合わせからなる6つの堆積組相(GF, FD, S, MS, M, T)が認められた.それぞれの堆積組相は,礫質河川,ファンデルタ,浅海〜陸棚,泥質な陸棚,珪質な陸棚斜面〜堆積盆底,海底扇状地タービダイトの堆積システムを示している.これら堆積組相の時空分布から,中〜後期中新世における樺戸山地南部では,多島海的な環境のもと,泥質陸棚,砂質陸棚,珪質陸棚斜面〜堆積盆底の堆積システムが卓越し,これに礫質河川,ファンデルタ,海底扇状地タービダイトの堆積システムが伴っていたものと推定される.古流系や礫種組成解析から,砕屑物は,中新世をとおして陸化していた隈根尻山地から供給されたものと推定される.
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