地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
63 巻, 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 福岡 孝, 中村 唯史, 沢田 順弘, 草野 高志
    原稿種別: 本文
    2009 年 63 巻 4 号 p. 193-
    発行日: 2009/07/25
    公開日: 2017/05/16
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  • 伊藤 昭雄, 根本 直樹
    原稿種別: 本文
    2009 年 63 巻 4 号 p. 194-
    発行日: 2009/07/25
    公開日: 2017/05/16
    ジャーナル オープンアクセス
  • 矢野 孝雄, 吉谷 明彦, Sergei SLOBODIN
    原稿種別: 本文
    2009 年 63 巻 4 号 p. 195-198
    発行日: 2009/07/25
    公開日: 2017/05/16
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  • シンポジウム世話人会
    原稿種別: 本文
    2009 年 63 巻 4 号 p. 199-200
    発行日: 2009/07/25
    公開日: 2017/05/16
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  • 長谷川 昭, 中島 淳一
    原稿種別: 本文
    2009 年 63 巻 4 号 p. 201-210
    発行日: 2009/07/25
    公開日: 2017/05/16
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    最近の研究によって推定された太平洋(PAC)プレート及びフィリピン海(PHS)プレートの形状,さらに地震波トモグラフィにより映し出された東北日本弧の深部構造と内陸地震発生・マグマ生成モデルについて紹介する.基盤地震観測網データを用いた解析により,日本列島下に沈み込むPACプレートとPHSプレートの全容が明らかとなった.PHSプレートは伊豆半島北方でも裂けることなく,関東から九州に至る全域で連続して分布する.PHSプレートは関東下でPACプレートと接触しており,それがPHSプレートの波板のような形状をつくる,大きな変形の原因の一つと推定される.地震波トモグラフィにより,東北日本弧下のマントルウェッジに,傾斜したシート状の地震波低速度域が写し出された.スラブ沈み込みに伴う二次対流の上昇流部分に相当すると推定される.上昇流は火山フロント直下でモホ面に達し,それにより火山フロントが形成される.上昇流にはスラブ起源の水が取り込まれ,島弧地殻にまで運ばれる.この水は地殻物質を軟化させ,現在の圧縮応力場のもとで,そこに短縮変形を集中させる.この局所的な短縮変形に伴って,変形を一様化するように内陸地震が発生すると推定される.日本列島に最近発生した内陸地震については,地震波トモグラフィで震源域周辺の詳細な構造が推定されているが,それらは上記の発生モデルを支持するようにみえる.
  • 久保田 喜裕, 小林 和宏, 飯川 健勝, 島弧深部構造研究グループ
    原稿種別: 本文
    2009 年 63 巻 4 号 p. 211-226
    発行日: 2009/07/25
    公開日: 2017/05/16
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    北部フォッサマグナ信越地域を流下する千曲川〜信濃川流域は,かってより被害地震が多発している地域で,信濃川地震帯と呼ばれている.この地域における地震発生場の特徴を地質構造との関係から検討した.結論は以下のとおりである.(1)信濃川地震帯は,長野盆地,飯山盆地,十日町盆地,越後平野がつくる負の低重力異常域が,NE-SW方向に連鎖配列するグラーベン状構造を呈している.(2)発震機構解から推定される震源断層は,深度40km以浅では,高角逆断層タイプ,低地帯縁に調和的なNE-SW走向,傾斜は両縁とも低地側傾斜(山側フェルゲンツ)が多い.100km以深では,断層の走向はそれ以浅とほぼ同じであるが,高角正断層タイプのSE傾斜が多くなる.この現象はとくに越後平野で顕著である.(3)浅発地震(深度100km未満)は,深度20km以浅の上部地殻に集中しており,深度40〜100kmでは太平洋側に集中し,信濃川地震帯周辺では極限られる.地震発生場は先新第三系基盤山塊の縁辺部や低地帯周縁の重力基盤リッジ〜斜面など重力の急変化部に集中している.(4)深発地震(深度100km以深)は,太平洋側から日本海側へ深度を増すが,その下底面深度には著しい高低差がある.それは基盤分布域や隣接する第四紀火山で浅く,グリーンタフ分布域で深くなっている.信濃川地震帯は深度160〜200kmの等深包絡線に挟まれる部位に位置している.
  • 足立 久男, 赤松 陽, 鈴木 尉元, 島弧深部構造研究グループ
    原稿種別: 本文
    2009 年 63 巻 4 号 p. 227-238
    発行日: 2009/07/25
    公開日: 2017/05/16
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    筆者らは,気象庁2006年刊行の地震年報の中で,解析方法が新しくなった1983年から2005年までの資料をもとに日本列島付近の震源がどのように分布するかを改めて検討した.そして,震源の空間的な分布を明らかにするために,地震の分布する空間の下底の等深線を描いた.その中で,直線状あるいは弧状に走る等深線が直交ないし斜交する方向の不連続線によって切られた,数10kmから数100kmの拡がりをもついくつもの単元を識別できることを指摘した.Wadati-Benioff面とよばれるものの実態は,地塊構造を暗示させる垂直に近い面によって境された,いくつものより小さな単元にわかれることをあきらかにし,島弧深部構造研究グループ(2009)として公表した.この成果の上に立って,本論文では,地震単元を階層構造という視点で整理した.震源分布をもとに,等深度線を作成し整理すると,大小いくつかの地震単元に区分することができる.地震単元は,地震区,地震亜区,地震域,地震胞という大きな単元から小さな単元に区分することができ,階層構造をもっているといえる.複数の地震胞が集合して地震域を構成し,また,いくつかの地震域が集合して地震区や地震亜区を構成している.
  • 鈴木 尉元, 島弧深部構造研究グループ
    原稿種別: 本文
    2009 年 63 巻 4 号 p. 239-247
    発行日: 2009/07/25
    公開日: 2017/05/16
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    日本列島の本州中央部にあたる東北地方南部から関東地方,中部地方,近畿地方に至る地域に発生した浅発地震と深発地震のP波初動分布から地震に伴う断層の走向とその性質について検討した.地震に伴う断層は,P波初動を分ける二つの節面のうちのどちらかの節面に沿って行われるが,二つの節面の走向が平行するP波初動分布を示す型では,断層の走向は一義的に決まり,一つの節面が急で他の節面がゆるい型では,前者が付近に発生した二つの節面が平行する型の節面と平行する傾向があるので,急な節面にそって断層運動が行われると考えた.東北地方南部から関東地方北部にかけての地域では,越後山脈ないし足尾山地を中心として,浅発地震と深発地震に伴う断層は環状に配列する.その拡がりは200-300kmに達する.これら各地で正断層と逆断層の活動が行われている.関東地方南部から中部地方・近畿地方に至る地域では,飛騨高地南部を中心に浅発地震と深発地震に伴う東西450km,南北200kmの拡がりをもつ楕円状の環状分布が見られる.なお紀伊半島には浅発地震に伴う方形の環状分布が見られる.この地域における深発地震に伴う断層の分布形状については分らない.断層は,この地域でも正断層と逆断層の両者の活動が見られる.浅発地震と深発地震に伴う断層がお互いに平行するのは,上記の環状分布が浅部から深部に向かってほぼ鉛直に伸びていることを示唆するものと考えられる.深発地震と浅発地震がお互いに相呼応して活動する傾向は,このような構造によるものであろう.浅発地震と深発地震の活動域にはさまれて楔状の地震活動の不活発な領域があるのは,歪みの集積を許さない状態にあることによるものであろう.
  • 矢野 孝雄
    原稿種別: 本文
    2009 年 63 巻 4 号 p. 249-265
    発行日: 2009/07/25
    公開日: 2017/05/16
    ジャーナル オープンアクセス
    島弧-海溝系の大きな地形起伏が中新世末以降に形成されたことについては,おおかたの合意がえられている.ところが,その形成過程は未解明である.この論文では,東北日本の島弧-海溝系の歪像にもとづいて運動像が復元され,力学像が考察される.1)歪像は,次の5つの要素で構成されている.(1)非対称アーチ:島弧を横断する地形-地質断面に示され,わずかながらも海側フェルゲンツを示す.(2)縦走断層群:ほとんどがアーチに対してアンティセティックな断層で,島弧全体(島弧前縁部を除く)に傾動地塊を形成する.(3)前弧波曲:前弧海盆とその外縁隆起帯からなる.(4)島弧前縁おしかぶせ断層:島弧前縁部と伏在する海洋地殻を境し,陸側へ緩傾斜する.(5)海洋地殻の撓曲:島弧の前面に海溝を形成する.2)運動像は,島弧の非対称アーチングに制御されてきた.というのは,重力場における非対称アーチングは,次のとおり,歪像の5つの構成要素を形成するからである.非対称アーチングは,島弧の非対称アーチを形成し,島弧全体(圧縮場におかれる島弧前縁部を除く)に縦走断層群を発生させる.島弧前縁部における圧縮作用は,前弧波曲と島弧前縁おしかぶせ断層をうみだす.おしかぶせた島弧前縁部にはたらく重力荷重は,下盤の海洋地殻を下方撓曲させ,海溝を形成する3)力学像は,マントルウェッジ中の陸側へ傾斜した熱プリュームの斜め湧昇に帰される.熱プリュームの萌芽は,前期中新世末〜後期中新世における背弧側からのアセノスフェアマントルの侵入とそれにつづく活発な火成活動と冷却の結果,アセノスフェアマントルの残存高温部として発生した.後期中新世末期には,大陸側深部から萌芽的熱プリュームへ高温流体が供給され,熱プリュームが活性化した.増大する内部圧力勾配にしたがって熱プリュームが斜めに湧昇し,島弧の非対称アーチングを駆動した.
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