地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
67 巻, 3 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 河野 重範, 入月 俊明, 野村 律夫
    原稿種別: 本文
    2013 年 67 巻 3 号 p. 89-99
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2017/05/16
    ジャーナル オープンアクセス
    長崎県対馬の万関瀬戸は1900年に開削され,1975年に拡幅された人工運河である.この万関瀬戸周辺の浅茅湾で採取した柱状試料(TClコア)を用いて,浅茅湾奥部の近現代における内湾環境の変遷史を明らかにした.本研究では放射性年代測定,有機物分析,粒度分析,貝形虫群集解析を行った.放射性年代測定によって求められた堆積速度は0.105cm/yearである.この堆積速度をもとに解析を行ったところ,各種化学分析結果と貝形虫群集解析結果の変化が万関瀬戸の開削と拡幅に密接に関連していることが明らかとなった.万関瀬戸周辺は開削前には水循環の悪い内湾であったため,貧酸素環境に耐性を持つBicornucythere bisanensisが優占していたが,開削を機に新たな種の侵入または随伴種の増加が始まり,B. bisanensisの相対頻度は徐々に低下していった.これらのことから,外洋水の継続的な流入というイベントに対して,緩やかに内湾環境が変化していったことが明らかとなった.その後の拡幅によって,さらに大量の外洋水の流入が開始され,浅茅湾奥部の内湾環境は開放的内湾環境へと変化した.
  • 松岡 喜久次
    原稿種別: 本文
    2013 年 67 巻 3 号 p. 101-112
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2017/05/16
    ジャーナル オープンアクセス
    関東山地北東部に分布する秩父帯北帯の柏木ユニットは,館サブユニットと萩平サブユニットに細分される.館サブユニットは従来の柏木ユニットに相当し,萩平サブユニットは白亜紀古世の泥質混在岩からなる.本地域の風早峠ユニットとされてきた地質体は,岩相,地質年代および変形・変成度に基づき萩平サブユニットに帰属する.御荷鉾ユニット上部,柏木ユニットの館サブユニットおよび萩平サブユニットは,低角断層で境され,ジュラ紀末から白亜紀古世に至るプレートの沈み込みで形成された付加体と考えられる.
  • 池田 保夫, 清水 敬太
    原稿種別: 本文
    2013 年 67 巻 3 号 p. 113-116
    発行日: 2013/05/25
    公開日: 2017/05/16
    ジャーナル オープンアクセス
    The Kutcharo volcano is situated in the southwestern part of the Akan-Shiretoko volcanic chain. The somma of the Kutcharo caldera exhibits a nearly circular wall of 500-1000 m above sea level constructed of thick piles of somma lavas and pyroclastic rocks on the basement Tertiary rocks. Age of the somma lava was determined by K-Ar method. The isotopic age determination on a specimen indicates a Pliocene age (3.7 Ma). The K-Ar age shows one of oldest age in the volcanic chain and is almost same age of somma lava of Akan volcano. These suggest that volcanic activity began at ca 4 Ma at Akan and Kutcharo volcanoes of the southwestern end of the volcanic chain.
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