地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
57 巻, 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 渡辺 秀男, 卜部 厚志
    原稿種別: 本文
    2003 年 57 巻 4 号 p. 173-191
    発行日: 2003/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本地域はフォッサ・マグナ北東部の褶曲構造を形成する第四紀の変動地域にあたり,信濃川により形成された河成段丘群が発達している.本研究では段丘面上の信濃川ローム層を,岩石学・鉱物学的な観点から火山灰層序学的な区分をした.ローム層中から抽出した火山灰は,大町APm, M2, K-Tz, On-Kt, Aso-4, Pm-3C, DKP, AT, As-Kなどの広域テフラ(広域火山灰)と近隣火山起源のテフラである.段丘面上のローム層のテフロクロノロジーを基に,信濃川段丘群を中期更新世の谷上段丘,米原II段丘,後期更新世前半の貝坂I・II段丘,後半の正面段丘,楢ノ木平段丘,完新世の大割野I・II段丘に区分した.段丘基盤の構造と段丘面の変位には類似性が認められる.基盤は非対称な向斜構造をなす.北西翼は急傾斜で活断層や撓曲が見られる.段丘面は比高が高く急傾斜である.一方,南東翼では基盤が緩傾斜で,段丘面は比高が小さいが広い.また,向斜軸上では段丘面は凹地状に変形する.向斜軸は隆起運動の異なるセグメントの境界部であり,段丘面の変位は,これらの断層をともなった差別的な運動により規制されている.また,隆起運動は段丘形成期を通じて優勢であったが,その運動には活発期と停滞期があった.
  • 三谷 豊
    原稿種別: 本文
    2003 年 57 巻 4 号 p. 193-204
    発行日: 2003/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    千葉県北部は関東堆積盆地の東縁部にあたり,分布する更新統には収斂現象がみられる.この地域の中・上部更新統は,下位より八日市場層,神崎層,上岩橋層,木下層から構成されている.八日市場層は西北西へ3/1,000で傾き,これに重なる神崎層と上岩橋層は同様に傾きながら収斂する.この収斂は侵食によるものではなく,累層構成層の薄化・尖滅により起こっている.したがって,下総層群の収斂は八日市場層堆積後から上岩橋層堆積期に徐々に進行した傾動運動によってもたらされた.また,上岩橋層基底は,東西に延びる幅約5kmの凹状部を形成し,下部河成層によって埋積されている.この凹状部は,その東縁が収斂部と一致するが,その一方で南縁の形態は木下層の上位に重なる常総粘土層の変形構造と大変よく似ている.つまり,上岩橋層堆積期には,上記の傾動運動と常総粘土層を変形させた運動の2つの要素が認められる.
  • 柳沢 幸夫, 平中 宏典, 黒川 勝己
    原稿種別: 本文
    2003 年 57 巻 4 号 p. 205-220
    発行日: 2003/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    新潟県津川地域の品沢川セクションに露出する中部〜上部中新統の野村層の珪藻化石層序とテフラ層序を研究した.本層は塊状の珪藻質泥岩からなり,多数のテフラ層を挟む.そのうち4層は広域に分布し,広域対比に有用であるとされている.珪藻化石帯はNPD 5B帯からNPD 7A帯までが認められた.また,12の珪藻生層準も確認され,野村層について高分解能の珪藻化石層序およびテフラ層序の枠組みが確立された.珪藻生層準の年代に基づいて作成された野村層の堆積速度曲線から,野村層の年代範囲は約12.0Maから7.5Maと推定した.4層の指標テフラ層,すなわちSng, Stm, TmhqおよびSnsgテフラ層の年代は,それぞれ約10.2Ma, 9.4Ma, 8.7Maおよび8.0Maと算定される.
  • 山本 玄珠, 北垣 俊明, 輿水 達司, 篠ヶ瀬 卓二, 松田 泰治
    原稿種別: 本文
    2003 年 57 巻 4 号 p. 221-242
    発行日: 2003/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
    富士火山南〜西麓には,約60の新富士火山溶岩が分布する.これらの溶岩の詳細な岩石記載を行い,それぞれの溶岩の記載岩石学的特徴を明らかにした.溶岩は原地形に沿って分布するという特性から,溶岩分布は富士地区,富士宮東部地区,芝川地区,山宮地区,富士山西麓地区,本栖地区の6地区に区分される.また,各溶岩の分布および各溶岩の上下関係,産状,記載岩石学的特徴から,各地区どうしの溶岩の層序関係を明らかにした.これにより,富士火山南〜西麓の新富士火山の旧期溶岩は初期においては古富士火山の岩質の特徴を持ち,その後大型の斜長石を含む旧期の特徴を示すようになり,旧期末期には,かんらん石や輝石を多量に含む中期溶岩の特徴を示すようになることが明らかになった.
  • 鈴木 博之
    原稿種別: 本文
    2003 年 57 巻 4 号 p. 243-252
    発行日: 2003/07/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル オープンアクセス
feedback
Top