地球科学
Online ISSN : 2189-7212
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52 巻, 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 坂本 隆彦
    原稿種別: 本文
    1998 年 52 巻 2 号 p. 69-70
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2017/07/11
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  • 武田 一郎
    原稿種別: 本文
    1998 年 52 巻 2 号 p. 71-81
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    後浜上限の位置の安定性と高度に関する従来の知見を概説し,さらに,日本海沿岸の後浜上限高度について検討した.後浜上限の位置は暴浪時の波の規模がさまざまであるにもかかわらず安定している.これは,浅海域のバー(海底砂州)が波に対してフィルターの役割を果たし,また,ステップが汀線直前の水深を規定するので,汀線砕波の波高がある限度を越えることがなく,その結果,暴浪時の波がある限界の地点,すなわち後浜上限を越えて遡上することがないためである.さらに,耐塩風性植物の地形固定作用も後浜上限の位置の安定に寄与する.後浜上限高度は海浜を構成する堆積物が粗いほど大きくなる.これは,堆積物が粗いほど高いフィルター効果を持つインナー・バーが形成されにくく,また,規模の大きなステップが形成されやすいので,汀線砕波波高が大きくなり得るためである.アウター・バーが存在する海岸では,これもまた波に対してフィルターの役目を果たすので後浜上限高度は小さくなる.複数のアウター・バーを発達させる多段バー海岸では,さらに後浜上限高度が小さくなる.日本の太平洋沿岸の主要海浜のほとんどは1段バー(1段のアウター・バーを有する)海岸であるのに対して,日本海沿岸はほとんどが多段バー海岸であるので,日本海沿岸の後浜上限高度の方が小さくなる.
  • 前島 渉, 木元 高子
    原稿種別: 本文
    1998 年 52 巻 2 号 p. 82-92
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2017/07/11
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    中新世北但層群村岡累層の湯舟川黒色頁岩部層は中〜下部陸棚堆積物で,ストーム起源の砂岩・シルト岩と黒色頁岩の互層よりなる.個々のストーム堆積物には級化構造が良く発達しており,各々が単一のストームによって堆積したとみなされる.ストーム堆積物の主要堆積相として次の5つが認定できる.(A)高角度ハンモッキー斜層理を示す砂岩で,振動流もしくは振動成分の卓越する複合流のもとで堆積したと考えられる.(B)低角度ハンモッキー斜層理を示す砂岩で,直進性の強い複合流によって形成されたとみなされる.(C)平行葉理・低角度斜層理を示し,上部に非対称リップル葉理を伴なう砂岩.この砂岩はTb-dあるいはTbcタービダイトに比較でき,直進流あるいは振動成分の微弱な複合流からの堆積を示す.(D)非対称リップル葉理を示す砂岩から弱い葉理をもつシルト岩への級化層.この堆積相はTcdタービダイトに比較され,減衰する直進流からの堆積を示す.(E)弱い葉理を示す級化シルト質泥岩で,低エネルギーの流れからの細粒懸濁物質の沈積を示す.これらの堆積相は必ずしも明瞭に区分されるわけではなく,堆積相Aから堆積相Eへ細粒化・薄層化するとともに内部構造が順次変化しており,1つのスペクトラムをなしている.この堆積相スペクトラムは,ストーム波浪限界深度をはさんでの複合流の減衰過程とそれに対応したストーム堆積物の相変化を示している.
  • 鈴木 一久
    原稿種別: 本文
    1998 年 52 巻 2 号 p. 93-105
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2017/07/11
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    1992年礫質河川野洲川で逆級化する洪水氾濫堆積物を発見して以降,継続して洪水観測と堆積過程の解明を行って来た.堆積物の中央粒径は基底の3φから上方に粗粒となり,最上部は-3φに至る.分散度は単層中央部で最もよい.94年9月洪水と95年5月洪水はピーク水位は同じであるが堆積物の分布は95年堆積物のほうが広い.これは初夏と秋という植生の濃さの違い,および氾濫時間の長さの違いの相乗効果のためである.野洲川の氾濫堆積は供給量の著しく卓越したタイプの堆積作用であり,前進型と累積型の堆積様式で特徴づけられる.氾濫堆積はバンクから離れたところのシルト・細粒砂に始まり,水位が上昇するに伴ってバンク沿いで粗粒砂のプレーンベッドが形成された.最高水位のあたりでは無成層の礫層が堆積し,水位下降期では礫質デューンの前進が顕著になった.さらに水位が下降すると,末端部では洗い出されて来た砂によって小さなデューンやカレントリップルが形成された.
  • 梅田 真樹
    原稿種別: 本文
    1998 年 52 巻 2 号 p. 106-114
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2017/07/11
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    鳥羽地域の青峰層群は,基質の泥岩・砂岩と多くのチャート・砂岩ブロック及び少量の珪質泥岩・緑色岩・石灰岩ブロックからなる.青峰層群の分布域は北側より二地帯,白根崎帯,青峰帯に区分される.二地帯と白根崎帯の青峰層群は,従来黒瀬川帯のペルム紀コンプレックスとみなされてきた.今回,二地帯青峰層群の珪質泥岩ブロックからジュラ紀古世前〜中期,同チャートブロックからペルム紀新世を示す放散虫化石が得られた.白根崎帯青峰層群の泥岩と酸性凝灰岩からジュラ紀古世前〜中期,チャートブロックから古生代後期から三畳紀新世の放散虫化石が得られた.青峰帯青峰層群の黒色泥岩はジュラ紀中世前期の放散虫化石を産する.以上のことから,青峰層群はジュラ紀古世・中世の付加コンプレックスを含み,秩父帯に帰属すると考えられる.
  • 多度団体研究グループ
    原稿種別: 本文
    1998 年 52 巻 2 号 p. 115-135
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2017/07/11
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    三重県北部に分布する東海層群(暮明累層下部から大泉累層下部)について,堆積学および古生物学的研究を行った。調査地域の堆積相解析の結果,A,B,C,D,E,Fの6つの堆積相を認定した.これらは,氾濫原上に後背湿地,後背低地ならびに放棄河道などを伴う礫質〜砂質蛇行河川の環境を示している.花粉分析では,周辺地域に落葉広葉樹と針葉樹の混交する森林植生が繁茂していたことが推定された.嘉例川火山灰層直上の泥炭質シルト層より,寒冷型植物とされるMenyanthesの花粉および種子化石を産出した.花粉化石と同層準の珪藻分析を実施した結果,止水もしくはわずかな流れのある低水温の水域や,水生植物の繁茂する湿地の存在が示された.甲虫分析では,嘉例川火山灰層直上の泥炭質シルト層から,6科183点の甲虫化石が発見された.化石群集は大部分が湿地や水深の浅い沼沢地を好む種群で占められ,中には亜寒帯〜冷温帯に生息する寒冷型甲虫が多数含有される.この結果,当時の気候は現在よりかなり寒冷であったことが明らかになった.甲虫・花粉および珪藻化石の分析結果を総合すると,寒冷気候への移行期は,嘉例川火山灰層直上の層準にあたり,これは今から約175万年前の鮮新世と更新世の境界付近に位置づけられる.
  • 小坂 共栄, 北爪 牧, 鷹野 智由, 藤白 隆司
    原稿種別: 本文
    1998 年 52 巻 2 号 p. 136-152
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    関東山地北西縁部には,古期岩類を不整合におおう新第三系が広く分布する.それらは,下位から内山・駒込・本宿・志賀溶結凝灰岩・水落観音溶岩の各層に区分される.内山・駒込の各層は、徴化石・放射年代によって下部中新続であるとされており,フォッサマグナ中央部においては最も下位に位置する海成層である.内山層について,堆積学的な検討を加えた結果,それは基本的に9つの堆積相に区分され,それらの累重様式によって下半部と上半部の2つの堆積組相に分けられることが明らかとなった.また,各組相内部は上方細粒化と上方粗粒化のサクセッションの組み合わせからなり,それは海洋環境が浅→深→浅と変化していったことを示している.このことから,内山層の堆積期には海が浅→深→浅と変化する現象が2度繰り返されたことが明らかである.
  • 中村 正芳, 新井 房夫
    原稿種別: 本文
    1998 年 52 巻 2 号 p. 153-157
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
  • 宮下 由香里
    原稿種別: 本文
    1998 年 52 巻 2 号 p. 158-159
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
  • 大森 昌衛
    原稿種別: 本文
    1998 年 52 巻 2 号 p. 160-161
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
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