Drug Delivery System
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25 巻, 5 号
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特集 “ダブルターゲティング:薬物と医療機器テクノロジーの融合” 編集 : 岡野光夫
  • 西山 伸宏, 守本 祐司, 片岡 一則
    2010 年25 巻5 号 p. 448-455
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/06
    ジャーナル フリー
    光線力学療法(PDT)は,表在性の早期がんに対する低侵襲的治療法として有効であることが知られている.DDSによる光増感剤のデリバリーは,PDTの有効性と安全性を高める有効なアプローチであり,本稿では,筆者らがこれまでに開発を行ってきたデンドリマー型光増感剤を内包した高分子ミセルの設計とその有用性を解説する.
    さらに,高分子ミセル型DDSと患部への均質光照射のための内視鏡型ファイバープローブの融合による微小がんを標的とした新しいPDTについて紹介する.
  • 川畑 健一, 浅見 玲衣, 東 隆, 吉川 秀樹, 杉田 奈巳, 梅村 晋一郎
    2010 年25 巻5 号 p. 456-465
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/06
    ジャーナル フリー
    原理的に生体深部まで適用可能で,かつ装置が小型・安価である超音波はがんの低侵襲治療モダリティとして原理的にすぐれている.現状の超音波治療装置の問題を薬剤との組み合わせにより解決するアプローチの一つとして相変化ナノ液滴を用いる手法を提案する.小動物を用いた原理検証を行った結果を報告する.
  • 平田 圭一, 鈴木 亮, 小田 雄介, 宇都口 直樹, 丸山 一雄
    2010 年25 巻5 号 p. 466-473
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/06
    ジャーナル フリー
    近年,超音波技術の進展に伴い,超音波エネルギーを利用した薬物・遺伝子送達システムが,新たなDDS技術として注目されている.しかし,これら超音波を用いるDDSに適したキャリアーは確立されていない.筆者らは,長期血中滞留型のポリエチレングリコール修飾リポソーム内に超音波造影ガスを封入した,リポソーム型微小気泡であるバブルリポソームを開発した.
    本稿では,バブルリポソームの超音波制御型DDSキャリアーとしての有用性を見いだしたので,ここに紹介させていただく.
  • 上野 学, 潘 鉉承, 中村 浩之
    2010 年25 巻5 号 p. 474-482
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/06
    ジャーナル フリー
    低エネルギーの熱中性子はそれ自体では人体には無害であるが,ホウ素10と核反応を起こし生成するリチウムとヘリウム(α線)の有するエネルギーは,細胞を殺傷するのに充分なエネルギーである.したがって,あらかじめホウ素をがん細胞のみに送達することができれば副作用のきわめて少ない治療法となる.これを利用するのがホウ素中性子捕捉療法(BNCT:boron neutron capture therapy)である.そのためホウ素をいかに高濃度かつ選択的にがん細胞へ送達することが重要となる.BNCTは10BSHとL-10BPAの2剤を用いて脳腫瘍,悪性黒色腫,頭頸部腫瘍,肝臓がん治療などの治療に臨床用されてきた.しかし,治療効果の向上や適応疾患拡大のためには,より効率的なホウ素デリバリーシステムの開発が望まれている.そのような状況下,リポソームを用いるホウ素デリバリーシステムが注目されている.
    本稿では,筆者らが進めてきたホウ素脂質リポソームによるホウ素デリバリーシステムを中心に紹介する.
  • 中山 正道
    2010 年25 巻5 号 p. 483-492
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/06
    ジャーナル フリー
    薬物キャリアが標的部位に集積したのち,外部刺激により部位選択的に薬物を作用させる異分野融合技術が次世代DDSとして注目されてきている.外部刺激のなかでも,熱エネルギーの利用は正常組織への低い侵襲性,および医療デバイス側の開発の面からも有望視されている.
    本稿では,薬物キャリアと外部エネルギー照射技術の融合として,標的部位での温度変化を引き起こすことにより,薬物の作用部位および作用時間を選択的に制御するための温度応答性薬物キャリアの分子設計と外部エネルギー照射デバイスについて概説する.
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