摘出ヒト皮膚を用いた
in vitro皮膚透過試験は、局所適用薬物の有効性や安全性を評価するために重要である。しかしながら、ヒト皮膚を用いた試験は倫理的な問題だけでなく、使用する摘出皮膚の部位差、年齢などにより薬物透過性に大きなバラツキが認められる。そのため、ブタ、ラット、マウスなどの近交系動物を用いた
in vivoおよび
in vitro試験が広く実施されている。動物皮膚を介した物質の皮膚透過特性の理解は、ヒト皮膚を介した
in vivo吸収性や
in vitro透過性を予測するうえで非常に重要となる。本稿では、薬物の皮膚透過性に及ぼす動物皮膚の特性(皮膚の厚み、脂質含有量、毛嚢密度および酵素活性など)および薬物のヒト皮膚透過性との相関性について述べる。また、ヒトや動物皮膚代替膜として注目されている3次元培養ヒト皮膚モデルの利用の可能性についても述べる。
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