ポストゲノム新時代を迎え, プロテオミクスや構造ゲノミクスの進展も相まって, 疾病治療に有効な蛋白質を探索·創製しようとするプロテオーム創薬への期待が高まっている. しかしながら蛋白質の生体への適用には, 依然として蛋白質の生体内安定性を向上させ, かつその多様な
in vivo生理作用のなかから目的とする治療作用のみを, 選択的に発現させうる創薬テクノロジーの確立が必須となっている. 本観点から筆者らは最近, ファージ表面提示法を駆使した“医薬価値にすぐれた機能性人工蛋白質の迅速創出システム”とともに, “蛋白質の医薬品としての有効性と安全性を高めうる高分子バイオコンジュゲーション法”などを新たに確立した. 本稿では, この蛋白療法の最適化に適う“プロテオーム創薬のためのDDS基盤テクノロジー”について紹介させていただく.
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