Drug Delivery System
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34 巻, 2 号
核酸・遺伝子医薬およびそのDDS開発研究の課題
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
特集 “核酸・遺伝子医薬およびそのDDS開発研究の課題”  編集:西川元也
  • 西川 元也
    2019 年 34 巻 2 号 p. 83
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー
  • 原島 秀吉
    2019 年 34 巻 2 号 p. 84
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー
  • 井上 貴雄, 佐々木 澄美, 吉田 徳幸
    2019 年 34 巻 2 号 p. 86-98
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー
    アンチセンスやsiRNAに代表される核酸医薬品は、これまで治療が難しかった遺伝性疾患や難治性疾患に対する新しいモダリティとして注目を集めている。従来の核酸医薬開発では生体内における安定性や有効性に課題があったが、修飾核酸技術やDDS技術が進展したことで状況は一変しており、局所投与のみならず、全身投与でも高い効果を発揮する候補品が次々と開発されている。本稿では、核酸医薬品の分類、性質、構造、作用機序等の基礎知識を解説し、既承認核酸医薬品を例にあげながら、その開発状況や優位性について議論したい。
  • 櫻井 文教
    2019 年 34 巻 2 号 p. 99-105
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー
    1990年に米国にて、アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症に対して世界で最初の遺伝子治療が実施されてから、25年以上が経過した。この間、素晴らしい治療効果が観察された臨床例もあったが、期待されたほどの治療効果が得られた例は限られており、また重篤な副作用も報告されたことから、遺伝子治療は冬の時代を迎えた。しかし、その後の研究者の絶え間ない努力により、2012年のリポタンパクリパーゼ発現アデノ随伴ウイルスベクター(商品名Glybera)の承認を皮切りに、7種の遺伝子治療薬が相次いで承認され、いよいよ遺伝子治療は現実のものとなってきた。そこで本稿では、ウイルスを基盤とした遺伝子治療薬の開発の現状ならびに今後の展望について紹介する。
  • 菊池 寛
    2019 年 34 巻 2 号 p. 106-115
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー
    筆者は12年前の日本薬学会年会シンポジウムにおいて核酸・遺伝子医薬品の当時の現状を紹介した。遺伝子治療用リポソーム等で用いられるプラスミドDNAと比べて、siRNAに代表される核酸医薬の方が化学修飾、細胞内導入、安定性などの観点からも優位であり、企業の開発は今後、核酸医薬品にシフトしていくだろうと予測した。それから12年経過した現在の状況を見て、その予測が見事にはずれたことに驚いている。核酸医薬は予想どおり、アンチセンス医薬、siRNA医薬等が徐々に上市され始めたが、ウイルスベクターを用いた遺伝子治療用医薬品も5年間で7品目が上市されている状況である。核酸医薬品も修飾核酸が多く、いずれにおいてもまだDDS(drug delivery system)技術の貢献度は低いようであるが、有効性と安全性のさらなる向上のために、近い将来DDS技術が必要になるのは間違いない。最近注目されているエクソソームは、その突破口になる可能性が高いと思われる。
  • 髙橋 葉子, 丸山 一雄, 根岸 洋一
    2019 年 34 巻 2 号 p. 116-123
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー
    遺伝子・核酸医薬が臨床応用されるうえで、標的組織および標的細胞へのデリバリー技術の開発は重要課題である。近年、物理エネルギーのなかでも超音波を利用したデリバリーシステムはその安全性の高さから注目されており、ナノバブルやマイクロバブルを併用することで、造影効果のみならず薬物・遺伝子・核酸デリバリー効果の増強の可能性が示されている。筆者らは、超音波造影ガスを封入したリピッドバブルを開発し、種々の疾患モデルマウスを用いて遺伝子・核酸デリバリーツールとしての有用性を評価してきた。本稿では、超音波による診断と治療を融合したシステム(セラノスティクス)構築に向けた現状について概説するとともに、筆者らが開発したリピッドバブルによる遺伝子・核酸デリバリー効果とその治療への応用を紹介する。
  • 佐々木 均, 兒玉 幸修
    2019 年 34 巻 2 号 p. 124-130
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー
    遺伝子・核酸医薬は安定性や膜透過性が低く、精密な標的化が難しいため、対象疾患や投与法が限定されている。さらなる臨床展開のためには、非臨床・臨床情報を集積し、規制を整備することが重要である。また、生体内安定性や細胞標的性、臓器選択性を付与できる化学修飾やDDSの開発が強く望まれる。国内外で、数多くのDDSが研究されてきたが、未だ実用化は難しく、臨床使用を目的とした安全性や生体適合性を考慮する必要がある。さらにシーズ開発が優先され、臨床ニーズとのマッチングが不十分である。筆者らは、医薬品や食品などに使用されている安全な素材を用いて、遺伝子・核酸医薬に適したDDSを構築した。薬理効果や毒性を検討し、その結果を製剤設計へのフィードバックを繰り返すことで、多機能で安全なDDS(ナノボール)を開発した。ナノボールは無菌的な大量生産も可能で汎用性が高い。高い安全性から臨床への早い応用も期待できる。臨床現場や臨床ニーズの立場から、遺伝子・核酸医薬の開発の課題や展望について考える。
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