Drug Delivery System
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ISSN-L : 0913-5006
23 巻, 6 号
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特集 “DDSに利用される高分子化学” 編集 : 横山昌幸
  • 横山 昌幸
    2008 年23 巻6 号 p. 610-617
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    血液内に投与する薬物キャリアに使われる合成高分子を解説する.高分子の分類・構造・合成について,高分子化学全般を述べるのではなく,薬物キャリアへの応用の観点に焦点を絞って説明を加える.つぎに,高分子キャリアの設計論を解説したのち,三つの高分子キャリアの研究例を解説する.全体を通して,「なぜこの高分子材料が特定のキャリアの用途に用いられるのか」を高分子化学の観点から述べることを目的としている.
  • 大矢 裕一, 長濱 宏治
    2008 年23 巻6 号 p. 618-626
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    体内で無毒な成分に分解され,代謝・吸収・排泄される生分解性高分子材料は,DDSの薬物キャリアや薬物リザーバーとして利用されている.これらは注射による投与が可能な,可溶性ナノパーティクル,微粒子,インジェクタブルゲルなどの剤形で使用されることが多い.本稿では,代表的な生分解性合成高分子であるポリ乳酸系ポリマーを採り上げ,特にポリ乳酸と他の親水性高分子との組み合わせによるDDSへのアプローチについて紹介する.
  • 中山 正道
    2008 年23 巻6 号 p. 627-636
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    温度応答性高分子はある温度を境に,水に対する溶解性を変化させる刺激応答型の高分子である.このようなモジュレーション分子を材料表面や蛋白質などの生理活性物質に導入することによって,新しいインテリジェント機能を有する材料を構築することが可能となる.本稿では,ドラッグデリバリーシステムにおける温度応答性高分子材料について,種々の温度応答性高分子の特性を解説するとともに,温度変化で薬物放出を制御するゲルや,固形がんへの薬物ターゲティングを目的としたナノサイズの薬物キャリアについて概説する.
  • 光応答性高分子によるダブルターゲティング
    長崎 健
    2008 年23 巻6 号 p. 637-643
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    光応答性高分子マテリアルはin vivoでの標的細胞ターゲティングをはじめ,細胞膜透過・各種細胞膜オルガネラ膜透過という細胞内ナビゲーション,さらにドラッグリリースとプロドラッグからの薬効発現スイッチなどにも応用可能である.今後,マテリアルそのものに生体適合性や生分解性などを付与した生体にやさしい素材の開発とともに,改善と進展が目覚ましい光照射技術がシンクロナイズすることで,薬剤機能による標的化と光応答性デリバリーシステムからなるダブルターゲティングDDSが臨床へ寄与する日が近い将来に訪れるであろう.
  • 河野 健司
    2008 年23 巻6 号 p. 644-653
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    リポソームのDDSとしての有用性を高めるためには,リポソームに新しい機能を与え,しかも,高いパフォーマンスを実現することが重要である.高分子化学からのリポソームへのアプローチは,リポソームの高機能化・高性能化を実現するためのすぐれた手法であり,これまでに高分子の導入によってさまざまな高機能リポソームが構築されてきた.本稿では,筆者らが展開してきた温度応答性高分子やpH応答性高分子の導入による機能性リポソームの構築を中心に,リポソームの機能化・高性能化における高分子化学からのアプローチの有用性について述べる.
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