Drug Delivery System
Online ISSN : 1881-2732
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34 巻, 1 号
イノベーティブな医療をベッドサイドへ届けるDDS:がん治療
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
年頭にあたって
特集 “イノベーティブな医療をベッドサイドへ届けるDDS:がん治療”  編集:濱口哲弥
  • 濱口 哲弥
    2019 年 34 巻 1 号 p. 7
    発行日: 2019/01/25
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー
  • 松村 保広
    2019 年 34 巻 1 号 p. 8
    発行日: 2019/01/25
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー
  • 眞鍋 史乃
    2019 年 34 巻 1 号 p. 10-21
    発行日: 2019/01/25
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー
    抗体-薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)は、抗体をデリバリーツールとして活性の強い低分子化合物を病変部位へと送達し、安全域を広げるので、次世代抗体医薬として期待されている。本稿においては、より効果的なADCを作製するために各構成分子である抗体、低分子化合物、リンカーそれぞれに求められる事項と最近の話題について概説する。
  • 清水 広介, 奥 直人
    2019 年 34 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 2019/01/25
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー
    リポソームは脂質二分子膜からなる閉鎖小胞であり、難溶性薬物の可溶化や薬物送達のためのDDS素材として広く用いられている。一方、抗体は、抗原に対する強力かつ特異的な結合性を示す分子であるため、抗体のDDS利用は、目的部位へと薬物を積極的に送達する標的化DDSを達成し、安全かつ効率的な薬物治療を実現できるといえる。本稿では、抗体を標的化プローブとして使用した抗体修飾リポソームに関して、その調製法からがん治療への応用について、これまで筆者らが取り組んできた研究とともに紹介する。
  • 髙島 大輝, 津村 遼, 古賀 宣勝, 安永 正浩, 原田 充訓, 松村 保広
    2019 年 34 巻 1 号 p. 29-37
    発行日: 2019/01/25
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー
    近年、enhanced permeability and retention effect(EPR効果)に基づくpassive targetingによって腫瘍に送達されるナノ粒子に抗原抗体反応やリガンドと受容体との相互作用に基づくactive targetingの特性を付与したDrug Delivery System(DDS)製剤の研究が盛んに行われている。本稿では、抗がん剤内包ミセルに抗体を付加させたイムノミセル(immunomicelle)に焦点をおき、抗体の構造と多岐にわたる機能、抗体の低分子化、抗体の付加方法とこれまでのイムノミセルに関する前臨床研究について概説するとともに、筆者らがナノキャリア株式会社との共同で行っている抗組織因子(tissue factor:TF)抗体付加抗がん剤内包ミセルの前臨床研究を紹介する。
  • 山之内 翔, 金澤 秀子
    2019 年 34 巻 1 号 p. 38-45
    発行日: 2019/01/25
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー
    近年、がん幹細胞(CSC)の理論は研究者から注目を集めており、がん研究の重要な焦点となってきた。マーカー分子がさまざまな固形腫瘍において過剰発現されているという報告以来、多くの研究がヒアルロン酸レセプターCD44を標的とする方法に注目している。CD44の主要な結合分子であるヒアルロン酸は、腫瘍集積性や細胞取り込みの増加を目指すナノキャリアの開発において重要なリガンドとなることが明らかにされている。そのためCD44を標的としたナノキャリアにさらなる機能を付加する研究が頻繁に行われている。既存の技術との組み合わせによって、より効率的な薬物送達が可能になることが予想される。この本稿では、これまでの文献から、CD44ターゲティング機能を利用した研究アプローチを紹介し、それぞれのアプローチで得られる利点について記述する。
  • 西川 元也, 草森 浩輔
    2019 年 34 巻 1 号 p. 46-51
    発行日: 2019/01/25
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー
    TLR9のリガンドであるCpG ODNは、免疫アジュバントとしてがんや感染症に対する治療への利用が期待されている。筆者らは、ナノ構造化核酸を基盤とする研究を展開し、CpG ODNの立体構造と細胞との相互作用、アジュバント活性との相関について検討してきた。その結果、TLR9発現細胞によるナノ構造化核酸の取り込みにおけるMSR1の関与を見出した。また、さまざまな構造的特徴のナノ構造化核酸を作製し、これがCpG ODNによるTLR9発現細胞からのサイトカイン産生増大に有用であることを示した。さらには、ナノ構造化核酸を連結することで得られるDNAハイドロゲルが、自然免疫活性化作用を有しCpG ODNを徐放するデリバリーシステムとしてがん治療に有効であることを明らかにした。
  • 阿部 有生, 中田 隆, 我妻 利紀
    2019 年 34 巻 1 号 p. 52-58
    発行日: 2019/01/25
    公開日: 2019/04/25
    ジャーナル フリー
    がん細胞に結合する抗体に、細胞毒性を有する薬物を結合させた抗体薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:ADC)は、選択的かつ効果的にがん細胞を死滅させるとともに、全身毒性軽減が期待される次世代抗体医薬品である。第一三共では独自技術の研究を進め、DNAトポイソメラーゼI阻害剤エキサテカンの新規誘導体を薬物本体とする薬物リンカー技術を確立した。本技術は先行技術に比べ高比率かつ均一に薬物を抗体に結合させることが可能、バイスタンダー効果に基づく強力な抗腫瘍活性を発揮、リンカーの高い安定性と遊離薬物の血中半減期が短いという安全性にも配慮した特徴を有する。抗HER2抗体に本技術を適用した抗HER2 ADC(DS-8201a)をリードプロジェクトとして研究開発を進めた結果、第I相臨床試験により、がん患者における安全性と忍容性、およびHER2発現またはHER2変異を有する乳がん、胃がん、肺がん、大腸がんなど複数の患者での有効性が確認された。現在、第II、第III相の複数の臨床試験を実施中である。さらに、本技術のHER2以外の標的、抗体への適合性も確認され、新規DNAトポイソメラーゼI阻害剤のADC技術の有用性が示されつつある。
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