アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)やSmall interfering RNA(siRNA)に代表される核酸医薬は、従来の創薬モダリティとは異なる創薬標的へのアプローチが可能である。近年、肝臓表面上のアシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)を利用した、
N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)リガンドコンジュゲート核酸は、肝臓ターゲティングとしての核酸医薬として、臨床でバリデートされ、複数の薬剤が上市されてきている。この成功例から、さらなる展開として、肝臓以外をターゲットとするリガンドコンジュゲート核酸の技術が期待されているが、未だチャレンジングな課題となっている。筆者らは、糖鎖受容体とそのリガンドのユニークな結合、内在化特性に着目し、糖鎖リガンドコンジュゲートsiRNAの技術開発を検討してきた。本稿ではその事例について紹介する。
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