Drug Delivery System
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20 巻, 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 山本 昌
    2005 年 20 巻 4 号 p. 397
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
  • 木村 聰城郎
    2005 年 20 巻 4 号 p. 399
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
  • 難吸収性薬物の消化管ならびに経粘膜吸収の改善—現状と将来展望—
    山本 昌
    2005 年 20 巻 4 号 p. 404-415
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    一般に, 水溶性薬物や高分子薬物は, 経口投与後, 消化管粘膜を透過しにくいため, 経口投与後の吸収率は充分でない. そこで最近では, 経粘膜投与後のこれら薬物の吸収率を改善するため, 種々の方法が試みられている. これらの方法は, (1)吸収促進剤などの製剤添加物を利用する方法, (2)薬物の分子構造を修飾する方法, (3)これら薬物に剤形修飾を行う方法などに分類できる. また, (4)これら薬物の新規投与経路を開発する方法, 特に薬物の経肺投与は有望であると考えられる. 本研究において筆者らは, 各種難吸収性薬物の消化管ならびに経粘膜吸収がこれらの方法により改善できることを明らかにした. したがって, これらの方法は, 薬物の消化管ならびに経粘膜吸収の改善に有用な基礎的情報になるものと思われる.
  • Tight junctionおよびP-糖蛋白質の機能修飾に基づいた薬物吸収改善
    富田 幹雄, 林 正弘
    2005 年 20 巻 4 号 p. 416-423
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    各種吸収促進剤による腸管粘膜透過改善の生理学的な作用機構について検討した. カプリン酸ナトリウムは細胞内カルシウムを上昇させ, カルモジュリン依存的なアクチンフィラメントの収縮により, また, デカノイルカルニチンと酒石酸はATPの枯渇と細胞内アシドーシスにより, 細胞間隙ルートを拡大した. 一方, 酒石酸およびピロチオデカンはP-糖蛋白質(P-gp)の機能抑制により, P-gp基質の吸収を改善した. 以上から, 各種吸収促進剤による細胞間隙ルートと細胞内ルートそれぞれにおける薬物吸収制御機構が明らかとなった.
  • 消化管トランスポーター機能と薬物吸収への寄与
    森下 真莉子
    2005 年 20 巻 4 号 p. 424-432
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    近年, 薬物トランスポーターが薬物体内動態特性と密接に関連することが明らかとなり, 薬物バイオアベイラビリティを決定する要因として, その重要性が強く認識されるに至っている. 一方, drug delivery systemの視点でみると, 薬物トランスポーターの機能を積極的に利用することによって, 薬物体内動態を制御できることが可能となってきたと考えることが出来る. 本稿では, 小腸初回通過に関わるトランスポーターにターゲットを絞り, これまでに報告されてきた研究結果を紹介して, 消化管active influxあるいはefaux transport systemがどのように薬物体内動態に関わっているか, また, その機能修飾により薬物吸収率を制御する可能性について考察したい.
  • シクロデキストリンによる蛋白質·ペプチド性薬物の経粘膜吸収の改善
    有馬 英俊, 上釜 兼人
    2005 年 20 巻 4 号 p. 433-442
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    臨床的に重要な生理活性蛋白質·ペプチド性薬物が活発に開発されている. しかし, これらの薬物は, 化学的および酵素的に不安定であることや, 生体膜からの吸収性が低いという欠点を有する. これらを改善するために, 蛋白質·ペプチド性薬物の化学修飾やデリバリーシステムが利用されてきた. 本稿では, これらの薬物の経粘膜吸収の改善法としてのシクロデキストリンの最近の応用例について概説する.
  • 微粒子吸入による肺局所および全身性疾患の薬物治療
    岡本 浩一
    2005 年 20 巻 4 号 p. 443-451
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    肺はペプチド性医薬をはじめ, 全身作用薬の投与部位として魅力的な組織である. しかし, 呼吸という生命にとって重要な機能を有するため, これまでに全身作用薬は実用化されていない. 吸入用微粒子設計には, 粒子径のコントロールが重要である. これまでに, 吸入用ドライパウダーは凍結乾燥法や噴霧乾燥法により調製されてきたが, 近年, それらに代わる方法として, 超臨界二酸化炭素晶析法が注目されている. 本稿では, ペプチド性医薬のドライパウダーの調製法, 吸収促進剤の効果·有用性に関する基礎的知見を紹介する.
  • 薬物の皮膚表面および皮内からの吸収促進と制御
    藤堂 浩明, 杉林 堅次
    2005 年 20 巻 4 号 p. 452-459
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    薬物の皮膚適用は, 肝初回通過効果を回避でき, 長期連続投与が可能であるなどの理由から, 全身治療を目的とした薬物投与法として注目されている. しかしながら, 多くの薬物において皮膚透過性はきわめて低いという問題点があり, 実用化には吸収促進法の利用が不可欠である. 現在までに確立されている吸収促進法は, 大きく物理学的促進法と化学的方法の二つがあげられる. これらの技術の進歩により, 従来型低分子有機化合物のみならず, ペプチド, 蛋白質, 核酸医薬品などの高分子量物質に対しても経皮薬物送達システムの適用が可能になりつつある.
  • 浅井 和範, 水野 恵司, 森下 真莉子, 高山 幸三
    2005 年 20 巻 4 号 p. 461-466
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    本研究は, 水溶性シクロデキストリン(W-CD)で溶解性を改善した難溶性薬物デキサメタゾンのラット経鼻投与後の薬物動態, および凍結脳損傷モデルにおける脳浮腫抑制効果を評価することにより, 経鼻から脳へのデキサメタゾン送達の可能性を検討した. デキサメタゾンはmono-maltosyl-β-CD(GCD)を用いて溶解改善し, 高濃度溶液(1.57%)を得た. このデキサメタゾン-GCD溶液を改良in situ薬物滞留法の手術を施したラットに経鼻投与した結果, 血清中デキサメタゾン濃度は速やかに上昇し, 静脈内投与に匹敵するbioavailabilityが得られた. さらに, 凍結脳損傷モデルにおける脳浮腫改善効果は, デキサメタゾン-GCD溶液の経鼻投与のほうが静脈内投与よりすぐれており, 経鼻から脳へ効率よく送達されている可能性が示唆された. これらの結果より, W-CDによる溶解性の向上と経鼻投与法は, デキサメタゾンの脳への適用における新たな治療戦略となる可能性が示された.
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