Drug Delivery System
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20 巻, 6 号
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  • 西村 憲治
    2005 年20 巻6 号 p. 589
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
  • 岡田 弘晃
    2005 年20 巻6 号 p. 591
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
  • 医薬品創製に向けたDDSの活用
    岡田 純一, 西村 憲治
    2005 年20 巻6 号 p. 594-601
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    すぐれた薬理活性を持つリード化合物が見いだされた場合, 通常の製剤としたうえで既存の手法を踏襲して開発できる開発候補化合物を誘導体展開によって探求することが, 普遍的な医薬品開発の流れであった. しかし,化合物の複雑化に伴い, 薬物動態あるいは安全性の観点から必要な要件を完備した薬物を得ることは, より難しくなっている. 新規リードから少しでも効率的に上市へ到達するためには, 誘導体展開による化合物の改善に加えて, DDSによる化合物の欠点の補完も試みられるべきである. 欧米にて特に成熟しつつあるLCMへのDDSの適用と成功を演繹すると, 新規化合物への活用の可能性も示唆される. 多くの場合に志向される通常経口剤化を出発点とし, これが困難な場合に適用できるDDS技術の選択肢を, 化合物の持つ課題別に考察した.
  • DDSの研究開発に対するベンチャービジネスの貢献
    Richard L DiCicco
    2005 年20 巻6 号 p. 602-609
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    本稿では, DDS領域に特殊な技術を有するDDS研究開発受託会社の発展にベンチャービジネスがどのように機能しているかを説明する. ベンチャービジネスは, DDS受託会社が製薬企業と共同で研究開発を行うための整備を行っている. 本稿は, 1980年に立ち上げ今日まで絶え間なく更新されてきた, DDS会社, ベンチャー投資会社, 技術, およびDDSの共同研究開発事例を含む膨大なデータベースに基づいている.
  • 吸入剤の研究開発の進めかた—特に吸入剤特有の包括的な評価—
    小栗 侯二郎
    2005 年20 巻6 号 p. 610-619
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    吸入剤の主な目的には, 他の投与経路では達成できないすぐれた効果, 安全性, 持続性, 迅速な効果などがある. このため, 吸入剤の研究は古くから進められているが, 吸入剤には化合物, 製剤処方, 吸入器および吸入剤から放出される空気動力学的粒子径が複雑に関連しており, これまで一定の解釈が困難であった. しかし, 吸入ステロイド薬の最近の基礎的および臨床的研究報告からこれらを包括的に評価することにより, 吸入剤の臨床的な特性を推測可能な段階になっている. 特に空気動力学的粒子径と粒子の気道·肺胞部位の付着は, 臨床効果だけでなく安全性に関連している. 空気動力学的粒子径が大きすぎると口腔内に多く付着し, 小さくしすぎると肺胞部位に多く付着するような特性がある. また, 肺胞部位に多く付着する吸入剤は肺内総沈着率も高くなり, 同時に全身への吸収が迅速になることもわかってきている. このことから, 治療目的に応じて適切な空気動力学的粒子径になるように吸入剤を研究開発することが重要となる. 吸入剤は, 動物試験ではヒトと同様に吸入できないという制限があり, 製剤化した吸入剤は, 主に空気動力学的粒子径による理化学的な評価とヒトにおける薬物動態による評価により行うことになり, これらの結果により, 臨床試験において治療目的を達成できるかどうかを推定することが可能となっている.
  • 蛋白修飾医薬品におけるCMC要件
    Susan Cannon-Carlson, David Wylie, Doug Kline, Doug Inloes
    2005 年20 巻6 号 p. 620-634
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    C型肝炎ウイルス感巣者は現在, 全世界で2億7,000万人と推定され, さらに年間400万人が新たに感染していると考えられている. C型肝炎ウイルス感染は慢性肝疾患の主な原因であり, 米国およびヨーロッパ諸国における肝臓移植の最も一般的な理由となっている. ポリエチレングリコール修飾(以降ペグ化)インターフェロン(ペグインターフモロン アルファー2b: EG-INTRON®, あるいはペグインターフェロン アルファー2a: PEGASYS®)の単独あるいはリバビリンとの併用療法は, C型肝炎ウイルス感染患者の標準療法となっている. これらのペグ化インターフェロンは, 核となるインターフェロン分子のさまざまな部位にポリエチレングリコール(PEG)が一分子結合したモノペグ化蛋白のヘテロな混合物, すなわち修飾部位異性体の混合物であるため, 製造および特性解析にはCMC部門の多大な努力が払われている. これら製造時および特性解析上の困難に対して, PEG-INTRON®の開発を通じて包括的に取り組んだ. 原薬および製剤中のペグ化インターフェロンに関する広範な特性解析および適切な製造管理方法の設定は, CMC部門の開発戦略の土台となり, 薬事承認を得るという目的に適うものであった. 本研究は, PEG-INTRON®を構成する修飾部位異性体を定量的に評価するための分析戦略について述べたものである. 個々の修飾部位異性体を単離し, それぞれのペグ結合部位およびインビトロ生物活性について解析した. この結果, 異なるペグ化反応により修飾部位異性体の分布が異なる混合物が生成することが明らかとなった. PEG-INTRON®の主要な構成物は34位のヒスチジンがペグ化されたものであり, これは種々のモノペグ化インターフェロン中, 最も生物活性の高い修飾部位異性体であることが示された. 一方, リジン残基にPEGが結合した修飾部位異性体の抗ウイルス活性はきわめて低いものであった. したがって, PEG-INTRON®とPEGASYS®はペグ化反応が異なることにより, それぞれ修飾部位異性体の混合物分布が異なり, また, インビトロ生物活性プロファイルが異なったと説明できる.
  • 臨床開発プロトコールのありかた
    加藤 俊博, 北山 正和
    2005 年20 巻6 号 p. 635-642
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    DDS製剤の臨床試験計画は, 既承認製剤開発時の試験デザインや試験結果, 適応症, 適用したDDS技術, 対象患者数, 標準治療(薬)方法, 海外データの有無などによって大きく異なる. 最も留意すべきは, 体内動態と薬力学の時間的推移や臨床的な有効性および安全性を, すでに承認され市販されている通常の製剤もしくは標準的な治療法と比較して, その有用性が明らかになるように計画することである. 本稿では, DDS製剤に特有ではないが, 各種臨床試験に関わるガイドラインと, いくつかのDDS製剤の臨床試験プログラムを紹介する.
  • DDS開発に対する行政の期待—DDSはだれのため?
    紀平 哲也
    2005 年20 巻6 号 p. 643-647
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    DDSの目的は, 疾病の薬物治療を最適化することであり, その恩恵を受けるのは, 患者をはじめとする医療現場である. したがって, DDS開発は企業論理だけでなく, ユーザーである患者を向いた視点から検討されるものであるべきであると思われる. また, DDSの概念そのものは, 本来, すべての薬物において適用されるべきものである. 医薬品の開発初期の段階からルーチンとしてDDSの検討が採り入れられ, 出来るだけ多くの薬物が“最適化”された状態で臨床現場に提供されるようになることが理想であると考える.
  • Product lifecycle managementの一環としてのDDS
    吉野 廣祐
    2005 年20 巻6 号 p. 648-655
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    DDSの概念が医療の場に導入されてすでに久しいが, drug delivery技術は昨今, 医薬品開発戦略において脚光を浴びている. その大きな理由には, 新薬開発のリスクの飛躍的増大と, これまで支えてきた大型主力製品の特許切れに伴って出現する後発医薬品の攻勢に対する脅威にある. Drug delivery技術は, いまや医薬品産業の事業戦略にとって不可欠なツールとなってきており, さまざまなDDS製剤が開発途上にある. 本稿では, 特に医薬品開発におけるproduct lifecycle managementの重要性と昨今の技術開発の動きを概観してみたい.
  • 牧野 悠治, 西部 義久, 松木 秀夫, 西村 芳卓, 勝山 厳
    2005 年20 巻6 号 p. 656-665
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    新規に確立した家兎in vivo鼻腔内薬物動態解析方法で4種の基剤(徴結晶セルロース(MCC), ヒドロキシプロピルセルロース(HPC), 乳糖, ポリスチレン標準微粒子(PP))のフルオレセイン粉末状製剤を投与し, フルオレセインの鼻腔からの吸収と食道への排出を比較した. HPCについては蛍光標識体を用い, またMCCとPPについては画像解析による粒子数測定により, これら基剤3種自身の食道への排出も測定した. さらに4種製剤からのフルオレセインの放出をin vivo放出試験により比較した. これらの結果をもとに, 血中濃度AUCの結果(MCC>PPC>HPCC>乳糖)に及ぼす基剤の効果を考察した. すなわち, 水不溶性のMCCとPPでは, いずれもフルオレセインの吸収が促進されたが, PPが速やかに鼻腔から排出されるのに対しMCCは鼻腔内に滞留した. 有意差はないもののMCCの吸収性がより高かったのは, MCCの粘膜付着性により粘膜上にフルオレセインの局所的高濃度が, より長時間達成されたためと推測した. HPCもMCCと同様に鼻腔内に滞留するが, ゲルが形成されるためフルオレセインの拡散が遅く吸収も排出も少ないと推定される. 一方, 乳糖では速やかに溶解するためフルオレセインの局所的高濃度サイトが生成せず, 速やかに拡散して食道へ排出されたと推定された.
  • 神林 信太郎
    2005 年20 巻6 号 p. 666-671
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    胃液中での薬物放出を抑制し, 選択的に腸液中へ薬物を送達するCore-Shell型錠剤を調製した. アルギン酸ナトリウム(Alg)とメチルグリコールキトサン(MG)の混合粉末をShell層に使い, モデル薬物のテオフィリン(TH)をCoreに含有させて放出挙動を検討した. 人工胃液(pH 1.2)から所定時間後に人工腸液中(pH 6.8)へ錠剤を移し替えながら, TH放出量を吸光光度法(271 nm)で測定した. 人工胃液での放出率は10%程度まで抑制できた.人工胃液から人工腸液へ錠剤を移し替えたとき, 放出速度が急激に上昇する“絞り出し現象”が観察された. Shell層のAlgとMGが等モル組成のとき, 絞り出し現象は最大となり, 放出速度は9倍に上昇した. 絞り出し現象は, AlgとMG間のポリイオンコンプレックス形成による錠剤膨潤層の体積収縮と, それに伴う亀裂の生成によって引き起こされることが明らかになった.
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