環境負荷の小さな新しい地盤改良技術として注目されている微生物固化の沿岸環境への適用を目的とし,尿素の加水分解速度と砂地盤の強度増加効果の関連性について検討した。陸域由来で固化効果が明らかとなっている
Bacillus pasteuriiを基準微生物とし,海水から単離され沿岸域での固化促進効果が期待される
Sporosarcina aquimarinaを用いた比較検証試験を行った。試験は人工海水環境下で行うとともに,豊浦砂および天然プロセスで海砂の固化効果が報告されている場所で採取した2種類の砂を用いた。試験の結果から,1)菌体培養液と尿素溶液を用い,電気伝導度の変化により尿素の加水分解速度を定量的に評価できる, 2)海砂質量に対するカルサイトの析出率が同じであっても圧縮強さは微生物種により異なる,3)圧縮強さの増加効果と尿素の加水分解速度の間には正の相関が期待できる,ことがあきらかとなった。
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