日本教育工学会論文誌
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44 巻 , Suppl. 号
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ショートレター
  • 福岡 賢二, 孫 一, 大月 一弘
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 1-4
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究は,日本での就職を希望する日本語を話せない留学生を対象に,企業で働くために必要な「社会人観」についての理解状況を調べ,日本語を話せる留学生や日本人学生の理解状況と比較する.本学に在学している大学院生らを対象に,アンケート調査を行い,その結果について分析を行った.アンケート調査の内容には,企業で求められていると留学生が考える能力要素や「社会人基礎力」の概念についての理解状況,重要と思われている社会人基礎力の項目などが含まれる.調査結果の分析により,留学生にとって,日本語を理解するニーズが高く,日本のビジネスマナーについて知りたい要望があると確認できた.このようなニーズは,留学生の就職を支援する際の参考となると考える.

  • 山下 祐一郎
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 5-8
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,プレゼンテーション評価の効率化を実現するため,プレゼンテーションにおけるスライド評価と発表評価の一致率を分析した.スライド評価は,プレゼンテーションスライドのみを評価することである.また,発表評価はスライドを使用した口頭発表に対する評価である.本研究の評価では,アンケート形式のルーブリックを用いて,ピアレビューを実施している.そして,例えば,わかりやすさの評価は「わかりやすい」と「わかりにくい」の二極の傾向に分けて一致率を求めた.このように,傾向に分けた場合の一致率は,わかりやすさ,面白さ,タイトルの適切さ,論理構成,目的の説明,情報収集の項目で90%以上を示していた.

  • 三井 一希, 佐藤 和紀, 堀田 龍也
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 9-12
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究は,教職員用情報共有システムを導入した学校の1年間の書き込みの実態を把握し,今後導入を予定している学校の参考となる知見を提供することを目指している.ある学校で活用されている教職員用情報共有システムへの1年間の書き込み内容について調査したところ,1回の書き込みの平均文字数は200字程度であること,学校行事やイベントが多い月は情報量が多くなること,校内で指導的な立場にある者は投稿数が多くなること,「予定の確認・変更」,「施設・設備・備品」等が書き込みの内容として多いことなどが明らかとなった.

  • 森谷 健太, 中沢 峻, 佐々木 秀之
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 13-16
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/09/10
    ジャーナル フリー

    宮城大学では,令和元年10月に起きた台風19号の被災地支援のため,学生に対して災害ボランティアの募集を行い,活動に参加した学生に対して後日,アンケート調査を行った.本研究では,その調査結果について,SCAT による質的分析を行った.その結果,東日本大震災を経験し,その時に受けた支援に対する恩送りの意思により災害ボランティアに参加するケースが確認された.最後に,分析の考察を踏まえ,大学による災害ボランティア活動への学生の参加推進の方策を検討した.

  • 岡田 涼, 石井 僚
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 17-20
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,小学校の算数と理科の授業場面における教師の指導スタイルの特徴を自律性支援の枠組みから分析した.7つの授業を観察し,そこでの教師の発話データを自律性支援の概念的定義にもとづくカテゴリに分類した.複数の教師に共通していたものとして,【視点の代弁】と【挑戦の喚起】がみられた.一方で,【聞き合いの促し】【意味の説明】【選択の受容】は少なかった.また,【興味の喚起】【がんばりや否定的な気持ちの受容】については,一部の教師に多くみられた.本研究の結果は,教師の指導スタイルについて,教師の間で共通する部分と個々の教師で異なる部分を明らかにするものであり,同時に指導の改善に資する知見を提供するものである.

  • 藤木 大介
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 21-24
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    教師の学習に関するメタ認知的知識の不正確さは不適切な指導へとつながる.例えば効果があるなら体罰もやむなしとする考えもある.しかし罰を用いて行動傾向を変容させることは非常に困難であることが知られている.したがって児童・生徒の不適応行動への指導に罰を用いることは倫理的にも科学的にも不適切である.そこで本研究では,教員養成課程の学生や現職教員が体罰についてどのように考え,その効果についてどのような知識を持っているか検討した.その結果,いずれの者も体罰が有効でないことを完全には否定できなかった.また教職課程での学習や現場での経験が体罰に関する倫理的な態度の形成や体罰の有効性の否定につながる可能性が示された.

  • 八木澤 史子, 堀田 龍也
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 25-28
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    児童が1人1台の情報端末を活用した小学校の授業における教師の意思決定の特徴を明らかにするため,5名の授業者の授業映像を本人と視聴しながら半構造化インタビューを行った.結果,次の3点が明らかになった.1)意思決定を行うキューとして主に児童の学習内容に対する理解や作業の進捗の把握が行われ,加えてICT の状況の把握も行われていた.2)授業計画とのズレを感じた場面における代替策の呼び出しでは,ほぼ全ての授業において児童,教材内容,教授方法についての知識がみられ,加えてICT についての知識に基づいた代替策の呼び出しもみられた.3)教授ルーチンから代替策を呼び出した場面はみられなかった.

  • 登本 洋子, 高橋 純, 堀田 龍也
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 29-32
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/10/06
    ジャーナル フリー

    平成27~28年に行われた情報活用能力調査では,高校2年生の1分間あたりの文字入力数は平均24.7文字,1分間に40字程度の文字入力ができるのは6%という結果が示され,高校生の文字入力の速さは十分ではない.本研究では高校生の文字入力の速さの向上を目的とし,高校生のPCとスマートフォンにおける文字入力の実態を調査した.結果,1分間あたりの文字入力数の平均はPC のキーボード33.4文字,スマートフォン59.2文字,1分間に40字以上入力できた生徒はスマートフォンのほうが多く,PC のキーボードにおいてもスマートフォンにおいても濁音・半濁音,清拗音,濁拗音・半濁拗音の入力を苦手としていることが示された.

  • 朱 睿, 雪田 恵子, 西森 年寿
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 33-36
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,背後に配置したロボットによって社会的促進・抑制が生じるかを検討する.学生47名を単独で課題を行う群(単独群),他者として人間がいる群(人間群)とロボットがいる群(ロボット群)に振り分け,単純課題と複雑課題に取り組ませた.この結果,単純課題では社会的促進が認められた.複雑課題では,ロボット群の課題遂行量は単独群と人間群より多くなった.

  • 吉田 卓司
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 37-40
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,高校生302名を対象に質問紙調査を実施して,学習活動において学業的援助要請されたときの学業的援助授与についての検討を行った.その結果,学業的援助要請に対応した3つの学業的援助授与の存在が明らかになった.さらに,学業的援助授与と学業的援助要請との関連について検討を行った結果,個々の学業的援助授与と学業的援助要請には,同じ質の行動を伴う可能性が高いことが確認された.

  • 向居 暁
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 41-44
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,都道府県(以下,県)の形とその名称の対連合学習において,素朴理論に基づいて考案された2種類の指導方法の有効性が検討された.その方法の一つは,学習教材にあるように県の形をイラスト化するものであり,もう一方は,県の形を利用して奇異性の高い,すなわち,面白おかしいイラストを付加したものであった.その結果,これらの2つの学習条件では,県の形をそのまま提示した条件よりも県名の記憶成績が低いことが明らかになった.つまり,県の形をイラスト化しても,そのイラストを面白おかしくしても,県名の記憶は促進されないことがわかった.素朴理論ではなく,科学的知識に基づいた指導方法の重要性が示唆された.

  • 木村 敦, 宮脇 健
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 45-48
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    授業評価アンケートの実施媒体(WEB vs. 印刷)と大学生の授業評価アンケートに対する回答行動・態度との関係を調査により検討した.調査対象者は学期末の授業評価アンケートをWEB媒体で実施している学部の学生268名(WEB 群)と, 紙媒体で実施している学部の学生237名(印刷群)であった.調査の結果, WEB 群は印刷群と同様に高回答率者の度数も大きい一方で, 回答率が1/2未満の低回答率者の割合が印刷群よりも有意に大きかった.授業評価に対する態度や未回答理由について分析した結果, 回答時間が授業時間中に確保されるかといったアクセシビリティや, 授業評価に対する効力感との関連が示唆された.

  • 林原 洋二郎
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 49-52
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/09/10
    ジャーナル フリー

    発達障害の二次障害として自己肯定感の低いADHD のある小学校3年生男児に対し,放課後等デイサービスにおいて,強みを引き出すための一つの方策としてプログラミング活動を実施した.その結果,本児は集中して取り組めただけでなく,「子ども先生」として他の子どもたちに教えることができ,自己肯定感の高まりが見られた.さらには学校や家庭においても積極的に取り組む場面が増えた.

  • 田中 祐也, 谷田 親彦
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 53-56
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,総務省が提唱するファブ社会において求められる3D モデリングに関する能力育成の示唆を得るために,3D モデリング過程の調査を行い,作成順と時間に着目した分析を行った.その結果,設定した調査課題の3D モデリングにおいては,中心的な形状となる直方体を形成し,そこに補完的な立体を加除する順序性などが認められた.また,作図や立体化などの操作を誤ることや,立体物の構成・寸法を確認するための視点の移動が適切に行えない際に時間を要することがわかった.一方で,立体物の形や構成を理解して作図・操作の機能を活用することで効率よく3D モデリングを行えることが示唆された.

  • 島田 英昭
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 57-60
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究は,挿絵を含む教材の読解初期10秒間程度までの短時間情報処理プロセスの中で,教材に対する動機づけ効果の時間的変化を明らかにすることを目的とした.大学生12名を対象に,挿絵を含む防災教材を3秒間または10秒間の2条件で提示した直後に,それぞれの教材に対する評価を求め,教材閲覧時の視線を計測した.その結果,3秒条件では10秒条件に比べて挿絵を見る割合が高かった.また,動機づけは3秒条件と10秒条件の違いがなかったが,主観的わかりやすさは10秒条件の方が高かった.これらの結果から,教材読解初期は挿絵から感性的要因による動機づけを高めるが,時間が進むと文字から認知的要因による動機づけが高まると考えられる.

  • 三野宮 春子
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 61-64
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究は,英語学習における相互行為の活発化に貢献する方法を模索する一つの試みとして,現実の日常生活を話題とする談話と,カードゲームWhat a day!!を使用して虚構の一日を物語る談話の比較検討を行った.大学生ペアの事例を分析した結果,現実の出来事を話す際は事実陳述が最小限で,それに続く質問と応答も表面的で発展しないまま相互行為が終結した.対照的に,ゲームの虚構空間では,参加者どうしの意味交渉の過程で出来事の詳細が立ち現れた.また,虚構では互いの社会的体面を気にせず率直な見解をぶつけ合うことが容易になる場面が見られた.

  • 村岡 千種, 淺田 義和
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 65-68
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/09/28
    ジャーナル フリー

    脱出ゲーム(Escape Room, 以下ER)は,1人ないしはグループで,制限時間内に与えられた「謎」を解き,最終的なゴールを目指すゲームである.近年,教育における活用事例も増えている.中でも医療教育に焦点を当てた場合のER 活用の特徴や課題はどのようなものか.本研究では,ER の医療教育への活用に関する文献を,対象者や内容,学習目標や評価方法に着目してレビューした.この結果,医療シミュレーションを導入して知識・技能・態度を統合的に学習可能としたり,QR コードなどのICT を活用してER を運営したりするなどの特徴があった.一方,課題として,設計・運用にかかる諸コストのほか,教材として用いる際の学習目標や評価方法の設定などが挙げられた.医療教育に活用できるER を開発するに際は,こうした課題を解決していく必要がある.

  • 森 玲奈, 孫 大輔, 渡辺 雄貴, 北村 智, 堀 里子
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 69-72
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/11/09
    ジャーナル フリー

    本研究では高齢者の学習課題の中で健康に関する学習に焦点を当て,自己調整学習理論を参照し,主体的に健康について学ぶことができるワークショップを設計・実践・評価することを目的とする.ワークショップ「すまけん」は,参加者に健康情報の取得へのネットの活用可能性の理解と利用の自己効力感の向上を促すものである.その結果,事前に比べて事後のヘルスリテラシーの自己効力感並びにスマートフォン活用の自己効力感が高まっていた.またワークシートの記述内容の分析から,すまけんワークショップ内では,殆どの参加者が健康情報の探索を学んだことが示された.

  • 野村 新平, 山上 通惠, 福井 昌則, 森山 潤
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 73-76
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,高等学校共通教科「情報」におけるメディア・リテラシー教育の実践に向けた知見を得るため,情報に対する心構えと自他に対する信頼感との関連性について,公立高等学校1年生823名を対象に質問紙調査を実施した.情報に対する心構えの項目について因子分析を行い,「情報受信時の心構え」と「情報送信時の心構え」の2因子を抽出した.また,「情報受信時の心構え」では「自分への信頼」,「不信」,「情報の送信時の心構え」では「自分への信頼」,「他人への信頼」との間に関連性が見られた.よって,高校生の情報に対する心構えの形成を図る上で,自他に対する信頼感などの内的要因の状況にも配慮する必要性が示唆された.

  • 中村 康則, 向後 千春
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 77-80
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/08/28
    ジャーナル フリー

    本研究では,セルフ・ハンディキャッピング(SHC)とハーディネスの特性に注目して,社会人学生を類型化し,その成績・学習時間との関係について検討した.クラスター分析によって分類した結果,学生は「高SHC 型」「時間不足SHC型」「低SHC 型」の3タイプに類型化された.これらの3タイプにおける成績・学習時間の差を検討したところ,「高SHC 型」の成績は,他にくらべ有意に低いことが示された.また,「低SHC 型」は,学習時間が他にくらべ有意に長く,成績は「高SHC 型」よりも有意に高いことが示された.本研究で示された学生の類型を用いることにより,成績や学習時間の傾向を予測できる可能性が示唆された.

  • 黒田 昌克, 森山 潤
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 81-84
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    小学校教員に対し,身近な問題を解決する技術イノベーション体験を取り入れた小学校プログラミング教育の研修(技術イノベーション型)を実施し,従来型の研修との学習効果の違いを比較した.その結果,両研修ともにプログラミング教育による「コミュニケーション力」や「論理的・批判的思考力」等の育成への期待,プログラミング教育に対する意義・意欲・自信が向上した.その上で,技術イノベーション型は従来型よりも,「課題発見力」や「社会参画力」育成への期待,「教育課程とプログラミング教育の親和性」に対する意識が向上する効果が認められた.

  • 野口 聡, 田中 雄也
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 85-88
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,学習したことを他の学習者に教える説明文を書く活動において,その活動に取り組む生徒の意識が知識習得に及ぼす影響を分析する.ただし教えることを意識的に取り組む生徒は,意味理解志向が高く,知識テストでも高い得点を得るという擬似相関によって得られた可能性が考えられる.そこで意味理解志向学習観を統制変数として,教える活動に取り組む意識と知識テストの3観点との偏相関係数を算出した.分析の結果,教える活動に取り組む意識として,振り返り・まとめ,書き方の工夫,調べ直しの意識が高いほど,観点ごとの知識テストの得点が高いことが明らかになった.ここから教える準備において,教える活動に取り組む意識が知識テストの得点に影響することが示唆された.

  • 田中 光, 山根 嵩史, 魚崎 祐子, 中條 和光
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 89-92
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

    本研究では,ノートテイキングの方略とその使用の規定因を調べた.大学生を対象に授業中のノートとり行動に関する質問紙調査を行い,因子分析によって,見やすさ,視覚的標識化,思考の外化,情報の精選,授業の記録というノートテイキングの5つの方略を見出した.また方略使用の規定因を調べるために,学習に対する自己効力感の高低2群を設けて,有効性認知やコスト感と方略使用との関係を調べた.その結果,自己効力感高群はコスト感に関わらず有効性の高い方略を使用するが,低群は有効性を考慮するもののコスト感の高い方略を使用しないことが見いだされ,自己効力感の低い学習者にはコスト感を低減させる必要があることが示唆された.

  • 半澤 礼之, 宮前 耕史, 浅井 継悟
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 93-96
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/09/17
    ジャーナル フリー

    本研究は,教員志望の大学生を対象として,地域と学校教育の協働の重要性の認識を測定する尺度を作成することが目的であった.大学生341名に対する質問紙調査の結果,「地域の教育への活用」,「地域の未来のための教育」,「地域と学校の関わりによる子どもの発達」,「地域と学校の関わりの重要性」の4つの因子が得られた.地域愛着と地域社会への責任感,地域を題材としたカリキュラム開発への効力感という,地域と学校教育の協働の重要性の認識と関連をもつであろう他の変数との関連を検討したところ,有意な正の相関がみられた.この結果から,本尺度は一定の妥当性を有していることが明らかになった.

  • 岡本 恭介, 安藤 明伸
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 97-100
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,高校情報科におけるプログラミングの授業設計の指針を得ることを目的とし,本論ではビジュアル型とテキスト型のプログラミング言語の学習順序が与える教育的効果について検証を行った.本研究範囲では,ビジュアル型とテキスト型の学習順序によって,テキスト型学習への情意面に有意な差は見られなかった.一方,事前・事後テストでは,ビジュアル型先行群が全ての設問において肯定的な回答が見られた.この結果から,テキスト型と同等な学習内容のビジュアル型を事前に行うことが効果的な点と知的技能を中心とした課題の重要性が示唆された.

  • 岡崎 善弘, 丹治 敬之, 高下 心輔, 土田 健太, 貝畑 佑子, 小野 直紀
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 101-104
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/08/07
    ジャーナル フリー

    ぬいぐるみから届くポジティブなフィードバックが知的障害児の衣類着脱の自立レベルに与える効果について検討した.衣類着脱に課題を持つ知的障害児が本研究に参加した.ボタン型スピーカーを装着したぬいぐるみを児童の近くに置き,ぬいぐるみを通してポジティブなフィードバックを児童に伝えた.フィードバックはスマートフォン専用のアプリを用いて送られた.ABABデザインを用いて効果を調べた結果,衣類の着脱に関する自立レベルはベースライン期よりも介入期の方が高かった.また,ペチャットを介する方が声援・称賛を児童に伝える頻度は多かった.

  • 久保田 善彦, 松岡 浩平, 葛岡 英明, 鈴木 由美子, 鈴木 栄幸, 加藤 浩
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 105-108
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    小学校第3学年「影の動きと太陽」の学習において,太陽の日周運動を影の位置の変化と関係付けることは困難とされる.そこで,太陽の日周運動と影の位置の変化を一人称視点で観察できると共に身体化認知を取り入れたタブレット用ソフトウエアを開発し,実践を試みた.開発ソフトウエアを使うことで,観察記録図における影の理解が向上した.また,空間を意識した自由記述も多い.三次元のイメージとして太陽と影の関係を捉えられたことが要因と考えられる.一方で,方位に関する理解の向上は十分ではない.一部の評価手法に問題がある可能性が高い.

  • 知的障害のある児童生徒との関わりに着目して
    立石 力斗
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 109-112
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究は,知的障害のある児童生徒を指導する際の教師効力感について,教育実習前後による変容を明らかにすることを目的とした.その際,教育実習を行ったクラスにおける知的障害のある児童生徒の在籍有無に着目した.分析の結果,知的障害児在籍有群において,「指導困難対応効力感」が有意に上昇した.指導教員による助言により,上昇が得られたと推察される.また,先行研究における「指導困難対応効力感」の学年差の契機が教育実習である可能性が示唆され.「指導遂行効力感」については,知的障害児在籍有群でも無群でも上昇が認められなかった.

  • 池田 めぐみ, 伏木田 稚子, 山内 祐平
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 113-116
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,準正課プロジェクトにおける組織風土が学生の関与に与える影響について,学年,リーダー経験の有無といった個人要因を統制した上で明らかにすることである.質問紙調査で得られた314名(プロジェクト数35)の有効回答について,階層線形モデルを用い,分析を行った.その結果,(1)ICC は6.5%であり,学生の関与の度合いは,プロジェクトごとに高い類似性があるわけではないこと,(2)イノベーションの受け入れ風土,自由なコミュニケーション風土はリーダー経験や学年を統制した上でも学生の関与に正の影響を与えること,準正課プロジェクト中心の統制風土は学生の関与に統計的に有意な影響を与えないことが確認された.

  • 田中 孝治, 堀 雅洋
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 117-120
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/10/23
    ジャーナル フリー

    PBL が学習の機会として設計されているにもかかわらず,その中で実施される協調的議論を学習者が学習の機会として十分に活用していない現状が散見される.本研究では,先行研究で提案された知識と行動の不一致の自覚を促す学習支援方式を援用し,協調的議論に取り組む学習者が知識と行動の不一致の観点から協調的議論をどのように振り返えるのかについて検討を加える.大学1年生向けのPBL で試行し,協調的議論の振り返りを求めた.振り返りの記述から,協調的議論での適切な行動に関する知識を実際の行動に移せていないことを多くの学生が自覚し,その理由を思考したり,今後の取り組み方を改善しようとしたりしていることが確認された.

  • 小野塚 若菜, 泰山 裕
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 121-124
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー

    平成29年告示の中学校学習指導要領では,新しい時代に求められる資質・能力のひとつとして「思考力・判断力・表現力等」の育成が重視されており,教科横断的に取り組むことを求めている.そこで,中学校段階で各教科および教科共通で重点的に育成しようとする思考力の特徴を明らかにするため,新学習指導要領から思考スキルを抽出し,抽出数に基づく分析を行った.その結果,数多く抽出された思考スキルには教科に特徴的な傾向が見られた.また,教科共通で頻出する思考スキルも明確になった.本研究の結果は思考スキルでつながるカリキュラム・マネジメントの指針づくりに資することが期待できる.

  • 後藤 崇志, 石橋 優也, 後藤 大樹
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 125-128
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/06/26
    ジャーナル フリー

    本研究では,小・中学生とその親を対象とした調査を行い,親の学習観と子どもの学習への取り組みとの間に関連が見られるかを検討した.具体的には,親が持つ学習観(経験的で深い学習観,学校依存で浅い学習観)と,子どもの達成目標(マスタリー目標,パフォーマンス接近目標,パフォーマンス回避目標)と学習アプローチ(深いアプローチ,浅いアプローチ)の間に関連が見られるかを検討した.その結果,親が経験的で深い学習観を持つほど,子どもは学習内容を知識と結びつけるような学習アプローチを取りやすいなど,親の学習観と子どもの学習への取り組みとの間には一定の関連が示された.

  • 石川 奈保子
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 129-132
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/10/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,大学オンライン課程における学生からの援助要請に対応する際の学習支援者の態度と配慮事項を調査した.その結果,以下の2点が明らかになった.(1)態度に関して,自律的学習者の育成を目指す態度と手厚い情報提供による学びの促進を目指す態度とが見出された.(2)配慮事項に関して,自律的学習者の育成を重視しているかどうかによって違いがみられた.重視している学習支援者は,問題解決のための助言をわかりやすい言葉で伝えるよう心がけていた.一方,重視していない学習支援者は,学生の背景や理解レベル,要請内容の正確な把握や,学習意欲を削がない声がけに配慮していた.

  • 遠山 紗矢香, 古川 亮子
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 133-136
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    ICT が社会に浸透する中で,医療現場では電子カルテの導入等により情報モラル教育の必要性が高まっている.本研究の目的は,看護教育機関での医療現場のICT 化に対する学習経験や学習意欲の調査を通じて,看護教員に対するICT 教育の研修を設計するための指針を得ることである.アンケート調査を行って得られた625件の回答を分析した結果,電子カルテやその運用で問われる倫理・情報モラル,電子カルテに記載されている診療情報の開示といった内容の学習が必要だと考えられていること,および勤務先や本人のICT の利用経験に依存しない学習機会の提供が必要であることが示された.

  • 岩﨑 千晶
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 137-140
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は初年次教育における学習支援に従事する学生スタッフに対し,教員が求める能力・経験を明らかにすることである.教員5名に対し半構造化インタビューをし,分析考察を加えた結果「課題探究において考えるプロセスを深める」「活動を振り返るためにフィードバックをする」「受講生のロールモデルとなる」「課題探究における一連のプロセスを経験している」等,11の能力・経験が導出された.これらは「初年次生の課題と初年次生に培ってほしい能力」への密接な関わりや,「受講生に共感し,共に考える」「教員と受講生の架け橋になる」等,教員には担えない学生ならではの能力を含むことがわかった.

  • 石橋 嘉一, 豊増 佳子, 川本 弥希
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 141-144
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,看護基礎教育課程における,必修科目「対人コミュニケーション(以下,対象科目とする)」の履修1年後,2年後の長期的学習成果の検証と考察である.研究方法は,対象科目のシラバス(学習内容,学習活動)に基づいた質問紙を作成し,履修1年後の看護学部2年生と履修2年後の3年生を対象に,対象科目の履修によって得た知識や考え方を調査した.結果,履修1年後の2年生よりも,履修から2年経った3年生の方が,より学習成果を認識している項目が明らかになった.この結果から,複数の看護学実習の経験の積み重ねによる成果や学習の再構築の可能性を考察した.

  • 小川 修史, 小林 将也, 山本 真也, 掛川 淳一, 森広 浩一郎
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 145-148
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    近年,学習および行動面で問題がみられる幼児,いわゆる「気になる子」に関する報告が増加しており,気になる子への対応力を向上させる保育士向け研修プログラムの開発が期待されている.そこで,気になる子への対応方法に関する気づき獲得を目的とした,保育士向け研修支援システムの開発を目指しており,システムに必要な機能について実践を通して検討した.結果,自身の気になる子に対する視線,すなわち意識を可視化するという観点で, ウェアラブルカメラで撮影した動画および視線グラフを使用することの有効性が示唆された.一方,本手法は保育士に対する児童の意識を捉えるという観点では限界があり,課題が残された.

  • 中山 舞祐, 森本 康彦
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 149-152
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/09/17
    ジャーナル フリー

    協働的に開発作業を行うプログラミングスタイルの一つにペアプログラミングがある.しかしながら,小学校プログラミング教育において,児童がペアプログラミングの仕組みを理解して取り組むことは難しいと考えられる.そこで,本研究では,ペアプログラミングを取り入れた小学校プログラミング教育の実施方法を提案することを目的に,児童がペアプログラミングに取り組む際のルールを定め,それに則り実践を行った.児童への提案方法の効果を聞く質問紙調査の結果,児童は,ペアプログラミングにおける役割を意識し,ねばり強く,2人で教え合いながら取り組めることが明らかになった.

  • 看護教育でのコミュニケーション学習に着目して
    川本 弥希, 石橋 嘉一
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 44 巻 Suppl. 号 p. 153-156
    発行日: 2020/04/01
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/07/22
    ジャーナル フリー

    能動的学習が過去の学習に対する意識や態度に与える影響を把握することを目的として,日本で看護学を学ぶ大学生を対象に調査を行った.現場実習の修了後にコミュニケーション学を学ぶことへの意欲や態度の変化を測定し,その変化に影響を与えた学習経験要因を質的データから抽出した.その結果,現場実習での学習経験が過去に学習したコミュニケーション学の価値や必要性,学習成果を実感させている可能性が示唆された.

  • 藤木 卓, 小清水 貴子, 倉田 伸
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 157-160
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,日本人及び日本人以外の共感性が,VR 平和コンテンツ(英語字幕版)の視聴(以下,VR 視聴)による主観評価に与える影響について検討を行った.その結果,次のことが明らかとなった.日本人の共感性は他者指向的反応が支配的である.VR 視聴の評価には,共感性の他者指向的反応が全般的に影響するとともに,共感性の視点取得が原爆の怖さとコンテンツ主人公の母親の視点取得に影響する.日本人以外の共感性は被影響性と視点取得が支配的である.VR視聴の評価全般に共感性の他者指向的反応が影響するとともに,共感性の被影響性が主人公である母親の心情や原爆の怖さ,主人公である母親の視点取得に影響する.

  • 伏木田 稚子
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 161-164
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/11/18
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,学部2年生以上が対象のゼミナールについて,教員が授業外活動に見出している価値を検討することであった.質問紙調査の結果,社会科学や総合科学が専門の教員を中心に,全体の約7割が授業外活動を重要視しており,それらの価値は,(a) 発表や報告の準備,(b) 自主的な勉強,(c) 課題や研究の推進,(d) グループでの学習の4つに集約されることが示唆された.具体的な諸活動の設定については,ゼミコンパならびにゼミ合宿といった共同体的なイベントが広く展開され,OB・OG との交流やサブゼミも一定数行われていた.

  • 中澤 明子, 八重樫 徹
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 165-168
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本論文では,よい問いのモデルや問いをたてるための題材としてオープン教材を用いた実践を行い,実践の評価とオープン教材の活用を考察した.その結果,実践が好意的な評価を得たことや,哲学対話において問いのモデルや問いをたてるための題材としてオープン教材を利用できること等の可能性が示唆された.

  • ライフキャリア・レジリエンスと自尊感情に着目して
    荒木 淳子, 高橋 薫, 柏原 拓史, 佐藤 朝美
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 169-172
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    キャリア教育の重要性が指摘されて以来,学校と地域が連携した取り組みを行う学校も多い.しかし,実践の効果に関する研究は少ない.本研究は岡山県のNPO 法人だっぴが中学生を対象に行う「中学生だっぴ」を事例とし,実践が中学生のライフキャリア・レジリエンスと自尊感情に与える影響について分析を行った.165名の事前事後の質問紙と106名の事後作文の分析から,地域の大人との対話が生徒の将来や仕事に対する見方を広げ,ライフキャリア・レジリエンスと自尊感情を向上させることが明らかとなった.

  • 大﨑 理乃, 山田 雅之
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 173-176
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    協調的な創造活動を目指す教育実践として,製作活動を伴うProject Based Learning (PBL)が初等中等教育のみならず様々な場で注目されている.さらに学習機会確保の観点から,参加者が集合できない状況におけるオンラインPBL の活動デザインについての議論が求められている.本研究では,製作活動を伴う遠隔同期型PBL のデザイン原則整理を目的として,遠隔形式と対面形式でのものづくり活動を,活動に対する参加者の認識,成果と活動時間,活動中発話の3観点で比較した.これらの分析の結果,遠隔形式は対面形式に比べて成果物の完成に時間がかかるものの,遠隔形式であっても活動のデザインによって協調的なものづくり活動は可能であると言える.

  • 浅子 秀樹, 今野 貴之
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 177-180
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,教育CSR による情報モラル教育の研修を受けた教員を対象に,自校で情報モラル教育をおこなう教員の特徴を明らかにすることである.2019年6月から8月にLINE 株式会社と熊本市教育センターが実施した教員研修に参加した初等中等教育の教員へ,約半年後に多肢選択式の質問紙調査をおこなった.その結果,3つの特徴がわかった.それぞれ,(1)教職経験が4年以上の傾向があること,(2)本教材を用いて実践を行なった小学校,および,教職経験が4年以上の教員は,自校の他の教員へ教材を紹介する傾向があること,(3)小学校教員のほうが中学・高校の教員に比べて今後の実践意欲が高いことであった.

  • 竹高 大地, 渡辺 雄貴
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 181-184
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    中等教育数学科の授業設計において,主体的・対話的で深い学びの実現に向け,学習者が受け身の授業を変えることが求められている.しかし,授業方略を導入するにあたり,深い学びの実現に配慮しなければならないことや,様々な障壁が存在しうる.そこで本研究では,授業が失敗するリスクと,深い学びの実現性の2つの観点に基づき授業方略を分類した.その結果,中学校・高等学校の校種ごとに,リスクが低く深い学びの実現に適した授業方略が明らかになり,授業方略を選択する上で有意義な知見を得ることができた.これにより,授業設計の一助となる.

  • 石川 誠彬, 江木 啓訓, 望月 俊男, 久富 彩音, 石井 裕, 結城 菜摘, 久保田 善彦, 加藤 浩
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 185-188
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    協調的議論における共調整を促すことを目的として,3次元のホログラフィックエージェントを用いた議論支援システムを開発した.このシステムは,発話と無音時間の累積比率をリアルタイムに計算し,特定の条件に合致した際に議論にプロンプトを出して学習者に働きかけるものである.このシステムを用いた議論の実践の結果から,学習者同士の議論への参加バランスをとることが可能となることが示唆された.またエージェントによる促しを経験すると,学習者はそれをモデルにして協調的議論の共調整方略を用いることができる可能性を示した.一方,単に調整方略を教示するだけでは,学習者がその方略を使用することは難しいことも示された.

  • 永田 悠人, 長野 祐一郎, 森田 裕介
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 189-192
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/10/19
    ジャーナル フリー

    本研究では,大学生25名を対象に,生体情報計測装置を用いて,心拍数および心拍変動を計測する実験を試みた.実験では,環境要因として自宅環境条件と実験室環境条件を設定し,各環境で暗算課題と音楽視聴課題を遂行させた.また,一般感情尺度を用いて,感情の変化を主観的に回答させた.環境要因,課題要因,期間要因を要因として三要因参加者内分散分析を行った結果,実験参加者は,暗算課題の遂行中は,心拍数が増加し,否定的感情は高まり,安静感情の抑制された状態であったことが明らかとなった.一方,音楽聴取課題中は,否定的感情は抑制され,安静感情が高い状態であったことが明らかとなった.

  • 今井 亜湖, 吉冨 友恭, 埴岡 靖司
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 193-196
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究では,水害記録で構成される映像教材を小学校防災教育で使用し,その映像教材の中で児童の印象に残った場面が児童の学びにどのような影響を及ぼしたかを検討するために,授業実施後の質問紙調査の回答を中間項に変換し,その中間項の記述内容を分析した.その結果,自然の脅威を伝える場面は,児童に自然災害そのものに対する理解やそれに基づく行動選択の重要性の気づきを,災害発生時の人々の様子を伝える場面は,防災の必要性を児童に自分ごととして認識させ,自らの安全を確保するための行動を考えるきっかけを作ることが確認された.

  • 横浜市の小学校長,副校長に対する質問紙調査から
    中尾 教子, 平野 智紀, 脇本 健弘
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 44 巻 Suppl. 号 p. 197-200
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/08
    [早期公開] 公開日: 2020/09/10
    ジャーナル フリー

    本研究では,小学校の校長及び副校長がどのような経験で成長を実感しているかを明らかにするために,小学校の校長,副校長を対象とした質問紙調査を実施し,校長,副校長としての成長に影響を及ぼした経験に関する自由記述を分析した.その結果,16種類のカテゴリが生成された.「校長との関わり」「副校長との関わり」など人間関係に関するもの,「学校安全・危機管理」「不祥事へ対応」などの事案への対応に関するもの,「研修への参加」などの学びの機会に関するものなどによって,成長を実感していることが明らかになった.

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