気管支学
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23 巻, 8 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2001 年 23 巻 8 号 p. Cover1-
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2001 年 23 巻 8 号 p. Cover2-
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2001 年 23 巻 8 号 p. Toc1-
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2001 年 23 巻 8 号 p. App1-
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 藤澤 武彦
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 661-664
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 赤出川 賢治, 西脇 徹, 松島 剛治
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 665-671
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    ケモカインはその多くが白血球走化性・活性化作用を有する塩基性ヘパリン結合性のタンパク質である。この数年間の私たちを中心とした動物疾患モデルにおける中和抗体投与実験, ならびに米国のグループによる生体工学マウスの解析により, ケモカインが新規抗炎症剤の重要なターゲットとして注目されている。ここではこれらケモカイン研究のoverviewと, 以下の私たちによる最近の2つの免疫/炎症肺疾患モデルのケモカインを中心とした解析を紹介する。1)OVA吸入喘息モデルマウスでは, ケモカインの1つであるTARCの産生誘導が気道上皮細胞を中心に経時的に起こるとともに, 好酸球を主とした著明な白血球浸潤が観られ, 抗TARC抗体投与により劇的な好酸球浸潤抑制とTh2サイトカイン産生の阻害を認めた。この実験結果はケモカインとその受容体が気管支喘息の新しい治療標的となりうることを示唆している。2)P.acnesによる急性肺炎症モデルにおいて, 成熟樹状細胞の所属リンパ節への移動に関わるSLCに対する中和抗体を投与すると, 予想に反し炎症が非常に増悪化することが判明した。この結果は病原菌を貧食し活性化された樹状細胞は, 本来すみやかに細菌除去と宿主免疫開始という重要な役割を担うべきところ, 活性化された状態で肺野にとどまり炎症介在因子を放出し続けるがために, 病原菌侵入部位での炎症反応が増悪化したものと考えられる。炎症と局所免疫が不可分な現象として, ケモカインによってリクルートされる樹状細胞によって制御されるという新しい概念を提供する。
  • 山木戸 道郎
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 672-678
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    20世紀における分子生物学的手法の導入は, 基礎研究を著しく発展させ, 臨床医学においては, 単一遺伝子疾患の診断を向上させた。しかし, 21世紀においては, ほとんどすべての疾患において, その病態形成に関わっている多数の遺伝子を網羅的に解析して診断・治療に応用する, という多因子疾患への導入が実現されつつある。その大きな推進力が, 本年2月に報告されたヒトゲノム計画の全ドラフトゲノム配列解読であり, その産物として300万個以上も存在すると推定された一塩基多型(SNP)の存在である。呼吸器疾患においても例外ではなく, 気管支鏡を用いて得られた臨床検体から, 病理学的解析のみならず, 分子生物学的解析により, より多くの情報を得る試みがなされつつあり, これが一般臨床に応用される日も近いと考える。
  • 廣島 健三
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 679-684
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    わが国における肺癌による死亡数は, 近年, 急激に増加している。肺癌を発生させる原因は, 喫煙が最も重要であり, 喫煙者が肺癌になるリスクは非喫煙者に対して, 10〜15倍高いといわれている。中枢性肺癌の多くは扁平上皮癌で、これは過形成, 扁平上皮化生, 異形成, 上皮内癌, 進行癌の順に進行すると考えられる。末梢肺に発生する異型腺腫様過形成は肺腺癌の前癌病変と考えられている。肺癌は癌原遺伝子(myc, K-ras等)が活性化したり, 癌抑制遺伝子(p53, RB等)が不活化したりすることにより発生する。マイクロサテライトマーカーを用いたヘテロ接合性の消失の検討により, 肺癌には1p, 1q, 3p, 5q, 8p, 9p, 11p, 13q, 17p, 22q等の欠失の頻度が高いと報告されている。たばこに含まれる多くの発癌物質が気道上皮に遺伝子変異をおこし, この変異が細胞内に順次蓄積して, 肺癌が発生する。肺癌を発症していない喫煙者の気管支の前癌病変にも遺伝子異常が起きている。喫煙者の気道上皮の増殖能は非喫煙者に比して亢進している。喫煙者が禁煙しても, 非喫煙者と同じリスクには戻らない理由は, 喫煙者に見られる気道の前癌病変に, 既に細胞学的変化や遺伝子変異が起きているからであると考えられる。近年, 喀痰や気管支肺胞洗浄液を用いた肺癌の遺伝子診断に関する報告がなされている。肺癌による死亡率を減少させるためには, 厳重な禁煙が重要であるが, 蛍光内視鏡や分子生物学的手法を用いた肺癌の早期発見と治療, 前癌状態の発見および肺癌への進行の予防が重要である。
  • 宮本 忠昭
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 685-692
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    重粒子線は, 優れた線量集中性と強力な抗腫瘍効果を有する。炭素線はこの2つの特性をバランスよく持つ治療ビームである。1994年11月に開始した手術非適応・病期I期の非小細胞肺癌に対する炭素線治療は, フェイズI/II臨床研究として第1次(18回/6週間)と第2次(9回/3週間)に分けて行われ1999年2月に終了した。第1次プロトコールでは47名の患者が, 第2次プロトコールでは34名の患者が治療された。炭素線治療においても肺癌患者の安全性を規制する因子は放射線肺臓炎であることが明らかになり, 線量増加法により18回/6週間の分割法下での最大耐容線量は95.4GyEであり, 9回/3週間での最大耐容線量は79.2GyEであることが判った。一方, 第1次プロトコールにおける95%以上の腫瘍制御線量は総線量86.5GyE以上で得られ, 第2次のそれは総線量68.4GyE以上で達成された。Kaplan-Meier法による第1次プロトコールの5年生存率は47.8%となり, 局所制御率が確実に向上している第2次プロトコールでは手術成績に劣らない生存率が予測されている。現在は, 総線量を72GyEに固定した, 9回/3週間の分割法によるフェイズII研究も終了した。今日まで局所再発はなく, さらに高い生存率が得られるであろう。副作用の少ない重粒子線治療は, 高齢化社会の肺癌患者に適したやさしい治療手段であり21世紀の肺癌の治療に大きく役立つものと思われる。
  • 赤嶺 晋治, 村岡 昌司, 岡 忠之, 永安 武, 井上 征雄, 近藤 正道, 田川 泰, 綾部 公懿
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 693-696
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    【目的】肺癌に対する気管支形成術は機能温存と根治性を有す確立された術式であるが, 肺門部進行癌に対するInduction chemotherapy(ICT)後の気管支形成術の安全性と有効性に関しては明らかではない。【対象】1990年から2000年までに当科で経験した気管支形成術94例中11例に術前ICTを行ったので, 術後合併症と予後について検討した。【結果】組織型は扁平上皮癌6例, 腺癌3例, 大細胞癌1例, 小細胞癌1例で, 原発部位は右上葉8例, 右下葉2例, 右中葉1例, ICT前stageはIIIA期5例, IIIB期6例であった。ICTを行った理由は局所進展7例, 縦隔リンパ節転移3例, 小細胞癌1例であった。化学療法は全例CDDPかCBDCAをベースにしたレジメンで平均1.7コース行った。手術はsleeve lobectomy 8例, wedge lobectomy 2例, sleeve pneumonectomy 1例で, 合併切除は左房2例, SVC3例であった。術後合併症はARDSと消化管出血後のMOFで2例が術死となった。吻合部縫合不全を2例にきたし, それぞれomentopexyとcompletion pneumonectomyを行った。長期生存は2例(7年, 3年)のみで, 6例は遠隔転移にて死亡した。【結語】ICT後の気管支形成術は縫合不全や術死が高率であり, 合併症の予防と術後管理に注意が必要である。さらに遠隔転移が高率であることから薬剤や投与回数, 放射線療法の併用等の検討が必要と思われた。
  • 小田 誠, 太田 安彦, 常塚 宣男, 石川 紀彦, 伊藤 祥隆, 稲木 紀幸, 富田 剛治, 竹原 朗, 呉 剣, 渡辺 洋宇, 渡邊 剛
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 697-700
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    1981年から2000年までの原発性非小細胞肺癌切除例1542例のうち肺門部扁平上皮癌236例(15.3%)を対象として外科治療成績を検討した。男性227例, 女性9例であり, 年齢は42〜82(平均65)歳であった。術後病期は0期11例, IA期36例(早期21例, 準早期11例), IB期49例(早期5例, 準早期4例), IIA期10例, IIB期36例, IIIA期47例, IIIB期35例, IV期2例であった。術式は気管支切除2例(気管支形成2例), 区域切除12例(気管支形成7例), 1葉切除124例(気管支形成68例), 2葉切除31例(気管支形成7例), 肺全摘67例(気管支形成17例)であった。全体の5生率は51%であった。術後病期別の5生率は早期癌および準早期癌は100%であり, 早期, 準早期癌を除いたIA期68%, IB期53%, IIA期50%, IIB期50%, IIIA期25%, IIIB期5%であった。術死は13例に認めた(IB期2例, IIB期1例, IIIA期5例, IIIB期5例)。cT1-4N0M0の106例中pN2は5例であり, いずれも領域リンパ節に単発転移を認め, 2例がcT3, 3例がcT2であった。以上の結果から早期・準早期肺癌および積極的区域切除例の外科治療成績は良好であり, 根治が期待できるものと考えた。また, 進行癌に対しては術死対策, 手術適応, 集学的治療が課題であると考える。
  • 久保田 馨
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 701-704
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    肺門部肺癌を有する症例は全身合併症の頻度が高いことが特徴の1つであり, 光線力学療法(PDT)は重要な役割を果たしうる。肺門部肺癌に対するPDTの適応は, 早期癌に対する根治的治療, 進行癌による気道狭窄に対する症状緩和, 進行癌に対する他治療との併用での根治的治療等である。臨床上問題となるPDTの全身性の有害反応は光線過敏症のみであるが, 直射日光, 集中光を避けると共にphotobleachingの観点から, なるべく薄暗い場所にいない様に指導することが必要である。
  • 宇野 隆, 伊東 久夫, 藤澤 武彦, 馬場 雅行, 斉藤 幸雄, 渋谷 潔, 飯笹 俊彦, 関根 康雄
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 705-708
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    主気管支の肺門部早期癌を想定して, 対向2門照射, 定位放射線照射, 気管支腔内照射を計画した。各々の場合について, 3次元的な線量分布と線量体積ヒストグラムを作成し, 線量分布のconformity, 正常肺の放射線被爆について比較検討を行った。腔内照射では, 気管支粘膜面の線量は, 評価点線量の2倍となる一方, 気管支壁外では線量が急速に低下していた。定位放射線照射では, 病変部には評価線量の95〜98%が投与可能だったが, 気管支壁外2cmでも, 評価線量の1/2〜1/3が投与されていた。対向2門照射では, 病変部は95%領域で囲まれるものの, 健常肺まで高線量域に含まれていた。腔内照射での線量分布のconformityは, 定位放射線照射のような, 最新の技術を用いた外部照射を施行した場合よりも優れていることが示された。気管・気管支腔内照射は, 肺門部早期癌に対する最も適切な照射法であると考えられた。
  • 新保 俊光, 牧野 真人, 植松 孝悦, 塚田 裕子, 斎藤 真理, 横山 晶, 栗田 雄三
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 709-711
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    肺癌における気管支腔内照射法(以後腔内照射法)は, 進行肺癌におけるpalliative therapyとして始められたが, その後早期肺癌に対しても応用されるようになった。我々は, 肺門部早期癌に対する非観血的根治療法を確立することを目的に1991年より腔内照射法を行ってきた。当初は, 肺機能の低下症例など医学的に手術適応がない症例のみを対象としたが, 後期においては, その有効性と安全性が手術に匹敵するとの判断により, 医学的に手術適応があっても, 患者が希望すれば本法で治療を行った。また全例に外照射40Gyを併用したが, 腔内照射法において, 初期はIridium-192低線量率(LDR)線源を, 後期は同核種高線量率(HDR)線源を使用した。当院では2001年4月までに, 計90症例102病巣が治療されているが, 治療完遂率は100%で重篤の副作用は認めなかった。またCR率は100%, 5年全生存率は71.5%と当院における手術成績(5年全生存率81%)と比べ遜色ない治療成績が得られている。現時点で本法は, 肺門部早期肺癌に対してphotodynamic therapyと並び, 有力な非観血的根治療法の1つと考えられる。
  • 山本 直敬, 宮本 忠昭, 小藤 昌志, 西村 英輝, 藤澤 武彦
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 712-720
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    2001年2月までに非小細胞肺癌患者167名に対して重粒子線治療臨床試行が行われた。初期のプロトコールでの肺門型/肺門近接型10例の治療をもとに, 1999年7月から肺門型肺癌に対する治療(第I/II相研究9801)が始まった。治療から6ヵ月以上が経過し, 気管支鏡による病巣の観察が可能な6例を対象として, 治療経過を検討し炭素イオン線治療の有用性について考察した。年齢は64〜83歳(平均72.8), 全例, 男性で扁平上皮癌であった。治療線量は57.6GyEが5名, 61.2GyEが1名で, 9分割/3週間で照射した。治療の効果は気管支鏡による生検と, CT上での計測で判定した。正常組織の傷害は皮膚, 肺, 気管支反応を評価した。皮膚, 肺の反応は早期, 晩期ともにgrade I以下で, 気管支反応ではgrade IIが1例にみられた。6ヵ月での腫瘍効果はCR4例, PR2例, 気管支鏡による観察および組織学的所見では全例CRであった。これまでのところ局所再発はなく, 現時点では61.2GyEは治癒が期待できる線量である。正常組織の重篤な傷害はなく高齢者や肺機能低下例でも安全に治療を終了できた。肺門型肺癌は炭素イオン線治療のよい適応と考えられた。
  • 白鳥 正典, 相坂 治彦, 大塚 満雄, 今井 良成, 今 勇人, 藤嶋 卓哉, 黒沼 幸治, 原田 一暁, 明田 晶子, 工藤 和実, 高 ...
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 721-725
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    間質性肺炎・急性肺傷害では, 肺胞中隔への炎症細胞浸潤と線維芽細胞の増加による末梢肺組織の線維化が認められる。肺胞I型上皮細胞(type I cell)が傷害されると肺胞II型上皮細胞(type II cell)が肥大・増生し、type I cellへと分化, 肺胞壁を被覆し修復する方向へ働く。type II cellから合成・分泌される肺サーファクタント蛋白質(Surfactant Protein;SP)のうち, 疎水性であるSP-B, SP-Cは, 末梢肺組織の線維化の契機の1つと考えられている肺胞の虚脱を防ぐ機能を担う。我々は間質性肺炎における血清マーカーとしてのSP-A, SP-Dの有用性を報告してきたが, 放射線起因急性肺傷害動物モデルを用いて生体内での各SPの推移を検討した結果, 放射線照射後にサーファクタント産生の増加を認めたが, SPのmRNA発現においては, SP-A mRNAに対するSP-B, SP-C mRNA発現の相対的低下を認めた。このことから, 急性肺傷害における肺サーファクタント組成の変化は肺胞表面張力上昇を惹起させ, 肺胞虚脱による呼吸状態の悪化や末梢肺組織の線維化の一因となることが推測された。最近ではARDSに対するサーファクタント補充療法等が報告され, 今後, type II cellからみた間質性肺炎・急性肺傷害の病態に関する新たな検討が期待される。
  • 森 雅秀, 森下 裕, 船越 俊幹, 西野 和美, 林 清二
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 726-730
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    Transforming growth factor(TGF)-βは特発性肺線維症の病態形成に重要な役割を果たしているが, in vitroでは肺胞上皮細胞の増殖を抑制する。一方, 特発性肺線維症の組織学的特徴の1つである肺胞上皮細胞の過形成病変に対しては, これまでほとんど解析されていない。肺胞上皮細胞の過形成がTGF-βの制御から逸脱したためではないかと仮定し, その機序の1つとして既に報告のあるTGF-β II型受容体(TβR II)のexon3に存在するmicrosatellite部位における欠失の検出を試みた。特発性肺線維症患者の組織標本上からmicrodissection法によって細胞を抽出し, 得られたDNAを鋳型としてnested PCR法を用いて増幅し検出した。その結果, IPE 11症例の肺胞上皮過形成病変121ヵ所の中で5症例9ヵ所に変異を認めた。また壁の肥厚した肺動脈にも一部で変異が確認された。TβR IIに対する免疫組織染色ではTβR II遺伝子の欠失が確認された肺胞上皮の部位で染色性の低下を確認した。肺胞上皮細胞過形成の一部の病変については, TGF-βによる上皮細胞の増殖抑制作用から逸脱することによる過形成である可能性が示唆された。
  • Kenji Tani, Takeshi Endo, Saburo Sone
    原稿種別: Article
    2001 年 23 巻 8 号 p. 731-734
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    CD13/aminopeptidase N (E.C.3.4.11.2) is an ectoenzyme located in the outer cell membrane in a variety of cells. Since CD13/aminopeptidase N was shown to induce in vitro chemotactic migration of human lymphocytes, we examined here the significance of CD13/aminopeptidase N in pulmonary sarcoidosis and radiation pneumonitis caused by a single-dose thoracic irradiation (15 Gy) in a rat model. The activity of aminopeptidase in bronchoalveolar lavage fluid (BALF) was significantly higher in sarcoidosis patients than in normal volunteers (NV) and control patients (CP). CD13/aminopeptidase N protein was detectable in alveolar macrophages (AN) from sarcoidosis patients at higher levels than in those from NV. Higher chemotactic activity for lymphocytes was detected in the BALF from sarcoidosis patients that in that from NV, and the activity was significantly decreased by the treatment with bestatin, an specific inhibitor for aminopeptidase N. Significantly increased CD13/aminopeptidase N activity and expression were also detected in BALF and AM obtained from irradiated rats at 4 weeks after irradiation compared with the activity in unirradiated rats. Chemotactic activity for normak rat lymphocytes was detected in BALF from irradiated rats at 4 weeks, and approximately 60% of the activity was inhibited by pretreatment of BALF with bestatin. This study suggests that CD13/aminopeptidase N may play an important role as a lymphocyte chemoattractant in lymphocyte-mediated alveolitis in interstitial lung diseases.
  • 新海 正晴, 小林 英夫, 斉藤 渉, 叶 宗一郎, 車川 寿一, 元吉 和夫
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 735-737
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    【目的】気管支肺胞洗浄(BALF)細胞中O_2^・-活性が, 1)測定可能か, 2)びまん性肺疾患の評価の指標となりうるか, につき検討した。【対象】びまん性肺疾患症例115例。【測定方法】ウミホタルルシフェリン誘導体化学発光法によりBALF生細胞1×10^5個/tubeにおけるO_2^・-活性を測定した。【結果】びまん性肺疾患でのBALF細胞中O_2^・-活性は, 1.01〜1604.1(平均136.3)kcpm/10^5cellと測定可能であった。活性はBALF総細胞数と相関を認め(p<0.0001), 細胞分画とは相関を認めなかった。総蛋白, アルブミン, IgGと弱い相関を認めた(p<0.05, p<0.05, p<0.001)。【結論】びまん性肺疾患でのBALF細胞中O_2^・-活性を臨床例で測定可能であった。肺内炎症反応と関連し, びまん性肺疾患における臨床応用が可能と考えられた。
  • 梶原 直央, 中嶋 伸, 田口 雅彦, 林 和, 小中 千守, Michael J. Holtzman, 加藤 治文
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 738-745
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    Chemokines have been defined by their capacity to regulate traffic of immune cells. Here, we demonstrate that expression of β-chemokine RANTES in host cells (especially airway epithelial cells) infected with a respiratory virus enables immune cells to more efficiently migrate across the epithelial barrier. On this study, the patterns for specific apical sorting of RANTES may serve to mediate the level and directionality of immune cell traffic through epithelium (distinct from endothelium). This chemoattractant activities may efficiently regulate traffic of mucosal immune cell during normal host defense and abnormal inflammatory disease in the airway. Especially, RANTES has the pattern of preferential apical secretion provides for a soluble chemical gradient for immune cells movement from the subepithelium to the mucosal surface and maintenance there. In addition, we investigated RANTES deficiencies affect the delay on infiltrating cells movement on immunity response, and then the reduction of chemotactic activities (particular activated macrophages trafficking) were observed in airway epithelium level with viral infected RANTES deficient mice. The results therefore establish a distinct action of chemokines in regulating immune cell migration and the primary importance of this component of innate immunity for host defense.
  • 徳田 敦子, 板倉 明司, 木村 弘, 松島 綱治, 栗山 喬之
    原稿種別: 本文
    2001 年 23 巻 8 号 p. 746-749
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    間質性肺炎患者の肺胞洗浄液所見あるいはマウスモデルを用いた研究により, 肺線維症において, さまざまなケモカインが, 炎症, 線維化に関わっていることが示唆されている。本研究では, ブレオマイシン誘導性肺線維症マウスを用い, ケモカイン受容体CCR1の発現を調べ, さらにCCR1の中和抗体の効果を解析し, 治療における分子標的としての可能性を探った。免疫染色では間質, 上皮下にCCR1陽性白血球の集積が認められ, それらはマクロファージあるいは樹状細胞と推測された。CCR1中和抗体投与により, ブレオマイシン投与後の浸潤細胞数, コラーゲン量は半減し, 生存率は著明に改善した。CCR1中和抗体投与により, 炎症反応と, それに引き続く線維化を抑制できたことは, 肺線維症における新しい抗炎症薬の分子標的としてのCCR1の可能性を示唆している。さまざまな炎症性疾患において, CCR1ノックアウトマウスでは病態が改善するという結果も報告されており, 低分子アンタゴニスト等の臨床応用が期待される。
  • 原稿種別: 付録等
    2001 年 23 巻 8 号 p. App2-
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2001 年 23 巻 8 号 p. Toc2-1
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2001 年 23 巻 8 号 p. Toc3-7
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 索引
    2001 年 23 巻 8 号 p. Index1-1
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2001 年 23 巻 8 号 p. Cover3-
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
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