1981年から2000年までの原発性非小細胞肺癌切除例1542例のうち肺門部扁平上皮癌236例(15.3%)を対象として外科治療成績を検討した。男性227例, 女性9例であり, 年齢は42〜82(平均65)歳であった。術後病期は0期11例, IA期36例(早期21例, 準早期11例), IB期49例(早期5例, 準早期4例), IIA期10例, IIB期36例, IIIA期47例, IIIB期35例, IV期2例であった。術式は気管支切除2例(気管支形成2例), 区域切除12例(気管支形成7例), 1葉切除124例(気管支形成68例), 2葉切除31例(気管支形成7例), 肺全摘67例(気管支形成17例)であった。全体の5生率は51%であった。術後病期別の5生率は早期癌および準早期癌は100%であり, 早期, 準早期癌を除いたIA期68%, IB期53%, IIA期50%, IIB期50%, IIIA期25%, IIIB期5%であった。術死は13例に認めた(IB期2例, IIB期1例, IIIA期5例, IIIB期5例)。cT1-4N0M0の106例中pN2は5例であり, いずれも領域リンパ節に単発転移を認め, 2例がcT3, 3例がcT2であった。以上の結果から早期・準早期肺癌および積極的区域切除例の外科治療成績は良好であり, 根治が期待できるものと考えた。また, 進行癌に対しては術死対策, 手術適応, 集学的治療が課題であると考える。
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