12.5wt% MoO
3-Al
2O
3, 3.5wt% CoO-12.5wt% MoO
3-Al
2O
3および3.5wt% CoO-Al
2O
3触媒を用いてイソオクタンの水素化分解反応を行い, 反応の選択性および反応機構を調べた。反応は高圧流通式反応装置を用い, 水素圧50 atm, 温度350~400°Cで行った。触媒は反応に先立って水素で450°C, 12時間還元処理, あるいは還元後10% H
2S-H
2混合ガスで450°C, 1時間硫化処理した。還元した触媒を用いたときの生成物分布を
Tables 1および
2に示した。モリブデナ-アルミナ触媒上では分解反応によるイソブタンの生成と, 脱メチル反応によるメタン, 2,2-ジメチルペンタンおよび2,4-ジメチルペンタンの生成が主として起こった。コバルトを含む触媒ではメタンおよび2,2-ジメチルペンタンの生成率が増大し, イソブタンおよび2,4-ジメチルペンタンの生成率は減少した。
Tables 3および
4には硫化した触媒を用いたときの生成物分布を示した。モリブデナ-アルミナ触媒とコバルト-モリブデナ-アルミナ触媒とでほぼ等しい転化率および生成物分布が得られた。この場合の主反応は分解反応で, そのほかに異性化反応および脱メチル反応が起こった。脱メチル反応では2,4-ジメチルペンタンが主として生成し, 2,2-ジメチルペンタンは少なかった。以上の結果および前に報告
6)したモリブデナ-アルミナ触媒の表面酸性度の測定結果より, イソオクタンの水素化分解反応の機構を考察し
Fig. 2に示した。2,2-ジメチルペンタンはイソオクタンのラジカル的な脱メチル反応によって生成し, イソブタン, 2,4-ジメチルペンタンおよびオクタン異性体はイオン的な反応によって生成すると考えると, 実験結果がよく説明できた。
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