Rh/SiO
2触媒を用いたCO
2の接触水素化反応に対するCe添加物の影響を検討した。Ce添加によって, CO
2転化率が著しく上昇した。Rh単味触媒では主生成物はCOであったが, Ce添加触媒ではメタンであった。その上, Ce添加物の添加はエタノール生成能を向上させた。このようなCeの添加効果の要因を探るために, XRD, TEM, EDX, およびFT-IRによる触媒のキャラクタリゼーションを行った。XRDおよびTEM観測から求めたRh-Ce/SiO
2触媒の平均金属粒子径は, Rh/SiO
2やCe/SiO
2触媒のそれよりも小さかった。反応条件下やCO
2吸着の
in-situ FT-IRスペクトル観測の結果, Rh単味触媒においてはCO吸着での結果と同様にCO
2分子はCO種として吸着したことが分かった。しかしながら, Ceを添加した触媒では, 反応条件下やCO
2吸着実験で1570cm
-1付近にカルボキシレート種に帰属される新たなピークが現れた。この結果はCe添加物が触媒のCO
2吸着能を高め, CO
2転化活性を増大させたことを示している。その上, CO
2接触水素化反応やCO吸着実験において, 金属の高分散化に起因する炭素と酸素原子の両方が結合しているCO分子の新たなピークが1700cm
-1付近に見られた。このようなIRの結果から, Ce添加物はCO吸着種の解離やCO挿入を促進し, メタンやエタノールの選択性を上昇させたものと考察された。
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