ヒマワリ油をディーゼル機関に用いる場合, 軽油に比べて, 始動性能が極端に劣る。この原因がなにによるものかを明らかにするために, 前報において燃焼室内に噴霧の挙動を解析した。本報では, 続いて機関が始動するかしないかは, 燃焼室内に噴霧された油粒の着火現象そのものであるため, この考察を行った。
結果として, ヒマワリ油の着火おくれ時間は軽油に比べて約5.8倍長く, 同じように燃焼室内に噴霧されても, ヒマワリ油は着火しにくい。すなわちヒマワリ油の化学的着火おくれは活性化エネルギの差によって軽油より約1.2倍長く, 物理的着火おくれはヒマワリ油の噴霧油粒径が, 軽油より約4倍大きいため, 軽油より約25倍長かった。
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