中国産インディカ米米飯に, 炊飯型食味計の可視光/近赤外光を照射し, その反射光と透過光の吸光度を4種類の固定フィルターを通して測定し, コンピュータにその吸光度データを集めた。これら米飯について食味の官能検査を同時に行い, 外観, 香り, 味, 粘り, 総合評価の値を得た。官能検査の各評価項目を目的変数に, 吸光度を説明変数にして, 食味の各項目に関する重回帰式を作成した。検証の結果, 作成したインディカ米米飯の総合評価値の検量線による予測値と, パネルによる官能検査の総合評価値の間に相関係数R=0.84と高い相関性のあることが明らかになった。また, その妥当性の確認のため, 中国の4地点 (広州, 長紗, 杭州, ハルビン) で基準米を含めた4種類の試料の官能検査による食味評価を行い, 作成した検量線による官能予測値と4都市8カ所で行った食味試験結果との間に一部の試料で有意差が認められ, 一部の試料で有意差が認められなかった。今後さらに詳細な研究が必要である。
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