人工臓器
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13 巻, 1 号
選択された号の論文の166件中151~166を表示しています
  • 辻 隆之, 大江 容子, 岩渕 汲, 戸川 達男, 田村 俊世, 根本 鉄, 豊島 健, 成味 純, 金子 秀実, 須磨 幸蔵
    1984 年 13 巻 1 号 p. 535-538
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    深部体温計を用い, 先天性心疾患50例の体外循環中に前額, 足底深部温を連続計測, 記録した。心房中隔欠損症, 心室中隔欠損症各15例およびファロー四徴症20例を対象とした。体外循環中の送血温に前額深部温は最も速く応答したが, 足底深部温の応答は最も遅く, 加温送血時に両深部温の反転上昇時の温度と時間にズレがみられた。体外循環自体が自律神経系を介して足底深部温の送血温に対する応答を遅らせ, さらに前額深部温が34℃以下になると足底部の組織血流は極めて低下することが推測された。また術前のチアノーゼの有無は体外循環中の足底深部温の応答には関係がない, すなわち末梢循環には影響しないと考えられた。
  • 門脇 政治, 和田 行雄, 佐々木 義孝, 嶋田 秀逸, 神吉 豊, 岩本 恒典, 佐藤 伸一, 北浦 一弘, 西山 勝彦, 白方 秀二, ...
    1984 年 13 巻 1 号 p. 539-542
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    低体温法における術後の脳障害の原因として灌流冷却を定常流体外循環で行った場合, 冷却過程での非生理的循環による脳組織での微小循環障害が最大の問題となる。そこで雑種成犬を使用し, 10頭で拍動型ポンプを用いて拍動流灌流冷却を(拍動流群), 10頭でローラーポンプによる定常流灌流冷却を行い(定常流群), その冷却過程における脳組織血流量を水素クリアランス法を用いて測定し, 両群を比較検討した。常温体外循環時における脳組織血流量は, 拍動流群では生理的循環時の99±5%であったが, 定常流群では79±10%に有意に低下した。さらに灌流冷却後の食道温20℃の状態において, 拍動流群では生理的循環時に比べ79±10%に低下したが, 定常流群では48±10%にまで低下し, 両群間に有意差を認めた。このことより, 定常流灌流冷却法に比べ, 拍動流灌流冷却法は, 脳組織血流量が良好に維持された状態で生体を冷却できる優れた手段であると考えられる。
  • 酒井 圭輔
    1984 年 13 巻 1 号 p. 543
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 野村 文一, 広瀬 一, 松田 暉, 中埜 粛, 前田 世礼, 田村 謙二, 金香 充範, 西垣 恭一, 大竹 重彰, 川島 康生
    1984 年 13 巻 1 号 p. 544-547
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    血液成分の損傷が少ないと言われる膜型人工肺の中でも, 落差脱血を利用して単一のポンプで運転可能なLPM-50肺を教室の1回通過法で検定し, 満足し得る酸素添加能, 及び炭酸ガス排出能を認め, その運転指標となる適正膜指数と人工肺制御指数を認めた。適正膜指数は0.5~1.5l/min/M2であった。人工肺制御指数は0.5l/min/M2の時0.4~0.7, 1.0l/min/M2の時0.8~1.2, 1.5l/min/M2の時1.0以上であった。
    この指標に基づき, 成人開心術26例に臨床応用し, ほぼ満足しうる結果を得た。従来の膜型肺ではポンプより生体側に人工肺を設置するため, 拍動流ポンプ使用時には人工肺による圧損, 分離体外循環では1つのポンプ毎に人工肺が必要という繁雑さが問題であったが, LPM-50肺は脱血側に設置するためこれらの問題を解消し有用であった。
  • 山岸 正秀, 副島 健市, 遠藤 真弘, 橋本 明政, 小柳 仁, 鈴木 進, 小橋 信二, 内村 進
    1984 年 13 巻 1 号 p. 548-551
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Microporous polypropylene膜応用の低抵抗膜型肺LPM/50を, 15例の弁膜症開心術に使用し, そのガス交換能を検討し, さらに溶血, 血小板数に対する影響を, 従来の膜型肺としてSilicon膜を応用したKolobow肺使用群(6例), 及び気泡型肺としてBOS-10使用群(6例)と比較検討した.
    LPM/50は, 酸素分圧, 炭酸ガス分圧を個別に調節できるが, 低体温時PaO2は, O2 100%で385±75mmHg, 70%で371±105mmHg, 50%で263±42mmHgと良好であり, またガス流量/送血流量比約1.0で, PaCO2は35±4mmHgであった. 体外循環中の血漿遊離ヘモグロビン増加率は, 対照群に比べ, 有意に少なく, また, 血小板数も, 対照群では減少傾向を示したのに対し, LPM/50使用群では, 減少傾向は認められなかった. LPM/50は, 良好なガス交換能を示し, さらに, 血液損傷の点でも満足すべきものであった.
  • 青野 信卓, 梅津 光生, 田中 隆, 妙中 義之, 中谷 武嗣, 高野 久輝, 富野 哲夫, 康 義治, 藤田 毅, 阿久津 哲造, 曲直 ...
    1984 年 13 巻 1 号 p. 552-555
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工肺内抵抗の軽減化に伴い落差脱血可能となったLPM/50膜型肺のガス交換特性を検定し, 臨床にも使用した。
    酸素血流量比の増加は, 酸素添加能, 炭酸ガス排出能のいずれも増加させた。血流量の増加は, 酸素添加能, 炭酸ガス排出能のいずれも低下させた。LPM/50膜型肺の換気特性は, 気泡型肺(BOS-10, Harvey 1500)よりは劣るが, 検定した6種類の膜型肺の中では, 最良の群に属していた。
    落差脱血可能な為に, 回路が簡便化され, 膜型肺としては, 取り扱いが容易であった。
    高血流量, 低血液温の場合, 人工肺内抵抗は上昇するので, 十分な落差を取ることが必要であった。
  • 森田 紀代造, 小机 敏昭, 佐々木 達海, 鈴木 和彦, 新井 達太
    1984 年 13 巻 1 号 p. 556-559
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Interpulse膜型肺(IPMO)は巾広い血液流路に二次的渦流を発生させ高いガス交換能と拍動流効果を得る新しい膜型肺である。このIPMOとTMO肺, Shiley肺を40例の開心術に使用し, その血液成分, 血漿蛋白成分及び腎機能レニンーアルドステロン系変動を, 臨床的に比較検討した。IPMO群は20~30mmHgの脈圧を呈したが, 血球成分変化は白血球数以外は, ほぼTMO群と同程度であった。Shiley 群では他群にぐらべ溶血, 血小板減少, 白血球増多が高度であったが, 免疫グロブリン, 補体, フィブリノーゲンの変化には差を認めなかった。腎機能, レニン活性については三群間に差を認めず, IPMOによって得られる脈圧の効果は臨床的には認めなかった。しかし灌流圧とCcr低下率, レニン活性との間には相関が認められ, 適性灌流圧の観点から興味ある所見を得た。
  • ―気泡型人工肺との比較―
    工藤 英範, 上田 正人, 小西 敏雄, 布施 勝生, 細田 泰之
    1984 年 13 巻 1 号 p. 560-566
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Cobe Membrane Lungは, 従来の膜型肺に比べ, 熱交換器, 血液貯血槽, 人工肺が一体化されており, 準備及び操作が簡単である。in vitroにてガス交換能及び, 溶血量, 熱交換率, pressure dropを測定し, 良好な結果が得られた。又, 1982年7月から1983年6月までに行なわれたCoronary Artery Bypass手術に使用したCML 31例と, BOS-10S 59例を, 溶血量, 血小板数, 術後ドレーン出血量について比較検討した。その結果, 溶血量はCMLで2.1mg/dl/hr: BOS-10Sは5.4mg/dl/hrであった。血小板数は, 体外循環中は同じであったが, 術後あきらかに有意差が見られた。又, ドレーン出血量も, CML使用例で356±116.9ml, BOS-10S使用例で762+535.3mlと, CMLはBOS-10Sの1/2以下であった。
    Cobe Oxygen Blenderを用いる事により, 全例, 体外循環中のPaO2及びPaCO2は満足すべき結果が得られた。
  • 小柳 仁
    1984 年 13 巻 1 号 p. 567
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 松倉 裕美, 竹田 治土, 鵜沢 茂樹, 合田 俊宏, 佐久間 まこと, 松波 己, 安田 慶秀, 酒井 圭輔, 川上 敏晃, 田辺 達三, ...
    1984 年 13 巻 1 号 p. 568-571
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    われわれは実験成績にもとずきホロファイバー型肺の臨床応用を開始したが, 先に本誌に報告した比較的短時間の体外循環を行った臨床例によって安全性の高いことを確認し, 最近は全例を本肺使用下に手術している. そこで今回は本肺を用いた52例と気泡型肺54例の循環動態, 血球成分, 血液ガス, 乳酸代謝・糖代謝に与える影響について比較検討をおこなった. その結果ホロファイバー型肺は気泡型肺に比べ(1)酸素加能にすぐれているが酸素血流量比を0.4とするとPaCO2値の上昇をみることがあり, 混合ガス供給装置を併用しF1O20.5, ガス血液流量比を1対1とした時至適PaO2値及びPaCO2値を維持できること(2) one pump systemでもCVP 150mm H2O以下, 灌流量82ml/Kg/分以上, 灌流圧65mmHg以上の体外循環が可能なこと. (3)溶血量は0.27mg/dl/分で気泡型肺の37%にとどまること, (4)乳酸代謝・糖代謝に好影響を与える可能性が高いことなどが明らかとなった.
  • 成味 純, 須磨 幸蔵, 竹内 靖夫, 井上 健治, 城間 賢二, 小山 雄次, 西山 清敬, 金子 秀実, 小塚 裕, 辻 隆之, 長谷川 ...
    1984 年 13 巻 1 号 p. 572-575
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    多孔質ポリプロピレン中空糸型入工肺にステンレススチールパイプ製熱交換器を内蔵した膜面積1.6, 3.3, 5.4m2の3種類の人工肺の性能を検討した。
    162例の開心術に用いたところそのガス交換能はいずれの肺もV/Qが0.4~0.6で送血側酸素分圧は400mmHg以上. 炭酸ガス分圧は30mHg以下と良好であった。また圧力損失も平均143mHgと低値であった。
    熱交換器自体は熱効率係数も高値ですぐれた性能を有していた。しかし本人工肺を脱血側で使用する際にはリザーバーなどの影響で送血側血液温変化曲線の時定数は人工肺流出部血液温変化曲線の時定数の1.5±0.3倍遅れるため復温時に比較的急速に加温せねばならないことがあり臨床上復温時間は遅れず体外循環に大きな影響を与えなかったが考慮すべき問題であると考えられた。
  • 石井 良幸, 田野井 均, 岡崎 俊典, 大森 一光, 中岡 康, 篠原 裕希, 名取 宏, 瀬在 幸安, 中西 光, 桑名 克之, 井上 ...
    1984 年 13 巻 1 号 p. 576-578
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    シリコンホロファイバー膜型人工肺はガス交換能に優れ, 血液成分に及ぼす影響も少なく開心術のみならず補助循環にも応用出来る優秀な膜型人工肺であり現在まで改良を重ね報告して来た。現在多用されている気泡型人工肺は熱交換器内蔵型が一般的でありFilter及びリザーバーの役目も兼ねるなど操作構造の機能性からみれば膜型人工肺よりも優れている。しかし高令者, 重症々例が増加し, より生理的な条件での体外循環が必要となり, さらにECMOの如く補助循環として体外循環を行なうには膜型人工肺は欠くべからざるものである。我々は今回ブラウンハリソン型熱交換器を内蔵したSHOを開発し10例に臨床応用し従来のSHOと比較した。その結果両者にはガス交換能, 血小板数, 血漿遊離ヘモグロビン値に有意の差はなく, 熱交換率においても従来使用のdisposable熱交換器よりも優れた熱効率を示し, compactとなり操作性も向上した。
  • 三枝 裕幸, 川村 光生, 田中 稔, 阿部 稔雄, 弥政 洋太郎
    1984 年 13 巻 1 号 p. 579-582
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ホロファイバ-膜型肺(Capiox 54)(HFO群)と気泡型人工肺(Sheiley 100A)(B. O. 群)の臨床経験, 主として, 代謝, ホルモンについて比較検討した。乳酸(L)と, 乳酸/ピルビン酸値(L/P)は, 体外循環(CPB)中, HFO群がB. O. 群に比し有意に高値を示した(P<0.05)。副骨髄質より放出されるエピネフリン(E)は, CPB開始後よりHFO群に低値を示す傾向がみられ, 復温後までこの状態が続いた。またノルエピネフリン(NE)も同様にHFO群に低値を示す傾向がみられた(P<0.10)。血糖値は, 二群間に有意の差を認めなかった。HFO群とB. O. 群とでは, CPB中, 最低温度に有意差はなかったが, PaO2値が有意にHFO群で高値を示したoCPB中乳酸値, L/P比がHFO群に高値だったのは, 高度な酸素分圧によってかえって末梢組織のHypoxic stateが生じた結果と考えられた。
  • ―ホローファイバー型人工肺の評価を中心として―
    今関 隆雄, 荒井 裕国, 矢野 真, 田辺 貞雄, 岡村 高雄, 中原 秀樹, 天野 純, 松永 裕司, 鈴木 敏文, 宮本 尚, 坂本 ...
    1984 年 13 巻 1 号 p. 583-585
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    より手軽で安全であり、優れた性能の人工肺は、開心術にたずさわる者にとって常に期待されている。まず扱い易さであり、それには、軽量で、形がすっきりしていること、そして少ない酸素流量で、高い血中酸素分圧が得られること、更に長時間の使用に耐えて、安定した結果が得られること、priming volumeが少なぐ、溶血が少ないことなど、さまざまな点が挙げられる。
    polypropylene hollow fiber oxygenatorは最近のものではheat exchangerが一体となって組みこまれており、形がすっきりして扱い易く、上記条件を満たしている。また酸素血流量比からみても、他のbnbble oxygenator, membrane oxygenatorにくらべて優れている。もうすこし安価であれば、現在のところ申し分ない人工肺と言えるだろう。
  • ―シリコンおよびポリプロピレンホローファイバー型膜型肺について―
    那須 通寛, 宮村 一男, 鹿野 和久, 矢田 公, 庄村 赤裸, 森本 保, 坂井 隆, 草川 實
    1984 年 13 巻 1 号 p. 586-588
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    シリコンおよびポリプロピレンホローファイバー型膜型肺のECMOに対する有用性をガス交換能, 血小板破壊, 溶血について, 24時間のV-Aバイパス実験において検討した。ガス交換能は, S. H. M. O. では経過時間中良好であったが, P. H. M. O. では12時間目より軽度低下を認めたが, 気層への漏出液の貯留が原因であった。血小板数の変化は, 24時間後ではS. H. M. O. 84.7%, P. H. M. O. 51-8%までの減少にとどまった。血漿遊離ヘモグロビン値は両肺において経過時間中, 50mg/dl以下に抑えられていた。P. H. M. O. では, 8~13時間目頃から血漿成分の漏出が出現し, 経時的に増加し210ml/hrに達し, 尿量の著減, 低蛋白血症, 電解質のアンバランスが出現した。ECMOに対する人工肺は良好なガス交換能は必須条件であるが, 血球破壊の点を含めた生体のホメオスターシスを維持することも要求される。従って, S. H. M. O. の方が, ECMOには適していると考えられた。
  • 阿部 稔雄
    1984 年 13 巻 1 号 p. 589
    発行日: 1984/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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