土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
70 巻, 5 号
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土木計画学研究・論文集 第31巻(特集)
  • 板垣 雄哉, 中山 晶一朗, 高山 純一
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_569-I_577
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    一日の中で大きく変化する交通ネットワークの状況を実務的にも取り扱うことができる配分として,時間帯別配分がある.時間帯内では静的配分が施され,時間帯内で目的地に到着できなかった交通量(残留交通量)は次の時間帯に繰り越されることにより,時間帯間のダイナミクスを記述する.これまでは時間帯間での混雑の時空間が記述できないものが多く,その理由は,時間帯内では静的配分を行うが,通常の静的配分のため,本来は目的地へ到着できない残留交通量をうまく扱うことができないためである.本研究では,感度分析を用いて,交通量はその時間帯内で通過したリンクのみの旅行時間に影響が与えるように近似的に取り扱う.これによって,各時間帯内では通常の静的配分を行ったとしても,適切に時間帯間の混雑の時空間移動を記述できるようになる.
  • 安藤 晃太, 木村 一裕, 鈴木 雄, 日野 智
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_579-I_587
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    近年,不採算バス路線の廃止が相次ぎ,高齢者のモビリティの低下に歯止めがかからない.そこで秋田県秋田市では,高齢者の外出促進,社会参加の支援を目的として,2011(平成23)年10月1日よりバスを100円で利用できる「高齢者コインバス事業」を導入した.本研究では,より効果が大きいと考えられる秋田市中心部から離れた郊外部の河辺地区を対象にバス利用者へのアンケートおよびインタビュー調査を行った.そこからバス運賃の低廉化による交通行動の変化の把握や,行動が多様化したこととQOLおよびCapabilityへの関連性を確認し,社会政策としての事業の有用性を評価した.分析から,高齢者のバスによる外出回数が増加し,行動範囲の広がりもみられた.交通行動の変化に伴いQOLやCapabilityも向上しており,本事業は郊外部で有用なものであると考えられた.
  • 荻原 貴之, 岩倉 成志, 野中 康弘, 伊東 祐一郎
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_589-I_595
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    羽田空港リムジンバスは,復路(空港発)に対して往路(空港着)の利用割合が低い傾向にある.これは乗換えがなく着席して空港へ向かえる快適性を有する一方で,道路交通状況による所要時間変動が利用者へ不安を与えていることが一因と考える.
    本研究では,この現状を踏まえ,羽田空港アクセスを対象に旅行時間信頼性が利用者の交通機関選択行動に与える影響を把握する.具体的には,リムジンバスの年間の実績所要時間データとアンケート調査から得た利用者行動データをもとに,平均分散アプローチによる交通機関選択モデルを構築し,旅行時間信頼性の評価を行うと共に各種提案されている旅行時間信頼性指標と利用者の選択結果との整合を考察する.結果として,標準偏差,BT,TT80-TT20,TT70-TT30等の指標が利用者評価と整合性が高いことが分かった.
  • 三村 泰広, 樋口 恵一, 菅野 甲明, 向井 希宏, 加藤 秀樹, 小野 剛史, 安藤 良輔
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_597-I_604
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    平成23年9月の警察庁の通達を契機にゾーン30という面的な最高速度30km/h規制が推進されることとなった.ゾーン30はそのコンセプトが住民に受け入れられる地区に柔軟に設定されるように配慮されていることから,同一の道路,交通管理者が管轄する地域であっても,整備内容が異なる場合がみられる.その結果として,箇所によってはゾーン30であることがわかりづらく,その認知が高まらないといった課題が懸念される.この点に関する安全運転行動への影響について適切に把握することは当該施策の目指すべき方向性を明確化する上で重要である.本研究は愛知県豊田市に導入されたゾーン30を対象に,ゾーン30の認知状況と安全運転行動の変化について意識,走行実態の両面から明らかにすることで,政策推進における基礎資料を提供する.
  • 嶋本 寛, 北脇 徹, 宇野 伸宏, 中村 俊之
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_605-I_610
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    近年,公共交通利用者減少による問題が深刻化しているが,この問題を解決するには公共交通事業者が乗客需要の変動を把握し,適切な交通サービス設計を行うことが不可欠である.一方,近年の交通系ICカードの利用者数の増加により,ICカードの利用履歴データが公共交通の分析手段として注目を集めている.本研究では,英国・ロンドンで導入されているOyster Cardの4週間分の利用履歴データを用いて公共交通の変動を把握した.料金支払い形態に応じて利用者の利用属性を分類することで,1人あたりの利用回数の変動の4割以上を説明できることを示した.さらに,分析対象の4週間の期間に学生の秋休み期間が含まれていることに着目した分析を行い,秋休み期間中には直接関連する学生のみならず学生以外の利用者の公共交通の利用が減少することを明らかにした.
  • 原 祐輔, 赤松 隆
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_611-I_620
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    本研究はNetwork GEVモデルを用いた確率的利用者均衡配分(SUE)モデルを提案する.Logit型SUEは重複経路の選択肢間相関によって,経路負荷が不自然となる問題が存在する.経路相関を扱う既存の経路選択モデルは経路列挙を必要とし,大規模ネットワークへの適用が困難であった.本研究は道路ネットワーク構造を直接的に用いて経路間の相関構造を表現するNetwork GEVモデルを提案し,終点別リンク交通量を用いたリンク・ノード表現によるNetwork GEV型SUEの等価最適化問題を定式化する.この表現はノードごとに分解した推移確率であるため,マルコフ連鎖配分やDialのアルゴリズムをNetwork GEVモデルに容易に拡張可能である.最後に,Logit型SUEとNetwork GEV型SUEを数値計算により比較し,IIA特性が緩和可能であることを示す.
  • 光安 皓, 大口 敬, 林 誠司, 金成 修一
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_621-I_628
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    自動車分野における省エネルギー方策の1つとして,エコドライブがよく知られている.これまでガソリン車の車両の運動とエネルギー消費量の関係については理論的および実証的検討がなされてきたが,近年普及が進みつつある電気自動車については,未だ十分な検討がされていない.その理由の1つとして,電気自動車特有の回生エネルギーを考慮した検討が十分になされていないことが挙げられる.
    本論文では,まず,実際に市販されている電気自動車のシャシダイナモ試験結果から,車両が任意の運動状態にあるときの駆動力およびエネルギー消費量を算出し,整理した.次に,都市部における様々な条件を想定したショートトリップに対して,エネルギー消費量の推計を行い,電気自動車のエコドライブ方法についての検討を行った.
  • 大島 大輔, 大口 敬
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_629-I_635
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    道路ネットワーク上でグリッドロック現象が発生すると,その影響は周辺道路に急速に伝播し,ネットワーク全体の交通容量を低下させる恐れがあり,発生の防止が求められる.本研究は,シングルグリッドネットワークを対象に,グリッドロックの発生条件について考察を行った.その結果,グリッドロックの発生には,下流側リンク渋滞時の交差点合流比と,交差点の上流側リンク交通流に含まれる右折車の割合が関係していることが導かれた.また,渋滞車列がグリッドネットワーク上を一周してつながった場合の交通状態として,(i) ボトルネック交差点の容量で安定する場合,(ii) ボトルネック交差点の容量より低下するが,ある一定の値で安定する場合,(iii) ネットワーク全体の容量が0に低下する場合,の3パターンが存在することが示された.
  • 橋本 成仁, 田尾 圭吾
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_637-I_644
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    我が国では高齢化が急速に進んでおり,高齢化が進行する中で,高齢者の外出を促進することの意義にますます注目が集まっている.高齢者の自立した生活を維持するためにも,高齢者が外出しやすい環境を整備することが課題となっている.
    そこで本研究では,基本チェックリストを用いることで,高齢者の運動機能別の特徴を把握する.次に,運動機能に加え,年齢や性別などの個人属性,居住環境が外出頻度に与える影響について明らかにすることで,各自治体で用いられている基本チェックリストの調査結果を参考に,運動機能が低下し始め,外出が困難となり得る高齢者の存在する地域に,対策を提供するための手掛かりとなることを目的とする.
  • 川崎 智也, 轟 朝幸, 岩崎 哲也, 西内 裕晶
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_645-I_653
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    深夜急行バスは利用者の変動が大きく,配車台数の調整が難しい.しかしながら,バスの配車台数は金曜・祝前日は2台,その他曜日は1台と,慣例的に決定されており,バスの供給不足・過多が発生している.本研究では,1)深夜急行バスの利用要因をアンケート調査などにより明らかにし,2)利用者数の需要予測に基づき配車台数予測を行い,3)バスの配車台数について効率性が向上したか検討することを目的とした.ニューラルネットワークを用いた利用者予測モデルにより利用者数を予測し,バスの配車台数を見直した.その結果,実データでは適切に配車した運行日の的中率は89.6%であったが,本研究で提案するモデルを用いることで,95.7%まで的中率を増加させることができた.これより,本研究で構築したモデルは効率的なバスの配車計画に有用であると考えられる.
  • 岡田 卓也, 吉田 長裕
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_655-I_661
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    我が国では自転車の歩道通行が安全上問題となっている.自転車専用レーン整備や交通ルール周知により自転車利用者に一定の車道通行を促す効果が確認されているものの,歩車道選択に影響する道路条件・交通条件・個人特性といった要因は明らかでない.本研究では画像実験と自転車レーン整備地点における現地調査を行うことで,道路・交通条件に加えて自転車利用者の知識・通行経験が歩車道選択に影響することを明らかにした.この研究が今後の自転車利用者の車道通行誘導施策に役立つことを期待する.
  • 高瀬 達夫, 相澤 克吉
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_663-I_669
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    これまで人の交通選択行動をモデル化する際には,個人属性や代替案のサービスレベルを用いて分析されることが多かった.しかしながら,現実には親しい他者の選択行動からなんらかの影響を受けていると思われる.例えば,同じ職場や学校の仲間といった同じカテゴリーに属している人が選択している手段を,自己の選択要因の一つにしている場合である.しかし,従来のモデルではこうした職場の情報を,規模(従業員数)や立地等をダミー変数として説明変数に用いることが多かった.そこで本研究では事業所や学校ごとに居住地の分布の状態を定量化する指標として,状態のフラクタル次元の導入を試みた.そして,分布状態を表す他の指標と状態のフラクタル次元を交通手段選択モデルに導入し,比較することで状態のフラクタル次元の導入可能性の検討を行った.
  • 丸山 翔大, 松田 真宜, 長谷川 裕修, 有村 幹治
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_671-I_680
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    近年,我が国においてコミュニティサイクル(以下CCと記述)事業が都市部を中心に展開されつつある.CCは都市部における新しい公共交通サービスとなりえるが,その利用動態や特性の把握は十分ではない.本研究は,札幌都心部で展開しているCC事業「ポロクル」全利用記録を用いて,可視化やパターン抽出・グラフマイニングといったデータマイニングアプローチによって利用動態の把握を試みるものである.分析の結果,自転車の空間的移動パターンと貸出・返却ポートの立地との関係,および,自転車が還流しているポートの組み合わせが明らかとなった.
  • 若生 凌, 関本 義秀, 金杉 洋, 柴崎 亮介
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_681-I_688
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    2011年3月11日に発生した東日本大震災は,首都圏において様々な交通障害を引き起こし,多くの帰宅困難者を生んだ.自然災害に対する防災,減災計画を考える上で,人々の災害時の避難行動を分析し,その特徴を知ることには大きな意義がある.本研究では,3月11日を含む長期間の東京都市圏における人々のGPSデータを用いて,震災時の経路選択行動分析を,平常時の行動と比較しながら行った.震災時は通信の輻輳等によりスパースなGPSデータが多かった中で,震災後に人々が利用した帰宅経路を7割程度推定することが出来た.また,利用した交通手段の分析も併せて行った.今後は精度の向上を図ると共に,目的地選択等,他の側面での行動分析を深めていきたい.
  • 赤倉 康寛, 邊見 充, 小野 憲司, 石原 正豊, 福元 正武
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_689-I_699
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    東日本大震災は,東日本の太平洋側の港湾機能を完全に損失させ,その復旧には長い期間を要し,物流の停滞を招いた.そこで,今後の大規模地震・津波災害に備えるために,各港湾や湾域でのBCPの策定が進められている.BCPの策定においては,発災後の貨物量の復旧度合いを見込むことが不可欠である.
    以上の状況を踏まえ,本研究は,東日本大震災の被災企業へのアンケート結果を基に,大規模地震・津波後の海運依存産業のコンテナ貨物需要復旧曲線を定量化したものである.復旧曲線は,今後の災害への適用を想定して,地震動強度及び津波浸水深により推定を行い,対米国コンテナ貨物量データの復旧を妥当な精度で再現した.
  • 石倉 智樹, 山本 浩平, 小根山 裕之
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_701-I_707
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    2012年に新たな格安航空会社(LCC)が国内航空路線に参入し,航空市場や都市間旅客流動に変化をもたらした.空港・航空政策の検討にあたり,旅客の需要予測や需要変動の分析は,政策効果の評価において重要な役割を果たしているが,このLCC参入による影響については,まだ定量的な実証分析が充実していない.そこで本研究は,新たなLCCが参入した関西-新千歳路線を対象に,季節調整型ARIMAモデルによる短期需要予測を応用し,当該路線に新たに誘発された航空需要と,既存航空会社からLCCへと転換した航空需要の月別変動を定量的に推定した.分析の結果,既存航空会社からLCCにシフトしたと考えられる旅客需要量や,オフピーク時において大きな路線需要の誘発効果が見られたことなど,新たな定量的知見が得られた.
  • Zukhruf FEBRI, Tadashi YAMADA, Eiichi TANIGUCHI
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_709-I_722
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    This paper presents a multi-channelled supply chain network equilibrium (SCNE) model with the behaviour of freight carriers, which is developed to represent the trading chain of cocoa in Sulawesi, Indonesia. The model takes into account the behaviour of local collectors, local traders, exporters, and freight carriers. Utilising this SCNE in the lower level, a combinatorial optimisation is undertaken in the upper level within the framework of mathematical programmes with equilibrium constraints, where a suitable set of transport network improvement actions is selected from a number of possible actions for improving the efficiency of cocoa supply chain network (SCN). The upper level is solved with a modified probability- based discrete binary particle swarm optimisation. Finally, the model is applied to an actual cocoa SCN in Sulawesi for investigating the impact of transport measures to the international trading of cocoa.
  • 小滝 省市, 高山 純一, 中山 晶一朗, 埒 正浩
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_723-I_733
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    本研究では,地方都市の中心駅の駅前広場を対象として,都市計画現況調査1)のデータや都市計画部局職員へのアンケート調査,実地調査の結果を元に,駅前広場の整備の実態と容量不足の要因について分析し,面積算定基準において具体的な方針が示されていない一般車用施設の規模算定方法に関する課題を明らかにした.その結果,中心駅の駅前広場の約89%が整備中または整備済であり,内,約67%が混雑し,約51%が一般車用施設が不足するとしている.また,駅前広場における一般車用施設の容量不足の要因は,経年などによる想定以上の交通量の増加や,待合車両の対応を計画に見込んでいないことから,平均停車時間の計画値と実態値の乖離にあることを明らかにした.
  • Peamsook SANIT, Fumihiko NAKAMURA, Shinji TANAKA, Rui WANG
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_735-I_746
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    The inventory of housing near rail transit stations is rapidly expanding along urban railway corridors after a decade of its first operation in Bangkok, Thailand. This research examines whether residents those live and work as well near the transit stations are regular railway users. The relationship between location behavior and travel patterns should be investigated. The main objective of this paper is to scrutinize which factors are noted to have potential influence on travel choice behavior of the station-area residents at disaggregate level.
    A discrete logit model is employed to jointly estimate the probability individuals having both origin and destination point within the station catchment area will commute by the rail, using an interview data of the transit-based residents, focusing on self-selection question. The basic statistics reveal the residents select residential locational choice that complies with their travel preference at high degree. The residents with a preference for traveling by the train move to live closer to the stations and become the regular passengers. Also, the results from discrete logit model explain that a positive attitude toward the rail transit can strongly influences rail commuting decision of the residents. This illustrates that the so-called self-selection has taken place. The station-area residents with high level of rail preference have a higher probability of commuting by transit than people without this preference. In addition, less out-of-vehicle time will give greater effect to at-tract more transit ridership. However, ability to use a car and parking space availability at destination have negative effect to the tendency to use the transit.
  • 中嶋 悠人, 山中 英生, 真田 純子
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_747-I_754
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    クロスバイク,ロードバイク等のスポーツサイクル(以下SC)は,普及しているシティサイクル(以下CC)に比べ,高速・長距離・長時間の走行が可能であり,全身運動にも優れているので,中距離通勤や健康活動に適しており,環境や健康に資する自転車利活用する上でSCの活用が着目されている.また,車道で走行するSC利用者は,歩道走行が中心のCC利用者に比べて,安全走行の手本(マナーリーダー)になり得ることが期待される.
    本研究では,SC利用者が,CC利用者よりも本来の自転車ルール・マナーに対する認知及び走行態度の安全性が高まっているかについて検証することを目的に,両者の自転車ルール認知度,運転態度を比較した.その結果,SC利用者の中でもレベルが高いロングサイクリストがマナーリーダーになる可能性を有していることが明らかになった.
  • 富永 透見, 外薗 宏介, 谷口 守
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_755-I_761
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    都市の集約化の必要性や高齢化の進展などの背景から,公共交通ターミナルを中心に徒歩圏で施設配置を行うことの重要性が高まりつつある.そのような状況に応じて活用できるアクセシビリティ指標が求められている.しかし,今までに開発された指標では,魅力度を表現するために多くのデータが必要で計算が煩雑となり,かつゾーンベースの指標でありこのような使用目的に耐えるものではない.そこで本研究では,鉄道駅までの距離と鉄道運行頻度を評価対象とし,施設毎にポイントベースで簡単に計算できるIMMR指標を提案した.分析では,人々が多く検索を行う集客施設や,新宿駅周辺地区を対象としたケーススタディを行った.その結果,本指標によって,近接地においても簡便にポイントレベルでアクセシビリティの差を把握することが可能となった.
  • 柳川 達郎, 三寺 潤, 川上 洋司
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_763-I_769
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    「生活関連社会資本」として位置付けられたえちぜん鉄道の存在は地域に様々な便益をもたらし,沿線自治体にも様々な分野の施策に関連し,施策推進の下支えをし得る資本である.本研究では,沿線自治体の各種分野の施策に対してえちぜん鉄道がどのように関係づけられているかについて,その実態と自治体担当者の意識を通して把握することを目的とする.
    調査分析の結果,現在の推進している施策に「えちぜん鉄道」の明記はないものの,各分野の担当施策の推進に欠かせない存在であると多くの行政担当者が認識していることが把握できた.また,存在価値に対する認識は多分野にわたっていることが確認でき,えちぜん鉄道が「生活関連社会資本」として,多様な公益支援性(クロスセクター・ベネフィット)を有していることが確認できた.
  • 鈴木 美緒, 本田 知也, 屋井 鉄雄
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_771-I_779
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    わが国の自転車交通における大きな課題のひとつに事故の多さが挙げられる.2012年に発出された「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」により,自転車の車道通行の原則を強化し,ネットワーク整備を進める方向性が示されており,わが国で圧倒的な道路延長を持つ,交通量の少ない歩道を有さない道路での自転車通行の位置付けが今後ますます大きくなるものと考えられる.しかし,そのような道路での事故の実態を詳細に分析した研究は非常に少ない.
    そこで,交通事故原票を用い,東京都大田区蒲田署管内における歩道を有さない道路での自転車事故を分析した結果,左側通行を遵守しない自転車,特に一方通行道路を逆方向に右側通行する自転車による事故の危険性が明らかとなった.
  • 谷本 圭志, 倉持 裕彌, 土屋 哲
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_781-I_788
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    高齢社会においては,買い物や通院などの基礎的な日常生活に支障をきたす人の増加が懸念される.このため,日常生活を支援するためのサービスの充実が自治体にとって重要な課題となるが,高齢になると人々の活動能力の個人差が大きくなるため,どのようなサービスが有効かは個人によって異なる.そこで本研究では,食料品の調達に差異する多様な買い物手段に着目し,それらがどのような活動能力をもつ個人にどれだけ選択されているのかを離散選択モデルを用いて明らかにする.その際,中山間地域において介護予防の観点で収集されたデータを用い,定量的かつ実証的に分析する.
  • 茅野 宏人, 石黒 一彦
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_789-I_799
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    本研究では集計ロジットモデルにより東北・中国・四国地方の輸出入コンテナ貨物の荷主の港湾選択行動分析を行った.配船スケジュールを考慮した平均待ち時間と四種類の海上輸送時間を採用したことが本研究の特徴である.モデル推定結果より,荷主は輸出において平均的な輸送時間を重視し,輸入において最も輸送時間が掛かるケースを想定していることが明らかとなった.また,荷主は平均待ち時間と海上輸送日数の合計の海上総輸送時間を考慮していることも明らかとなった.積替え時間は輸出の場合に考慮され,輸入では考慮されないことも推察された.モデルを用いたシナリオ分析により,単に便を増加させるだけでなく,曜日も考慮した誘致を行うことが有用であること,寄港へのインセンティブを廃止しても影響はそれ程大きくないことが示された.
  • 橋本 成仁, 岡村 篤
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_801-I_808
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    安全・安心なまちづくりによる取り組みが多くの地域で行われているが,どのようなことが地域の安心・不安に対して影響しているのかは明らかとなっていない.そこで本研究では,主に防犯に着目して,岡山市内の犯罪発生や交通事故が比較的多い特徴を持つ住宅地を対象にしたアンケート調査の結果を用いて,「街路空間の特徴」に対する防犯の安心・不安感や,地域住民の地域との繋がりとして「地域との関わり」や「地域内活動への参加」を把握し,それらが生活道路における防犯の安心・不安感へ与える影響を明らかにした.その結果,防犯上で安心なまちを創るには,ソフト面では衆人環視の確保や地域住民の地域に対する評価・印象を向上させることが有効であり,ハード面では道路環境や沿道施設を充実させることが有効であることが示唆された.
  • 西村 和記, 土井 勉, 喜多 秀行
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_809-I_818
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    地方部の公共交通利用者は減少傾向が続いていることから維持が困難な状況となっているため,補助金という形で行政支援がなされている.しかし,行政側も財政難から公共交通に対する財源確保が困難な状況である.また,これまでは公共交通の価値や必要性を交通分野単独で検討していることが多く,収支を重視した評価を行う結果,公共交通の価値や必要性が小さく評価されている面もある.
    そこで本稿では,交通分野だけでなく他の行政分野も含めて社会全体の支出の削減を目的として,公共交通の価値や必要性をクロスセクターベネフィットの考え方から整理した.公共交通が関係する12分野において,公共交通が担っている役割・効果,そしてその価値を算出した結果,公共交通が地域社会に果たす役割は大きいものであることが本稿により明らかになった.
  • TIRTOM Huseyin, 山口 裕通, 奥村 誠, 金 進英
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_819-I_827
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    OECDによる環境的に持続可能な交通(EST)の概念など,交通システムを考える上で低炭素化や環境負荷の軽減が重要な課題となっている.都市間旅客交通において低炭素化を図ろうとすれば,航空や高速バス等の利用を抑えて鉄道への転換を図ることが課題となる.しかし鉄道はインフラの維持に大きな固定費用がかかるため,導入できる路線が限定される.そのため,一つの路線により多くの利用者を集約する必要性から,旅客に迂回を強いることとなり,その結果所要時間の増加につながる可能性がある.つまり,低炭素化とネットワークの利便性の間にはトレードオフの関係がある.本論文は,トルコを例として,都市間交通のマルチモーダルなネットワークを計画する際に,低炭素化の制約の強さがもたらす影響を,数理計画モデルを用いて明らかにする.
  • 稲垣 具志, 小早川 悟, 関根 太郎, 中村 文彦, 福田 敦, 清水 健造, 高田 邦道
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_829-I_835
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    全国各地において運用されているバス専用通行帯には,導入当初からの道路交通状況の変化により活用方法の再検討が必要な事例も存在する.一方で,世界的にも独特な二輪車混入率を有する我が国ではバスと二輪車で専用通行帯を共有する方策も見受けられ,混合交通の安全性と円滑性を確保する手法として検討に値するものである.本稿では,専用通行帯規制区間における二輪車の通行にまつわる実態把握の一つとして,規制内容に関する二輪車ユーザの認識状況をアンケート調査により分析した.その結果,バス専用通行帯の原付や自転車による通行方法や,バス二輪車専用通行帯以外の通行帯の通行方法について極めて認識度が低いことが明らかとなり,標識・標識の提示,交通教育といった規制内容の周知手法について課題が示された.
  • Tran Vu TU, Kazushi SANO, Hiroaki NISHIUCHI
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_837-I_847
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    This research proposes an improved bus signal priority model in urban arterial roads based on the coordination between bus speed guidance and signal timing techniques. Unlike most of previous models about bus signal priority, the proposed model considers not only signal timing techniques, traffic factors but also recommended bus speed guidance to grant priority to buses for its smooth travel through intersection groups of arterial roads. By conducting two approaches of investigation, analytical approach and simulation one, the research concludes that the proposed model is significantly efficient. Compared with conventional adaptive models that were developed to grant priority to buses by minimizing the total traffic delay only, the proposed model reduces traffic delay considerably, by up to 7.12% in terms of link delay average. The proposed model with its good performance can be integrated into simulation models to investigate the performance more realistically.
  • 森重 翔太, 佐野 可寸志, 西内 裕晶
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_849-I_858
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    本研究は,大阪市の鉄道駅を対象に,住民の効用と路上自転車の撤去頻度の強化に要する限界費用を試算し,撤去頻度の強化の可能性を示唆した.駐輪者にアンケートを実施し,自治体の収入に影響を与える自転車の受け取り行動,駐輪場所の選択の決定要因を明らかにした.また,歩行者や住民にアンケートを実施し,効用として,撤去頻度の強化に対する負担金の支払意志を調査した.撤去頻度の強化に要する限界費用と効用を比較することで,撤去頻度の強化の可能性を示唆した.その結果,九条駅を除く3駅では,撤去頻度の強化の可能性を見出すことができた.また,買い物目的の路上駐輪への許容意識が高い駐輪者や住民ほど,1)保管料の支払意志額が低く,2)路上駐輪を実施する,3)負担金を支払わない傾向にあることが明らかとなった.
  • 佐々木 諒, 稲垣 具志, 竹本 雅憲, 大倉 元宏
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_859-I_868
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    わが国では自転車の歩道通行が一般的に多く見受けられるが,近年様々な観点からその安全性に疑問が呈されている.本稿では,ドライブレコーダに記録されたヒヤリハットデータに着目し,自転車の安全性評価に対応したデータベースを構築した上で,自転車関連ヒヤリハットの特性を把握した.さらに,歩道通行の是非について安全性を定量的に考察することを目的として,幹線道路と細街路が接続する交差点でのヒヤリハットを対象に,自転車通行位置別の危険度をドライバーの運転行動等に基づく指標により評価した.その結果,車道を逆走,車道寄り,民地寄りに拘わらず歩道を通行する自転車において危険度が高いことが導かれ,自転車は原則車道を左側通行,やむを得ず歩道を通行する場合は車道寄りを自動車と同方向に徐行することが望ましいことが示された.
  • 松中 亮治, 大庭 哲治, 中川 大, 森 健矢
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_869-I_878
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    近年,世界各国の都市で,自転車を公共交通機関として活用するバイクシェアリングシステム(BSS)の導入が進んでおり,わが国においても導入の気運が高まっている.しかしながら,導入にあたっては,既存の公共交通機関との関係を十分に考慮したうえで,導入規模や料金体系などの施策内容を検討する必要があるが,わが国においては適切な評価が行われているとは言い難いのが現状である.
    そこで,本研究は,京都市を対象に,料金体系とポートの設置規模の異なるBSS導入施策を設定し,BSSを含めた公共交通機関と自動車による移動を再現できる都市内交通シミュレーションモデルを構築して,BSS導入時の交通状況をシミュレートする.そして,その結果からBSS事業の収益,利用者便益,社会的便益を算出することで,BSS導入施策を定量的に評価した.
  • 花岡 伸也, 中道 久美子, 加藤 智明
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_879-I_888
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    成長著しいアジア地域では,低炭素な交通体系の構築が求められている.本研究では,大メコン圏の地域間貨物輸送における中長期の低炭素な機関分担像を示すことを目的として,輸送費用もしくは輸送時間と組み合わせたCO2排出量を目的関数とし,機関分担率を決定変数とする目標計画問題として定式化した.そして,バンコク-ハノイとバンコク-ヤンゴンの2つの路線をケーススタディとして取り上げ,既存輸送機関の改善と貨物鉄道導入の2つのインフラ開発シナリオと,複数のCO2排出量削減等の目標に対して,最適な機関分担率を算出した.計算の結果,路線や削減目標,開発シナリオごとに最適機関分担率の差異が明らかになった.さらに,貨物鉄道導入により高い削減目標の達成が可能なことがわかった.
  • 佐藤 学, 星野 優希, 小嶋 文, 久保田 尚
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_889-I_905
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    近年,歩行者の安全や歩行空間の改善,および歩行者優先・専用空間整備の必要性が認識されてきている.しかしながら,歩行者や歩行空間を対象とした評価手法は確立されていない.
    本研究は,歩行者の可視的特徴を用いた街路歩行空間の評価指標を確立するための基礎データを得ることを目的とする.構内および実道における被験者を用いた歩行実験より,車の走行条件を変化させると歩行者の笑顔度・しぐさにも一定の傾向が見られ,歩行者の心理と可視的特徴に関連性があるということが示された.また,実道における歩行者観測より,歩行者天国時と通常時では笑顔度・しぐさの両方に明らかな差が確認できた.
    以上より,歩行者の心理状態に対して表情やしぐさは一定の傾向を示すことが明らかとなり,歩行空間の新たな評価指標として期待ができる結果となった.
  • 佐藤 保大, 中村 文彦, 田中 伸治, 王 鋭
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_907-I_914
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    都市鉄道などの幹線的公共交通機関の整備が進む東南アジア大都市では,生活の足として定着しているパラトランジットが今後端末的な役割を担うことが予想され,幹線と端末を結ぶ交通結節点の適切な整備が課題となっている.本研究では,バンコクを対象として,道路上での乗降場整備が道路交通流に与える影響を定量的に示すことで,道路上の乗降場を許容する判断基準を明らかにすることを目的とした.
    パラトランジットの路上乗降場が存在する場所を対象としてシミュレーションを行い,道路交通流に対する各影響要因が対象道路の可能交通容量に及ぼす影響を定式化した.算定式を用いて道路上の乗降場の許容可能性を定量的に明らかにし,条件によっては乗降場を道路上にも整備できる可能性を示した.
  • 栗原 剛, 平田 輝満, 髙田 陽介, 林 泰三, 三崎 秀信
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_915-I_922
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    2010年10月に羽田空港が国際化したことで,首都圏西部からの海外へのアクセス性向上や深夜早朝定期便の運航などによる旅行オプションの増加に寄与していると考えられる.そこで本研究は,羽田空港の国際化前後における国際線航空旅客の流動等への影響と効果について,独自のアンケート調査を実施し,空港の選択理由や国際化前後の同一個人の行動変化等について実態分析を行った.その結果,空港選択理由から首都圏居住者の空港アクセスの利便性が高く評価されていたほか,地方空港から羽田での乗換が便利になったことから,地方居住者にとっても利便性が向上したことが分かった.また,羽田空港へのアクセス性向上や発着時間帯の拡充等により,新たな海外旅行行程の選択肢が広がることにより,旅行需要が誘発された可能性が示された.
  • Aleksander PURBA, Fumihiko NAKAMURA, Shinji TANAKA, Rui WANG
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_923-I_932
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    Subsidy policies on urban public transport have been adopted ubiquitously in both developed and developing countries. Generally, subsidies are implemented to make transport more affordable. To measure and to understand the transport expenditure of households are critically important for evaluating transport policies, as well as for investigating their effectiveness. This research describes the role of urban public transport and incidence of bus subsidies in medium-sized cities such as Jogjakarta and Palembang, Indonesia, where new transit systems were launched to replace the existing bus services being abandoned by city dwellers. The results indicate that while the poorest households constitute one-fourth of total households in the sample of Jogjakarta and Palembang, they receive only 5 and 6 percent of transit subsidies, respectively. The wealthiest households, who constitute 8 and 7 percent in the sample of Jogjakarta and Palembang, receive transit subsidy that are more than three time and more than two times larger than their equal share, respectively, under the uniform distribution of the subsidy across income groups. The middle income group, earning Rp 1,000,000-Rp 2,500,000 per month receives subsidy benefits in roughly equal proportion to their share in the population of both cities. The high income group, earning Rp 2,500,000-Rp 5,000,000 per month receives about one-third subsidy benefits in both cities, respectively. Average affordability indices and bottom quintile affordability indices of Jogjakarta and Palembang is 17% and 20%, and 25% and 27%, respectively, indicating the expenditure on public transport is too expensive.
  • 稲垣 具志, 寺内 義典, 橘 たか, 大倉 元宏
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_933-I_941
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    これまで,通過交通が問題となる生活道路では,抜け道利用者に着目した交通安全対策が多く実施されてきた.本稿は,抜け道利用者ではない地区関係者の走行速度に着目し,抜け道利用者の速度との傾向の違いについて明らかにすることで,地区関係者向けの安全啓発・教育を実施する意義について検討することを目的とする.東京都内の2地域を対象としてナンバープレート調査と走行速度調査を同時に実施し,地区関係者と抜け道利用者別の走行速度分布を取得した.これらを比較したところ,地区関係者には抜け道利用者と比べて低速走行する傾向が一部確認できたが,地区関係者においても生活道路を高速走行する運転者が無視できない程度に存在し,地区関係者を対象とした速度低減対策を構築する必要性が示された.
  • 飛ヶ谷 明人, 宇野 伸宏, 嶋本 寛, 中村 俊之, 山崎 浩気
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_943-I_950
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    高速道路上の交通管理においては利用者の時間的損失の低減を図り,サービス水準の向上を目指して,従来から様々な交通管理がなされ,交通渋滞の低減につとめてきた.交通管理を行うにあたり交通渋滞など交通状態を把握することが必要であるが,従来はシミュレーションなどの手法によって,分単位の時間的変化を考慮して交通現象解析や予測を行う方法が考案されている.しかしながら,長期的な交通管理計画のための平均的渋滞状況把握や1日,時間単位等のマクロな交通状態の評価については,より簡便なモデルによって交通渋滞程度の推定を行うことが望まれている.そこで,本稿では交通障害事象や交通渋滞記録,交通量データをもとに,ニューラルネットワークを用いて交通障害発生を考慮した渋滞損失時間推定モデルを構築し,推定を行った結果を示す.
  • 王 茹剛, 山中 英生, 三谷 哲雄
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_951-I_959
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    自転車関連の交通事故の割合は増加しており,自転車と自動車の出合い頭事故は自転車関連事故の5割を占めている.特に,幹線道路小交差点における出会い頭事故では,自歩道で車道の車両とは逆方向に走行している自転車の危険性が指摘されている.本研究では,ドライビングシミュレータを用いた仮想実験を用いて,見通しが異なる幹線道路小交差点を対象に,細街路から幹線道路に合流する自動車と幹線道路を通行する自転車の出会い頭状況を再現し,自転車の走行方向・草稿位置が異なる場合のドライバー挙動を計測した.ドライバーの注視挙動,及びTTC等の安全性指標を分析した結果,自動車は左側見通しが悪くなると注視しなくなり,歩道寄りを走行する自転車,逆走する自転車は,他の位置・方向の自転車よりも危険性が高くなることが明らかになった.
  • 大森 清博, 柳原 崇男, 北川 博巳, 池田 典弘
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_961-I_969
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    近年,歩行空間のバリアフリー化が求められており,サインシステムの標準化などが進められている.本研究ではロービジョン者と晴眼者に対する路面誘導サインの有効性を検証するとともに,今後の効果的なサイン設置への知見を得ることを目的として,路面誘導サインを試作して鉄道駅周辺に設置し,歩行実験を行った.実験の結果,ロービジョン者と晴眼者の両方にとって読みやすさの点で有効であり,実験後の聞き取りから自分にとって役立つという評価が得られた.一方,見つけやすさに関して両者に違いがあり,晴眼者では経路の後半で路面誘導サインの発見率が高くなる傾向が見られた.また,路面誘導サインの見つけにくさの要因がロービジョン者と晴眼者で異なることが示唆された.
  • 中田 諒, 安田 昌平, 井料 隆雅, 朝倉 康夫
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_971-I_979
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    高速道路において突発事象が発生した際の交通運用を適正に行うためには,過去の突発事象時に実施された交通運用の効果と,それと異なる交通運用を行った場合の効果を比較分析する方法論が求められる.本研究では,過去の突発事象に対する交通運用の効果を評価するシステムを,推計ランプ間OD交通量と実際の突発事象によるリンク容量を入力とした交通シミュレーションを用い,阪神高速3号神戸線を対象として構築した.このシステムが突発事象による渋滞をおおむね再現できることを確認し,さらに,現況再現による混雑状況と,複数の仮想的な交通運用方策による混雑状況を比較した.その結果,現行の交通運用方策が高速道路の混雑を緩和するために一定の効果を持っていることと,複数回の乗り降りをある程度まで促進することも効果があることがわかった.
  • 羽賀 研太朗, 小野 樹, 浜岡 秀勝
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_981-I_990
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    近年,交差点での歩行者と車両の事故が多いことから,歩行者への車両回避支援が重要である.過去の研究より,警告による歩行者への車両接近情報の提供による歩行者への回避行動の促進,また,適切な安全確認の位置が明らかにされている.そこで本研究では,歩行者が適切な位置で安全確認できるような情報提供位置を明らかにすることを目的とする.
    試験場内の交差点にて,車両が走行する交差点の横断歩道を,歩行者が横断する実験を実施した.その際に,車両の接近を伝える警告音を歩行者に発生させ,歩行者の首振りを安全確認行動とし計測した.歩行者の首振り挙動を分析し,歩行者の安全確認行動に変化を与える状況,また,歩行者に接近車両を確認させる警告位置を明らかにした.
  • 根城 平, 浜岡 秀勝
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_991-I_1001
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    現在の道路利用において,長距離移動では高速道路,短距離移動では一般道路のように,距離に応じて選択されるべきであるが,必ずしも道路利用が階層と整合していない状況が見られる.したがって,本研究では将来の階層型ネットワークの構築を念頭におき,階層性がもたらす効果の定量化を目的とする.階層性の効果を把握するために,仮想ネットワークにて,幹線道路整備,高速道路整備,一般道路整備の3種類の整備を行う状況のもと,それぞれの効果を比較した.交通量,交通容量,車両の走行速度などの要素を用いて,最短時間経路による交通量を計算し,交通容量を上回る交通量を評価の基準とした.様々なネットワーク特性のもと,上記計算を行うことによって,道路の階層化がもたらすメリット,階層化が有効となるネットワーク特性を明らかにした.
  • 柳原 崇男, 服部 託夢
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_1003-I_1011
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    近年,まちづくりや交通政策と高齢者の健康問題について検討されてきているが,公共交通利用等がどの程度高齢者の健康維持に影響を与えているかは実証的なデータにより検証されていない.本研究では,高齢者の交通行動と身体活動量の関係に関する基礎的データを得ることを目的とし,高齢者の1日の生活活動と歩行量を調査した.その結果,公共交通利用は,車利用より1日の歩行量を増加させることがわかった.しかし,高齢者の行動パターンでは,車利用から公共交通へ転換し,積極的に公共交通を利用しても,「からだ」の健康維持には寄与できるほど歩行量を確保できないことがわかった.
  • 渡部 数樹, 中村 英樹, 井料(浅野) 美帆
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_1013-I_1022
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    信号交差点における右折関連事故は依然として高い割合にあり,右折車両の挙動を分析することは交差点の安全性を検討する上で極めて重要である.本論文では,他の道路利用者の影響を比較的受けない,直進・左折と分離された右折専用現示における右折車両挙動に着目し,道路構造や交通運用が各挙動に与える影響を分析する.分析結果より,専用現示における右折車両挙動には交差角度や停止線セットバック量といった道路構造が強く影響していることを示す.さらに,交通安全上の課題に対する対策立案や対策が挙動に及ぼす正負の効果を把握するため,一連の各挙動とその影響要因を整理することの必要性を述べる.最後に,交差点の安全性評価において,ミクロシミュレータ活用によるメリットや代替性安全性指標を包括的に評価することの必要性について考察する.
  • 萩田 賢司, 森 健二, 横関 俊也, 矢野 伸裕
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_1023-I_1030
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    交差点における自転車事故の実態を把握するために,事故当事者の進行方向別の事故発生頻度を明らかにした.千葉県東葛地域の交差点自転車事故を分析対象として,緯度経度情報,当事者の進行方向矢印と事故類型などをもとに,自動車と自転車の相対的な進行方向を求めた.その結果,信号の有無により自転車事故の発生形態が大きく異なっており,信号交差点では,自転車と平行して道路を走行している自動車の右左折に伴う事故が大半を占めていた.無信号交差点では,自動車が交差点を通過する際の手前側の交錯点を走行している自転車との事故が多発していることが示された.また,夜間においては,自動車は交錯する自動車と逆方向から進入してくる自転車と衝突しやすいことが示された.
  • 張 馨, 中村 英樹, 井料(浅野) 美帆, 陳 鵬
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_1031-I_1040
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    信号交差点における横断歩行者の歩行速度特性を知ることは,歩行者の安全性の向上に極めて重要である.そのため,横断歩道の幾何構造および信号現示などによる横断歩行速度の変化を定量的に評価する必要がある.そこで本研究では,様々な横断歩道長や歩行者青時間長の横断歩道における歩行者青(PG)時の横断歩行速度を,横断の前半・後半に分けて分析し,これらを推定するモデルを構築した.その結果,横断歩道長が長くなるほど,また青時間開始から時間が経つほど,横断歩行速度が速くなることがわかった.さらに,これを既存の歩行者青点滅(PF)時間を対象としたモデルと比較し各説明変数の感度分析を行ったところ,青点滅時の方が全体的に横断歩行速度が速く,横断歩道長や横断開始タイミングに対する感度も高い傾向が見られた.
  • 福田 大輔, 洪 子涵, 岡本 直久, 石田 東生
    2014 年 70 巻 5 号 p. I_1041-I_1050
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/05/18
    ジャーナル フリー
    本研究では,感知器から得られた観測データのマクロ交通流モデルへの同化(データ同化)による都市高速道路における交通状態推定方法論の構築とその検証を行う.各セルの速度を状態変数とするVelocity-based Cell Transmission Model (Work et al., 2010)をシステムモデルに用い,アンサンブルカルマンフィルタ手法を用いて感知器データを同化させる枠組みを構築した.首都高速道路単線区間において高密に配置された感知器から得られたデータを用いて交通流モデルのパラメータを経験ベイズ法によって求め,状態推定結果の再現性についての検証を行った.さらに,同定されたシステムモデルを用いた異なる観測条件下での同化結果の比較を通じ,ある一定の精度を確保するために必要な感知器の設置間隔について検討した.
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