日本栄養・食糧学会誌
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59 巻 , 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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  • 池口 主弥, 鍔田 仁人, 田畑 篤志, 高垣 欣也
    59 巻 (2006) 2 号 p. 89-95
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    血中総コレステロール (TC) およびLDLコレステロール (LDL-C) が上昇すると動脈硬化などの疾病リスクが高まるが, ポリフェノールの摂取によって脂質代謝が改善し, 疾病リスクが低下することが知られている。松樹皮抽出物はポリフェノールを豊富に含むのが特徴であり, 血中や肝臓中のTCおよびLDL-Cを低下させる効果が期待されている。そこで, 松樹皮抽出物を用いて高コレステロール食を与えたラットにおける血漿のTCに及ぼす影響を検討した。ラットに, それぞれ普通飼料, 高コレステロール飼料, 松樹皮抽出物添加高コレステロール飼料 (0.02%, 0.2%, 2%添加) を与え, 摂取期間中の血中TC, HDLコレステロール (HDL-C), 中性脂肪 (TG), およびリン脂質を測定した。同時に, 肝臓中のTCおよびTG, 糞便中のコレステロールおよび総胆汁酸 (TBA) を測定した。その結果, 松樹皮抽出物を添加した高コレステロール飼料を与えたラットにおいて, 血漿のTCは低下し, HDLCは増加した。さらに, 肝臓中のTCは低下することが確認された。糞便中のコレステロールおよびTBAも同様に増加しており, 松樹皮抽出物の摂取によりコレステロールおよびTBAの排泄が促進されたのではないかと考えられる。これらの結果より, 松樹皮抽出物は高コレステロール飼料の摂取時において血中および肝臓中のコンステロール低下作用をもつことが明らかとなった。
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  • 小森 昭二
    59 巻 (2006) 2 号 p. 97-105
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    生活習慣から由来する肥満 (特に内臓脂肪蓄積肥満) を基盤として, インスリン抵抗性を含む糖代謝異常, 脂質代謝異常などにより糖尿病, 高脂血症, 肥満症, 高血圧症などさまざまなリスクファクターが重積して, 発症する疾患群はメタボリックシンドロームと呼ばれている。メタボリックシンドローム患者における全血流動性に対する肥満の影響を検討するため, 抗凝固剤 ethylene diamine tetra acetate を用いた血算用採血を行い, 細胞マイクロレオロジー装置で全血流動性を測定した。対象症例は, 全血流動性を厳密に評価するため, 非喫煙のメタボリックシンドローム患者150例, 平均年齢を揃えた非喫煙の健常者48例とした。その結果, 非喫煙メタボリックシンドローム患者における全血流動性低下は, おもに高血糖, 高脂血症, 肥満に伴う血管内の炎症症状の亢進による白血球などの血球数の増加および変形能低下, 粘着・凝集能亢進によるものと考えられた。また機能性食品, 医薬品の全血流動性への臨床効果の評価においては, 評価目的に応じた対象症例, 投与期間, 適切な臨床検査および抗凝固剤の選択が重要と考えられた。
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  • 石見 百江, 下岡 里英, 嶋津 孝
    59 巻 (2006) 2 号 p. 107-113
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    高糖質食ならびに高脂肪食にL-カルニチンを単回あるいは連続的に添加してラットのエネルギー消費に及ぼす影響を酸素消費量 (VO2) と呼吸商 (RQ) の面から検討し, 併せて高脂肪食の長期摂取による内臓脂肪の蓄積や肝臓ならびに血中の脂質代謝の変化についても解析した。暗期12時間 (摂食時) の累積酸素消費量はカルニチン1%の連続添加によって, 高糖質食群で7.7%, 高脂肪食群で7.5%有意に増加した。明期12時間 (非摂食時) においてもVO2は有意に高い値を維持した。その際, RQはカルニチンの添加によって両食餌群ともわずかに低下した。しかしながら, カルニチン1%の単回添加では, VO2は有意な上昇が認められなかった。高脂肪食で4週間飼育したラットの後腹膜ならびに副睾丸脂肪重量および体重は高糖質食ラットに比べて有意に増加し, この増加はカルニチン1%添加群で抑制された。高脂肪食ラットでみられる肝臓の中性脂肪 (TG) および総コレステロール(TC) 含量の著明な増加も, カルニチン添加食群で有意に抑制された。また, 血漿中のTG濃度は高脂肪食および高糖質食群ともカルニチンの連続添加によって低下したが, 血漿TC濃度は各群間で有意差が認められなかった。以上の実験結果から, カルニチンの連続投与はエネルギー消費を増大させる効果をもつとともに, 高脂肪食の長期摂取による内臓脂肪の蓄積や脂質代謝異常を抑制・改善することが明確になった。
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  • Sawitree Wongtangtintharn, 屋 宏典, 稲福 征志, 岩崎 公典, 戸田 隆義
    59 巻 (2006) 2 号 p. 115-118
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    分枝鎖脂肪酸の抗がん活性の発現メカニズムを探るため, 特殊な炭素鎖構造をもつ脂肪酸の乳がん細胞脂質への取り込みを調べ, 脂肪酸炭素鎖の化学構造と細胞毒性との関連性について検討した。培地に添加されたすべての脂肪酸はリン脂質よりもトリグリセリドに優先的に取り込まれ, 分枝鎖脂肪酸については主鎖の炭素数が14の脂肪酸が13のものよりも取り込み率が高い傾向にあった。シクロアルキル基をもつ脂肪酸の取り込みは分枝鎖脂肪酸よりも低い傾向にあった。ヒドロキシ脂肪酸の取り込みは分枝鎖脂肪酸とほぼ同程度と見積もられた。分枝鎖脂肪酸のD50は他の脂肪酸よりも低い傾向にあり, シクロアルキル基をもつ脂肪酸およびヒドロキシ脂肪酸のD50は直鎖脂肪酸と同程度か高い傾向にあった。主鎖の炭素数は同一で化学構造が異なる脂肪酸の細胞毒性を比較すると, 分枝鎖脂肪酸についてのみ乳がん細胞に対する細胞毒性が認められ, 分枝鎖の化学構造が細胞毒性と関連していることが示唆された。
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  • 松尾 達博
    59 巻 (2006) 2 号 p. 119-121
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    希少糖類であるD-プシコースおよびプシコ希少糖 (D-フルクトースとD-プシコースの3:1混合物) の血糖値上昇抑制作用をラットを用いて検討した。6カ月齢 Wistar 系雄ラットにスクロース, マルトースあるいは可溶性澱粉2g/kgとともにD-プシコースまたはプシコ希少糖をそれぞれ0.2g/kg投与し, 投与後120分までの血糖値の経時変動を求めた。D-プシコースとプシコ希少糖はいずれもスクロースおよびマルトースによる血糖値上昇を有意に抑制したが, 可溶性澱粉を用いた場合には有意な血糖値上昇抑制効果はみられなかった。以上の結果から, D-プシコースおよびプシコ希少糖は血糖値上昇を抑制する機能陛単糖として有効である可能性が示唆された。
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  • 江崎 治, 佐藤 眞一, 窄野 昌信, 三宅 吉博, 三戸 夏子, 梅澤 光政
    59 巻 (2006) 2 号 p. 123-158
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    日本人のn-3系多価不飽和脂肪酸 (以下n-3系脂肪酸と略す) の摂取基準策定 (2005年版) に用いた論文をエビデンステーブル (表) として提示し, 策定の基本的な考え方を詳しく述べた。n-3系脂肪酸は一定量以下のある摂取量で皮膚炎, 成長障害が認められる必須脂肪酸であるので, 下限の設定 (最低必要量) が必要である。しかし, 報告症例が少なく, 一定量以下のある摂取量を求めることができないため, 摂取量の中央値で表される目安量を用いた。すなわち, 大部分の日本人では皮膚炎は認められていないので, 日本人の各年齢階層における男女別にみたn-3系脂肪酸摂取量の中央値を日本人の大多数で欠乏症状が認められない十分な量と考え, 目安量とした。このように安全幅が広めに設定されているため, 実際の摂取量が目安量より少なくても欠乏症状はあらわれないと思われる。n-3系脂肪酸を多く摂取すると, 虚血性心疾患罹患が少なくなることを示す欧米の報告は多い。しかし, 現在の日本人のn-3系脂肪酸摂取量の中央値は, 欧米人の検討成績の中で, 虚血性心疾患罹患率の最も低い, 最高分位のn-3系脂肪酸摂取量のグループの中央値よりも多い。このため, 日本人のn-3系脂肪酸摂取量の中央値程度を摂取していれば, 虚血性心疾患罹患率を十分低くできると考えられる。そこで, 18歳以上に対し, n-3系脂肪酸摂取量の中央値を, 目標量 (生活習慣病予防を目的とした食事摂取基準の一つ) の下限と設定した。設定された18歳以上の目標量は2.0-2.9g/day以上となる。この値は必須脂肪酸としての目安量と一致するため, 18歳以上については目標量のみの設定となっている。n-3系脂肪酸を多く摂取した場合の弊害についても検討した。出血時間の延長, LDL-コレステロール値の増加が多く報告されているが, 臨床的に問題となる出血例の増加は報告されていないし, 虚血性心疾患罹患率が増加したことを示す報告もない。このため, 今回の策定では, 目標量の上限値設定は行わなかった。しかしながら, 日本人のおもなn-3系脂肪酸摂取源である魚介類には, 水銀, カドニウムなどの重金属, ダイオキシン, PCBなどの環境汚染物質が微量ながら含まれる。食事摂取基準では, 有害物質の摂取量について取り扱っていないため, これらの影響については考慮されていない。この点を補完するために, 本稿では水銀摂取の影響についてエビデンスの収集を行い, 妊婦が魚を摂取する場合の注意点についても言及した。
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