日本栄養・食糧学会誌
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36 巻 , 4 号
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  • 渕上 倫子
    1983 年 36 巻 4 号 p. 219-224
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    野菜 (ごぽう, れんこん, にんじん, だいこん, じゃがいも) をpH1~8の緩衝液および水中で98℃15分, 30分, 60分加熱後の軟化の程度とペクチン質の溶出率との関係を検討した結果, 次のとおりの知見を得た。
    1) 野菜はpH4で煮たとき最も軟化しにくく, pH5以上, およびpH3以下で急激に軟化した。pH4でも長時間加熱するとにんじん, じゃがいも, だいこんは相当軟化したが, ごぼう, れんこんは軟化しにくかった。
    2) 煮汁中へのペクチン質の溶出率はpH4で最も低く, pH5以上およびpH3以下で溶出率が大となり, 前報6) のペクチンの分解率とpHの関係と同じ傾向を示した。
    3) 煮汁中のベクチン質はpH6以上で, トランスエリミネーションによる分解を示すチオバルビツール酸反応が明らかに陽性となった。
    以上のことから, 野菜を中性, アルカリ性で煮たとき軟化するのは, ペクチンがトランスエリミネーションにより分解し溶出するためであるが, 弱酸性で軟化するのは, ペクチンが加水分解および脱塩等により溶出するためであると考えられる。
    野菜を0.035Mシュウ酸ナトリウム溶液で98℃1時間抽出をくりかえして, ほとんどすべてのペクチン質を溶出させたとき, だいこん, にんじんは煮くずれを起こしたが, れんこん, ごぼうはある程度の硬さを保持していた。れんこん, ごぼうがだいこん, にんじんに比べて煮て柔らかくなりにくい, あるいは煮くずれしにくいのは, より強固な組織構造を持っているか, 細胞の接着にペクチン質以外の物質が関与しているか, ペクチン質が共有結合その他の結合で他の細胞壁物と結合して不溶性化しているためであろう。
  • 鈴木 和春, 菅家 祐輔, 五島 孜郎
    1983 年 36 巻 4 号 p. 225-230
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    鉄欠乏食下での生体内鉄 (Fe), 銅 (Cu), 亜鉛 (Zn), カルシウム (Ca), マグネシウム (Mg), ナトリウム (Na), カリウム (K) 含量に及ぼす経口避妊薬 (OCS) 投与の影響を調べるために, 雌ラットを用い2か月間飼育した。その結果は, 鉄欠乏食単独給餌により血中Hb値は極度に低下し, 脳を除く臓器中Fe濃度も減少した。さらに, 肝中Cu, 脾臓中Mg, K, 子宮Caの上昇と脾臓中Ca, Naの減少を示した。また, OCS剤の単独投与により肝臓Na, Caと脾臓Fe, 腎臓m, 脳Mgの上昇が見られ, 腎臓のFeの減少を見た。
    鉄欠乏下でOCS剤を投与すると鉄欠乏により惹起された肝臓, 心臓, 脾臓のCa濃度変化が多少軽減されたが, それ以外に鉄欠乏性貧血単独の変化を変更する結果は得られなかった。
  • 鈴木 和春, 五島 孜郎, 菅家 祐輔, 北野 隆雄, 小石 秀夫
    1983 年 36 巻 4 号 p. 231-237
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    福祉施設で生活をともにしている男女児について, 実験I, IIを行なった。実験Iは日常食摂取下におけるZn, Cuの出納を観察した。実験IIでは, 食事中のタンパク質レベルを変えたときのFe, Zn, Cu出納の変化について観察した。
    その期間は実験Iで昭和53年7月中の3日間と実験IIでは同年10月の6日間である。
    1) 実験Iでは日常食摂取下で, Zn, Cuともいずれも男女児の平均値でみるかぎり正の体内保留を示した。またZnの必要量は体重kg当たり236.7μgであり, Cuは30.7μgであった。
    2) 実験IIでは, 食事中タンパク質レベルの変化により, ZnおよびCuの摂取量に影響をおよぼした。
  • 兼松 弘, 牛草 寿昭, 丸山 武紀, 新谷 勳, 松本 太郎
    1983 年 36 巻 4 号 p. 239-245
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    魚類40種 (海産魚28, 淡水魚12), 貝類18種, 頭足類5種, 甲殻類8種およびその他海産動物3種ならびに海藻について, 可食部に含まれるTocを高速液体クロマトグラフィーで分析, 検討した。
    1) 魚類では, 組織中総Toc含量は一般に淡水魚 (x: 1.22mg/100g) のほうが海産魚 (x: 0.66mg/100g) と比較して高水準であり, また10%以上の高脂肪含量のもの (x: 1.74mg/100g) は比較的高い値を示した。脂肪中含量では, 102.17~4.33 (x: 海産魚23.18, 淡水魚28.91) mg/100gと全般にさきの陸産動物体脂肪より高い値を示した。同族体組成では, ほとんどの魚種から非α-Tocを検出し, なかでも淡水魚4種, 海産魚2種からこれらを約10~30%検出した。
    2) 貝類および頭足類では, 組織中総Toc含量は頭足類 (x: 0.84mg/100g), 貝類 (x: 0.64mg/100g) とも海産魚とあまり大きな差はみられなかった。しかし脂肪中含量では貝類 (x: 62.35mg/100g), 頭足類 (x: 64.26mg/100g) とも魚類より高水準を示した。同族体組成ではほとんどの種類から非α-Tocを検出し, なかでも貝類の4種から10%以上のこれらを検出したが, 頭足類からβ-およびδ-Tocは検出しなかった。
    3) うには卵巣も含むため組織中総Toc含量がもっとも高い値を示し, また甲殻類の組織中および脂肪中総Toc含量は平均1.98および190.22mg/100gと魚, 貝および頭足類より高含量を示した。同族体組成では, いずれも非α-Tocを検出し, なかでもざりがにからこれらを約15%検出した。
    4) 海藻の藻体中および脂肪中総Toc含量はそれぞれ平均0.23, 84.29mg/100gを示し, 藻体中含量は比較的低い水準を示したが, ひじきでは0.91, 455.00mg/100gとその他より著しく高い値を示した。同族体組成では, こんぶ以外から10~70%の非α-Tocを検出し, とくにもずくでは30%以上のα-, γ-およびδ-Tocを示した。なおどの海藻からもβ-Tocは検出しなかった。
  • 八尋 政利, 深沢 仁, 近藤 敏
    1983 年 36 巻 4 号 p. 247-253
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    トリグリセリド2位結合パルミチン酸含量の高いラードを主体とした配合脂肪Aとステアリン酸, パルミチン酸の含量を下げ, ラウリン酸を高くした配合脂肪Bの脂肪の出納比較および脂肪とミネラル出納との関連性について幼若ラットを用いて検討した。
    1) 総脂肪の出納結果は両群とも良好で差を認めなかった。
    2) 各脂肪酸については脂肪酸の炭素数, 2重結合の数によって差があり, 炭素数が短いほど, 2重結合の数が多いほど吸収性はよい傾向が認められた。
    3) 吸収性の悪い長鎖飽和脂肪酸のうち, とくにステアリン酸はその量を低減することによって脂肪吸収時の負荷を下げ吸収率を向上しうることが示唆された。
    4) 脂肪酸の排泄形態から吸収性の悪い脂肪酸ほどケン化脂肪酸としての排泄が多く, 飼料A群のケン化ステアリン酸は飼料B群よりも有意に多かった。
    5) Ca, Mgの吸収は飼料B群のほうがよかった。この吸収性の差は糞便中のCa, Mgの排泄量とケン化型のパルミチン酸, ステアリン酸の量の間に高い相関が認められたことからCa, Mgの吸収時に難吸収性の石鹸を形成することに起因すると推定された。
  • 田原 靖昭
    1983 年 36 巻 4 号 p. 255-263
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    全寮生活を営む18~19歳の男子20名について, 1980年の冬 (2月) と夏 (7月) の2回身体組織別 (EBM, FTM) の産熱量を基礎代謝および寒冷暴露時に推算した。得られた結果の概要は次のとおりである。
    1) 基礎代謝値は冬1,605.7±175.2kcal/day>夏1,456.1±101.6kcal/dayと冬季に高く, 季節変動は10.3%を示した。
    2) 寒冷暴露時の産熱量は冬1,664.0±157.0kcal/day<夏1,715.1±142.9と冬低く, 夏高い季節変動 (4.2%) を示した。
    3) 基礎代謝から寒冷暴露による産熱量 (kcal/day) の増加率は冬季で3.6%, 夏季で17.8%で夏季に大であった。
    4) 身体組成別産熱量の推定は回帰分析法と連立方程式法で似かよった値が得られ, 除脂肪組織では回帰分析法による値で基礎代謝の冬季で26.59kcal/kg/day, 夏季に23.80kcal/kg/dayで冬季に高かった。寒冷暴露時では, 冬<夏の傾向を示した. また基礎代謝から寒冷暴露時への増加率は冬季よりも夏季に大であった。
    脂肪組織重量当たりの産熱量は, 基礎代謝で冬季32.00kcal, 夏季37.16で夏季に高く, 寒冷暴露時では冬季28.24, 夏季35.84で夏季に高かった。
    5) 実測総産熱量に占める全脂肪組織産熱量の割合は基礎代謝の冬季で12.14%, 夏季で14.76%であり, 寒冷暴露時の冬季で10.56%, 夏季で12.20%で冬, 夏とも基礎代謝時よりも低かった。
    6) 個人の除脂肪組織重量当たり産熱量 (a), 除脂肪組織重量当たり産熱量 (b) は, その身体組成 (EBMおよびFTM) の重量が大なるほど小さくなる傾向を示した。
  • 藤田 修三, 不破 英次
    1983 年 36 巻 4 号 p. 265-271
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    食物繊維を供給する食品である, コンブおよびシイタケを含む食餌をラットに, ペアードフィーディングで, 8日間与え, 消化酵素活性と, 消化機能におよぼす影響を検討した。また, それら食品の消化管内での形態観察をSEMで行なった。その結果,
    1) 膵臓中のα-アミラーゼの総活性は, コントロール食群と比較して, コンブ食群では同様の活性, シイタケ食群では約2倍上昇した。プロテアーゼ総活性は, 両実験食群とも上昇した。
    2) 小腸粘膜中の糖類水解酵素活性について, シュクラーゼ, ラクターゼ総活性は, コンブ食を与えることにより上昇した。“グルコアミラーゼ”総活性は, シイタヶ食を与えることにより低下し, 一方, マルターゼ, イソマルターゼ総活性は, ともに実験材料に影響されなかった。
    3) 実験材料の消化管内でのSEMによる形態観察より, いずれも消化管通過に伴い, 徐々にその形態が崩れていくようすが観察された。
    以上より, コンブおよびシイタケは, 同じ食物繊維を含む食品ではあるが, それらの性質により, 消化酵素活性に異なった影響を与えることがわかった。
  • 菊地 武夫, 岡本 博夫, 大堀 昭子, 石川 喜代子
    1983 年 36 巻 4 号 p. 273-281
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    鉄, 亜鉛, 銅, ヨウ素の各元素が欠乏した飼料を1.5%L-ヒスチジン水とともに9週間摂取させ, 微量元素欠乏モデルラットとした。このラットに微量元素欠乏飼料 (A群), 微量元素不含の完全静脈栄養輸液 (B群), あるいは鉄, 亜鉛, 銅およぴヨウ素を添加した完全静脈栄養輸液 (C群) を1週間投与し, ラットの体重変化, 窒素出納, 血液性状, 組織検査および創傷治癒成績から微量元素補給効果を評価した。なお対照として市販の固型飼料を摂取させた同週齢のラット (D群) を設け, 比較検討し次の結果を得た。
    (1) 体重, 窒素出納には微量元素添加の効果を見いだせなかった.
    (2) 血漿中鉄, 亜鉛, 銅, タンパク結合ヨウ素濃度はD群に比べてB群で低値を示し, C群で回復した。
    (3) 亜鉛酵素であるalkaline phosphataseはD群に比しA, B, C群で低値を示し, とくにB群でその低下が著明であった。Hb値, Hct値はD群に比べてA, B群では低値を示したが, C群では正常値に復す傾向を認めた。
    (4) A, B群の大腿骨組織で骨髄に低形成が認められ, C群では回復した。一方, C群において脾臓に髄外造血像を認めた。
    (5) 創傷治癒過程はD群に比べてA, B群で遅延, C群でそれが回復する傾向にあった。
    以上より, 潜在的あるいは顕在的微量元素の欠乏状態にあるラットに微量元素不含の完全静脈栄養法を施行すると欠乏症状がいっそう助長され, 一方, 鉄, 亜鉛, 銅およびヨウ素を含有する栄養輸液によりこれらの症状は予防, 回復することが明らかとなった。
  • 谷澤 久之, 佐塚 泰之, 小松-芹田 明子, 滝野 吉雄
    1983 年 36 巻 4 号 p. 283-289
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    米酢は米よりつくる醸造酢の一種であり, 単なる食用酢としてではなく, 東洋では民間薬として健康維持に役立ってきた歴史を持っている。著者らは, マウスを用い急性毒性と脂質代謝に及ぼす影響を検討した。その結果, 1) マウスでの急性毒性は21.5ml/kg (p. o.) でその死因は含有する酢酸による上部消化管に対する障害作用に基づくことが認められた。2) 通常食および高コレステロール食で飼育したマウスの血清コレステロール値を米酢は 2.5ml/kg (p. o.) 以上で低下させた。また, 4%酢酸水溶液でも, ほぼ同様の効果が認められた。3) 抗生物質アドリアマイシソによる心臓中の過酸化脂質 (LPO) 上昇に対し, 米酢は2.5ml/kg (p. o.) で抑制した。また, 正常マウス心臓中のLPOも5ml/kg (p. o.) 以上で低下させた。一方, 4%酢酸水溶液のこれらLPOに対する作用は弱いものだった。
  • 福井 尚之, 蔵重 由美子
    1983 年 36 巻 4 号 p. 291-294
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    ゲルマニウム, セレン, マンガンの1日当たりの摂取量を知るために, 宇部短期大学の集団給食弁当を27回にわたって分析した結果以下のことがわかった。
    1) ゲルマニウムの摂取量は10μg/dayと推定された。
    2) セレンの摂取量は304μg/dayと推定された。
    3) マンガンの摂取量は3.2mg/dayと推定された。
  • 渕上 倫子
    1983 年 36 巻 4 号 p. 294-298
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/03/25
    ジャーナル フリー
    酸性溶液中でペクチン質を加熱したとき, メチルエステルを含むベクチンと含まないペクチン酸の分解の差異を検討した結果, 次のような知見を得た。
    1) ペクチンはpH4で最も分解しにくく, pH5以上で急速にトランスエリミネーションにより分解する。pH1~3では加水分解による分解が認められた。
    2) ベクチン酸はpH5以上では加熱による分解を起こしにくく, pH4以下で加水分解により分解し, その速度はpHが下がるほど早い。また, メチルエステル化したベクチンと比較した場合, ベクチン酸のほうが分解速度が早い。これは非解離のカルボキシル基の分子内接触反応が影響しているためであると思われる。
    3) 酸不溶性ペクチン酸もそれをメチルエステル化したものに比べて速かに分解した。酸可溶性ペクチン酸は酸性溶液中で酸不溶性ペクチン酸より速やかに分解した。
    4) ペクチンを98℃30分加熱すると, pH2~5ではメチル基の脱離は起こらず, pH5.5でけん化が起きるようになり, pH7では約70%のけん化が認められた。pH1.2でも約28%メチル基の脱離が起こった。
  • 飯島 潤一, 田島 眞, 福島 秀夫
    1983 年 36 巻 4 号 p. 299-301
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    The Wassner's method (1980) for determination of Nτ-methylhistidine (τ-Meh) was revised. This method was applied to analyse τ-Meh in rat plasma and urine.
    Human plasma and urine were deproteinized with sulfosalicilic acid. Further hydrolysis (with 6N HCl, 100°C for 1 hr) was necessary in rat plasma and urine. Fluorescamine was added to the deproteinized samples and heated with perchloric acid according to the method of Nakamura and Pisano (1976). Reaction mixture (25-100 μl) was injected into HPLC equipped with Zorbax BP-ODS column (∅ 4 mm x 25 cm) and fluorometer. Solvent was 27% acetonitril-10 mM phosphate buffer, pH 7.5. Only two peaks of histidine and τ-Meh was detected. τ-Meh was eluted within 10 min. Regeneration of the column was not necessary. Linearity in standard curve from 33 pmol to 8.5 nmol of τ-Meh was observed. The sensitivity and separation were enough to estimate τ-Meh level in plasma and urine.
  • 奥 恒行, 藤田 温彦, 細谷 憲政
    1983 年 36 巻 4 号 p. 301-303
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    Eight healthy subjects (average age 27. 5 years old) were orally administered 200 ml of the control solution (containing 50 g of glucose) or the test solutions (containing 50 g of glucose and 5 g of glucomannan or cellulose), and compared with the suppressive effect on the enhancement of blood glucose level.
    Glucomannan delayed the intestinal absorption of glucose and could significantly suppress the maximal level of blood glucose, but cellulose could not. Addition of pullulan of 5 or 10 g to glucose solution also did not show the suppressive effect on blood glucose level.
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