日本栄養・食糧学会誌
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57 巻, 4 号
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  • 根元 智子, 松崎 広志, 増山 律子, 上原 万里子, 鈴木 和春
    2004 年 57 巻 4 号 p. 167-172
    発行日: 2004/08/10
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    窒素 (N) 出納に及ぼすマグネシウム (Mg) 欠乏食投与の影響について検討を行った。被験動物として4週齢 Wistar 系雄ラットを用い, 正常食投与群とMg欠乏食投与群の2群に分け飼育観察を行った。飼育開始後42日目においてMg欠乏食投与により最終体重, 体重増加量および飼料効率の有意な低下がみられた。Mg欠乏食投与ラットにおいて血清中Mg濃度, 見かけのMg吸収量およびMgの体内保留量は飼育開始後14および42日目に有意に低下した。Mg欠乏食投与による見かけのN吸収量への影響はみられなかったが, 飼育開始後14および42日目において尿中N排泄量の有意な増加, Nの体内保留量の有意な低下が観察された。また飼育開始後14および42日目において, Mg欠乏食投与により血清中総タンパク質濃度は有意な低下を示した。本実験の結果から, Mg欠乏食を投与することによりタンパク質利用の低下が引き起こされることが示唆された。
  • 石井 智美, 鮫島 邦彦
    2004 年 57 巻 4 号 p. 173-178
    発行日: 2004/08/10
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    モンゴル遊牧民の食は, 家畜由来の乳・肉に依存する割合が高く, 野菜の摂取がほとんどない。連続した雪害は家畜に大きな被害を与えた。雪害が食に及ぼした影響を検討するため, 1997年に調査を行った世帯と同一の世帯で, 食に関する調査を行った。その結果, 夫のエネルギー摂取量は1997年夏季で平均2,191±589kcal, 2002年夏季で平均2,108±618kcalと, 顕著な差はなかったが, 2002年夏季では雪害前に比べ乳製品の摂取量, 種類が減少し, 小麦粉を使った料理が多くなっていた。小麦粉の消費量は雪害以前より3倍に増加していた。夏季のエネルギー摂取量の半分近くを賄っていた馬乳酒の飲用もなかった。この馬乳酒から充分な量のビタミンCを摂取していたことが明らかになった。自家製乳製品は各種微量成分が豊富であった。乳製品の摂取不足が続くことで健康に影響の出る可能性が考えられた。近代化の波が押し寄せる草原で, 遊牧民の食は大きな岐路に立っている。
  • 栄養・食生活改善活動の実施計画と評価
    境 道子
    2004 年 57 巻 4 号 p. 179-182
    発行日: 2004/08/10
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    福島県の西北部の山間部に位置する西会津町 (人口, 9,268名, 高齢化率35.5%-平成14年度-) で, 平成5年から12年の7年間の栄養・食生活改善活動の計画・実施・評価についての報告である。計画は, 平成4年, 5年の健康調査, 食生活調査の分析をもとに, 町の健康づくり施策と組織が作られた。栄養改善活動は, 保健センターに所属する管理栄養士が中心となって進行した。脳血管疾患の高い罹患率などの要因である高い食塩摂取の食事内容の改善を推進するために, 食生活改善推進員の育成を目標に, 健康・栄養・食生活に関する知識と調理技術を取得し, それぞれの家庭や近隣で実践し, 地域活動に広げていった。町全体の健康づくりの諸事業に連動することによって, 町民は, 食生活改善の必要性を認識し取り組んでいる。町の健康づくり活動は, 脳血管死亡率の減少が, 平均寿命の伸延につながり, その一つの要因として平成11年と5年の食生活調査の比較から栄養素摂取の過不足の改善が貢献していると評価している。
  • 2004 年 57 巻 4 号 p. 214
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
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