増濕,減濕あるいは冷水操作のごとく熱と物質の同時移動が起る場合の計算法については,近年に至つて專らエンタルピ差を用いる方法が採用されている。しかしながらこの方法はLewisの法則の成立,熱収支の近似等々の諸假定を含んで居り,一般の場合には勿論の事空氣-水系の場合でも,その操作條件の如何によつてはかなりの誤差を導入する場合がある。
本報告はこれらの場合の一層一般的な方法として,從來なされた諸種の假定を取除いて,これを数種の図表によつて計算する図式解法を提案するものである。本法は從來の方法と比較して多少の煩雑さはあるが,より広い適応性をもつことと,設計々算あるいは解析計算においてより精確なる結果をあたえるものと考える。
抄録全体を表示