液液界面の物質移動に伴う界面攪乱は, 物質移動速度を促進し, その強さは主に溶質濃度と液物性に依存することが知られている。一般に非定常の場合には, 攪乱は接触初期に最も顕著であり, 接触時間の経過とともに徐々に減衰する。本研究では攪乱の移動促進効果に対するモデルを提出し, その発生から消滅までの効果を記述した。攪乱は界面近傍に発生するが, 物質移動速度を支配しているのは界面近傍であるから, 本モデルでは攪乱は見掛上溶質の拡散能を増大させると仮定して, 次式で表わされる有効拡散係数を導入した。
D=
D0[1+
pexp(+
t2/τ
2)]
ここで
pは接触初期の移動促進効果であり, τはその減衰時間を表わす特性時間である。
本モデルを3種類の既報の実験データに適用した結果, 移動速度の推移を充分に表現できることが判明した。
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