回転する樟脳球の昇華速度について物質移動係数の測定を行なった。測定結果には回転軸に平行および直角方向の二つの気流に対して著しい差異がみられた。これらの二つの流れのバターンの相違は明らかに回転の2次流にたいする気流による加速ないし減速によって生ずる境界層内のこれらの流れにたいして, 前方岐点付近では二つの流量関数の加成近似が成立するものとして, それぞれの場合に物質移動を左右する速度分布を求めた。この成分を用いて, 局所物質移動速度に対する相似性の解析を行ない, シャーウッド数
Shr, 気流レイノルズ数
Re0および (
rω/
μ0)
3/2などの項よりなる無次元相関式を二つの気流方向に対して得た。これらの相関より, 実測の球全体に対する物質移動速度の表現式を導き, 確かめた。直角気流の場合 (
rω/
μ0)
2/3=3.55に
Shr/
Re01/2の極小値を見出した。ここでrは球半径, ω は角速度, さらに鞠は気流速度あろ。
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