環境科学会誌
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8 巻, 1 号
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  • 高山 友英, 橋本 伸哉, 東海 正, 大槻 晃
    1995 年 8 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー

    東京湾内湾部において,1993年4月16日に捕獲した魚類及び甲殼類中のトリブチルスズ(TBT)化合物,トリフェニルスズ(TPT)化合物,そのジ体(DBT,DPT)及びモノ体(MBT・MPT)をガスクロマトグラフ炎光光度検出器(GC-FPD)により分析したTBT及びTPTの濃度範囲はそれぞれ,甲殼類からは16~56(平均29),5~50(平均26)ng塩化物/g(湿重量)(以下ppbと略す)で,魚類筋肉からは6~423(平均90),20~146(平均54)ppbで魚類肝臓からは<3~245(平均110),<3~388(平均132)ppbであった。この測定結果から小型甲殼類から魚類に至るまでの広い生物層が有機スズ化合物により汚染されていることが示された。また,TBT及びTPT濃度は,甲殼類,魚類筋肉,魚類肝臓の順にやや高くなる傾向がみられた。試料中の有機スズ化合物の濃度からTBT/(TBT+DBT+MBT,以下BTsと略す)及びTPT/(TPT+DPT+MPT,以下PTsと略す)を計算した。TBT/BTs及びTPT/PTsはそれぞれ,甲殼類試料では,15~73(平均43)%,15~82(平均60)%で,魚類の筋肉試料では,39~89(平均65)%,44~100(平均72)%で,魚類肝臓試料で0~70(平均34)%,56~100(平均80)%であった。魚類の筋肉試料と肝臓試料のTBT/BTs値の比を魚種別に計算すると1.15~6.38(平均2.39)となり,TPT/PTsでは0.51~1.26(平均0.94)となった。以上の結果から,魚類の肝臓中でTBTは比較的代謝され易いが,TPTは代謝され難いことが示唆された。
  • 中森 義輝, 岩本 直子, 内藤 正明
    1995 年 8 巻 1 号 p. 11-24
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     住民による環境の主観評価構造をショケ積分モデルを用いて分析する。ショケ積分はルベーグ積分を拡張した積分法であり,重みに加法性が成り立たない場合の評価モデルとして利用することができる。ファジィ測度で表される複合評価項目の重みを直接同定し,個別評価項目間の相互作用を陽に表現して総合評価モデルを構成する。データは東京都環境保全局が平成3年2月に実施した「第2回東京都生活環境選好度調査」を用い,凸2次計画問題を解いてファジィ測度を同定する。分析の目的は,想定した総合評価モデルの枠組みという制限の中で,「環境評価における地域の個性」と「個別評価項目間の相互作用」を明らかにすることである。また,順序尺度で与えられるデータの取り扱い,同定されたファジィ測度で表現される個別及び複合評価項目の重みの解釈について議論する。分析の結果,単独の個別評価項目の重みは無視できるほど小さいが,地域の特徴に依存する2ないし3の項目を同時に考慮すれば,総合評価値のほとんどが説明できることが明らかになった。
  • ―乾性沈着と溶脱の分別評価法の検討―
    小林 橲樹, 中川 吉弘, 玉置 元則, 平木 隆年, 正賀 充
    1995 年 8 巻 1 号 p. 25-34
    発行日: 1995年
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー

    森林地域において樹冠通過雨(森林雨,樹幹流)の測定は広く行われているが,そのデータから乾性沈着と溶脱を分別評価する方法は確立されていない。本研究では神戸市の森林地域における樹冠通過雨の測定と物質収支モデルからSO42-を非溶脱物質としてそれらを簡潔に評価する方法について検討した。そして,樹冠における乾性沈着及び溶脱を評価する上で本法が有効であることを示したうえで,次のことを明らかにした。
    樹冠に対する乾性沈着量は森林裸地への沈着量に比べかなり大きな値を示した。成分ではSO42-,Cl-,NO3-,Na+,Ca2+などの乾性沈着量が多く,樹種別ではスギ林に対する沈着量が最も多かった。スギの林内に持ち込まれる酸性沈着は林外に比べおよそ3倍に達した。本法による測定値を文献値と比較したところ,代理表面法によるものに比べかなり大きな値を示したが,モデル式を用いたものとは比較的一致した。
    モデル式による算定の結果,K+,Mn,Mg2+,Ca2+は樹冠から溶脱していることが示され,その溶脱測度は成分別ではK=>Mn,Mg2+Ca2+,樹種別ではコナラ>スギ>ヒノキの順であった。これらの結果は樹木葉を用いた溶脱実験ともよく一致した。一方,H+,NH4+,Zn,Cu,Pbは樹冠に吸着していることが示され,その吸着量は当量比でH+>NH4+>Zn>Pb>Cuの順であった。
    Mn,Mg2+,Ca2+の溶脱量についてはH+沈着量との間に有意な相関関係が認められ,酸性沈着の樹冠への負荷が森林生態系の物質循環に影響を及ぼしていることが示唆された。
    以上のように,林外雨のデータだけでは酸性沈着を正確に評価できないことから,森林地域については樹冠通過雨の測定と物質収支モデルによりそれらを把握することが必要である。
  • 古明地 哲人, 青木 一幸, 朝来野 国彦, 門井 守夫, 坂本 和彦
    1995 年 8 巻 1 号 p. 35-46
    発行日: 1995年
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
     屋外で建築材料等に最も多く使用されている鋼材について,百葉箱内(屋内)での大気暴露実験,屋外での大気暴露実験を同時に実施して,屋内での鋼の大気腐食特性を調査した。 屋内の腐食特性は降水の影響は直接受けることがないため,屋外と比較して大気汚染物質測定値とより密接な関係を有しており,大気汚染項目の測定結果から導いた重回帰式により求めた1年暴露の腐食速度は実測値とよく一致した。 多年数暴露の屋内の鋼の腐食は暴露開始直後の2,3年までは屋外よりも腐食速度は低いが,その後は屋外暴露の腐食速度と殆ど同程度の腐食速度を示し,鋼の腐食は屋内でも'かなり速いことが分かった。この結果から屋内で使用されている鋼材については,長期の腐食対策が重要であることが示唆された。
  • 和田 安彦, 三浦 浩之, 中野 加都子
    1995 年 8 巻 1 号 p. 47-58
    発行日: 1995年
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
  • 新藤 純子, Arnold K BREGT, 袴田 共之
    1995 年 8 巻 1 号 p. 59-69
    発行日: 1995年
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
  • 熱帯低湿地土壌の劣化
    久馬 一剛
    1995 年 8 巻 1 号 p. 71-79
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 乾燥・半乾燥地帯における土壌劣化と砂漠化
    松本 聰
    1995 年 8 巻 1 号 p. 81-92
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 土壌侵食による生産機能の劣化と環境影響
    佐久間 敏雄
    1995 年 8 巻 1 号 p. 93-102
    発行日: 1995年
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
  • わが国における土壌劣化現象
    大塚 紘雄
    1995 年 8 巻 1 号 p. 103-110
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
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