雑草研究
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1968 巻, 7 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
  • 林 一六, 沼田 真
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 1-11
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 草下 正夫
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 12-16
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 飯泉 茂
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 17-21
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 宮原 益次
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 22-28
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 健次, 井之上 準, 古屋 忠彦
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 29-34
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    1. 新作物導入の目的で試作を行なつているエジプトのC. esculentus L. とC. rotundus L. の個生態の比較を行なつた。
    2. C. rotundus L. が草丈25-30cmで非常に散生するのに対し, C. esculentus L. は草丈70-100cmで叢生し, 株状を呈する。
    3. C. rotundus L. のtuberはshootの葉鞘部基部が肥大したものであるのに対し, C. esculentus L. のtuberはshootの基部より細い地下茎を出し, その先端に形成される。
    4. C. rotundus L. のtuberは殆んど100%越冬するのに対し, C. esculentus L. では長型が10%, 丸型は2%が越冬した。
    5. アメリカではC. esculentus L. はC. rotundus L. と同様, 永年生の有害雑草として報告されているが, この実験の範囲内ではエジプトからの導入種には雑草から栽培種への分化がうかがわれ, 雑草化の危険性は殆んどないようである。 なおこの導入種にもtuberの長型のものと丸型のものがあり, その両者間でも個生態が若干異なつたことから, C. esculentus L. にはいろいろな型があつて, アメリカで有害雑草として報告されているC. esculentus L. は, ここで供試したC. esculentus L. とはやや異なつた型のものではないかと考えられた。
  • 佐々木 亨, 山崎 慎一
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 34-37
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    (1) カラスビシャクの球茎には種々の大きさのものがあるが, その大小によりageに差のあることが推定された。
    (2) 球茎の出芽は平均気温が13℃となる5月初めに始まり, 5月中には全部のものが出芽した。 出芽前における球茎各部位の伸長は4月中旬頃から始まることが認められた。
    (3) 球茎から抽出する葉は, 球茎の大小によつて形態が異なり, 球茎が小さいものは単葉であるが, 球茎が肥大生長するにつれて, 単葉から同大の三小葉を着生する個体へと変化する。
    (4) 球茎の発生深度は, 一般の畑地においては最も深いもので9.5cm, 最も浅いもので0.3cm, 平均5cmであつた。 また, 球茎を5cmと20cmの深度に植付けた場合, 5cm区では発生は順調であつたが, 20cm区では発生は極めて困難であつた。
    (5) 球茎の生育による肥大は, 球茎が小さいものほど肥大の程度が著しい。 しかし珠芽の着生数は, 球茎の大小を問わず, 1球茎当り2.5-3.5個であつた。
    (6) 球茎はどの部分で切断しても発芽再生してくる。 ただし幼芽の着生部分を切除した場合には発生が著しく阻害される。
    (7) 珠芽は親株の葉柄に付着していてまだ緑色を帯びている状態のものでも発芽能力をもつている。 また, 花茎に形成される液果も, 土壌に播種された場合その半数は直ちに発芽し, 秋までに小さな球茎に肥大する。
  • 植木 邦和, 山末 祐二
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 38-41
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    (1) 本研究は, 宿根性雑草ハマスゲの防除に関する基礎研究の一環として, ハマスゲ塊茎の発芽に対する除草剤EPTCの作用性を明らかにしようとしたものである。
    (2) EPTCは塊茎に対して著しい発芽抑制効果を示すが, 塊茎自身を死滅させることなく, 休眠状態を誘起させ, また, この休眠は, GA3の添加によつて打破できる。
    (3) 塊茎の発芽過程における呼吸活性の変化および炭水化物の消長は, EPTCを処理することによつて, 著しく緩慢となる。
    (4) ハマスゲ塊茎に対するEPTCの作用機作の一つとして, 発芽過程におけるgibberellin生合成阻害が考えられる。
  • 橋爪 厚, 山岸 淳, 武市 義雄, 五十嵐 暁三
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 41-46
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    水稲生育期におけるミズガヤツリの防除法について種々の除草剤を供試し, 除草効果および水稲に対する影響について検討した。
    (1) 除草効果が大きく, 水稲に対する影響の小さい除草剤はDBN, DBN+AM (MCPまたはMCPP), DMP, BN-115 〔DCBN+CPH(2-methyl-4-chlorophenoxyacetohydrazide)〕, SAP (O, O-diisopropyl-2 (benzenesulfamidoethyl) dithiophosphate), SAP-prometryne, SAP+MCPP, およびHE-314であつた。
    (2) これらの薬剤は一般にミズガヤツリの3葉期 (田植後10-15日) が処理の適期であるが, DBN+AM, SAP+MCPPはミズガヤツリの増殖初期 (田植後15-20日) でも極めて高い除草効果が認められた。 しかしHE-314はミズガヤツリの出芽期 (田植後4-7日) が処理の適期で, これらの薬剤の中では処理の適期幅が最も短かつた。
  • 中山 治彦
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 46-49
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    In the previous report the author pointed out that the number of roots on both nodes, coleoptile and the first leaf, in barnyardgrass (Echinochloa crusgalli) was clearly less than those of rice plants.
    Present report is an anatomical survey on the leaf blade and leaf sheath in barnyardgrass seedlings. Some distinguishing traits even in these aerial parts were observed. Obtained results were as follows:
  • 水稲の生育, 収量並びに生態条件に及ぼすタイヌビエの影響
    野田 健児, 小沢 啓男, 茨木 和典
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 49-54
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    1965・1966の両年において, 移植水稲とタイヌビエとの競争関係におけるタイヌビエの発生本数による水稲収量, 収量構成要素, 並びに2, 3水稲の生態生理的条件への影響を観察した。 結果の要旨は以下のごとくである。
    1. 草丈にたいする影響はほとんどないが, とくにタイヌビエの発生の多い区では, 生育中期に伸長促進的傾向がみられる。 他方, 茎数への影響は顕著であり, とくに生育中期からの水稲茎数の減少が目立つている。 これが最終の穂数に影響してくる。
    2. 水稲収量への影響は, ヒエの発生の多いほど著しく, 収量指数と発生本数との関係は, 発生本数の増加にともなつて, 収量減少速度の漸増する曲線として示される。 これは多肥>少肥, 栽植密度では疎>中>密の傾向である。
    3. 水稲収量とヒエの全生産重量との関係は, logY=a-bX式 (Y: 収量指数, X: ヒエの重量, abは常数) として表現され, 実験式は肥料, 水稲の栽植密度を捨象して算出される。 しかし, 年次による差は除くことが出来なかつた。
    4. ヒエとの競争による水稲収量の減少に関与する収量構成要素の関与率は, 大きいものからあげると, 穂数・稔実粒重・一穂小穂数・稔実率の順である。
    5. 水稲・ヒエの混合群落において, 水稲の生理生態的条件の変化としては, 生産構造の量的低下, LAIの減少, 同化, 非同化部分の量的発達の低下, 生育中期の葉片部のN含量の低下などがみられた。
    6. チッソの吸収過程は水稲とタイヌビエでは異なつており, 水稲は早く最高値に達するのに反して, ヒエでは後まで吸収しつづける。 従つてチッソ吸収についての両植物の競争関係は生育前半期までが大きいと考察された。
  • 酒寄 健治
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 55-58
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    This experiment was carried out for the purpose of finding out the activity of some contact herbicide mixture and their effect on mulberry-tree from 1964 to 1965. Atratone, sodium cyanate, propanil (DCPA) and a mixture of the last two were examined.
    A mixture of sodium cyanate and propanil was superior to the others and propanil was inferior. Atratone and propanil slightly injured one-year-old mulberry-tree, but the mixture of sodium cyanate and propanil did not. Sodium cyanate accelerated growth of top and root of mulberry plant.
  • 第1報 MCCおよび関連化合物の殺草性およびイネに対する作用
    河村 雄司, 石田 精一, 小野 騏一
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 58-64
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    本研究は, MCCの作用特性を明らかにするための基礎資料を得る目的で, MCC類縁化合物とMCCの殺草性の比較およびイネにおよぼすMCCの影響について, いくつかの実験を行なつたものである。
    1. MCCのイネ, ヒエに対する種子根の伸長阻害力は, CIPCの数十分の一以下である。
    2. 置換N-phenylcarbamatesの3,4-Cl置換体では, メチルエステル (MCC) が最大の活性 (殺草力) を示すが, イソプロピルエステルは活性が非常に小さい。 3-Cl置換体のメチルエステルは, イソプロピルエステル, エチルエステルに比較して, 活性ははるかに小さい。
    3. 供試17化合物中, 土壌処理効果と雑草処理効果を合わせもつのはMCCのみであつた。
    4. 根系処理 (水耕法) でも, 茎葉処理と同様に, 1葉期のイネは最も影響が小さく, 2-3葉期の間のイネが最も影響が大きかつた。
    5. MCCとカーバメート系殺虫剤NACを同時に根系処理すると, イネに対する影響は明らかに相乗的に増大するが, この相乗効果はDCPAの場合より小さい。 また, CIPCとNACとの間には相乗作用が認められない。
    6. 種子処理の場合にはMCCとNACの相乗効果は現われなかつた。
  • 荒井 正雄, 古谷 勝司
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 64-68
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    水稲の乾田直播栽培の乾田期間・畑苗代および畑稲の雑草防除に極めて有効な除草剤MCCの土壌処理における適切な処理方法を明らかにするために, 発芽時地下部処理におけるタイヌビエ・水稲間の選択殺草性を究明する数多くの実験を行ない, 次の知見が得られた。
    MCCの発芽時地下部処理における水稲・タイヌビエに対する殺草力は根部より幼芽部において著しく大きい。 したがつて殺草作用部位は根部にもあるが幼芽部の方がより大きい。 しかも, 殺草力は幼芽部・根部ともに水稲よりタイヌビエに対して大きく, タイヌビエ>水稲の選択殺草性程度は中~大である。
    この選択殺草性の発現部位が幼芽部にあるか根部にあるかという, いわゆる選択殺草性の発現作用部位は, 根部にもあるがその程度は小さく, 主として幼芽部にある。 しかも同じ幼芽部でも, 発芽直後の幼芽より, ある程度伸長した幼芽に処理した方が選択殺草性は顕著である。
    以上の関係から, MCCは稲を播種し, 1.5-3.0cmに覆土して後に, 土壌表面に処理するのが最も安全効果的な使用法である。
    さらに前報で明らかにしたように, 本剤は土壌処理効果とともに雑草処理効果も極めて大きく, 反面1葉展開以後の稲には薬害が大きいので, その処理時期は播種直後から稲の出芽期までであるが, 本研究によつてこの期間中における土壌処理の安全性を立証した。
  • 第1報 植物に対する作用
    後藤 宗玄, 吉田 義夫, 若森 〓熙
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 68-75
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    TDW-63, 39, 43の数種の植物に対する作用様式について検討した。
    (1) 茎葉処理作用は実用上期待出来ない。
    (2) 発芽抑制作用はTDW-63, 39, 43ともみとめられなかつた。
    (3) 根及び茎葉伸長抑制作用はみとめられ, その程度はイネ科植物 (稲, タイヌビエ)>広葉植物 (大根) であり, 部位別では, イネ科植物は処理部位にかかわらず茎葉部>根部, 広葉植物では根部>茎葉部の順に抑制が大きかつた。
    (4) イネ科植物の中で稲とタイヌビエとの選択性を伸長阻害率 (播種深度0cm) でみると, 根部についてはTDW-63, 39, 43とも稲とタイヌビエは同程度であつたが, 茎葉部ではTDW-63, 39は稲の方がタイヌビエより, TDW-43はタイヌビエの方が稲より阻害が大きかつた。
    (5) 種子の位置と処理層の関係をみると, TDW-63 39, 43とも茎葉部吸収条件の方が根部吸収条件より地上部生体重抑制が大きかつた。 さらに土壌表面処理した場合, 同じ播種深度にした場合でも, わずかの覆土により上述 (4) にかかわらずTDW-63, 39, 43の何れもイネ科雑草 (タイヌビエ, メヒシバ) に効き, 稲に薬害がなくなるという望ましい選択性がみられ, 播種深度がふかくなるにつれ選択性の幅は拡大された。
    (6) 準圃場条件における土壌処理選択性は, 水田では効果の大きい方からカヤツリグサ>タイヌビエ>広葉雑草であり, 畑でもイネ科雑草 (メヒシバ, ヒエ)>稲で, 選択性の幅は発生揃期処理がもつとも大きかつた。
  • 第2報 水稲に対する作用について
    後藤 宗玄, 吉田 義夫, 若森 〓熙
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 75-78
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    TDW-63, 39, 43の水稲への作用について検討した。
    (1) まず断根処理水稲の発根障害作用は極めてよわく, 50%発根阻害濃度は100ppm, 最低阻害濃度は25ppmで, 実用量を考慮しても, NIPの約11倍発根阻害の安全性が高いことが解つた。
    (2) 土壌混層処理層へ3葉期及び5葉期苗を移植した場合, TDW-43, TDW-39は実害なく, TDW-63は若苗の根部にやや影響が認められた。
    (3) 挿苗深度と薬害の関係について検討した結果, PCP, NIPは浅植で根部への影響が強いのに比べ, TDW-39, 43は浅植による影響は認められなかつた。
    (4) 稚苗の水深と薬害について検討した結果, TDW-39, 43は水深に関係なく薬害は認められず, TDW-63はNIPと逆にむしろ水が深い方が薬害は減少する傾向を示した。
    (5) TDW剤と殺虫, 殺菌剤との関係について畑苗代における生育初期の同時散布, 近接散布, 移植後水面施用剤との同時処理を実施したが, 有機燐系, カーバメート系, 塩素系殺虫剤, イモチ病防除剤などは何れもその混用によつて薬害助長は認められなかつた。
  • 白川 憲夫, 富岡 博実, 富樫 邦彦
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 78-83
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    トマト, ニンジン, ミツバ, イチゴに対して選択性をもつ除草剤CMMPについて, ほ場での散布適期および温室内試験による他薬剤との混合効果ならびに栽培条件とトマトのCMMP感受性との関係について検討した。
    (1) CMMPのメヒシバおよびカヤツリグサ優占地における処理適期は, メヒシバでは2葉期前後 (草たけ0.5-4cm), カヤツリグサでは1-2葉期 (草たけ0.5-1.2cm) であることを確認した。
    (2) CMMPの土壌処理効果は, ほ場では茎葉処理の場合における使用薬量でおよそ無処理区の60-70%程度除草できるが, diphenamid剤と比較すると残効性に乏しい。 なお土壌中での残効性は生物検定で20日程度と判断されるが, この結果は化学分析による検討結果とほぼ一致した。
    さらに土壌中では乾燥条件下でほとんど分解が認められないこと, 無処理土壌より滅菌土壌中のほうが分解は遅いこと, また陽光下よりしや光条件下のほうが分解が急速であることなどから, 土壌中では微生物による分解も十分推察される。
    (3) ジクワットとCMMPとの混合剤は適当な混合比 (たとえばCMMP 1に対しジクワット1/30を混合) により, トマトに実用上の害を与えず除草効果を著しく増大することを認めた。
    (4) トマトの施肥条件とCMMP感受性との関係を検討したところ, N欠, P欠でわずかにCMMPの作用が高まることを認めたが, K欠, Mg欠およびN多, P多, K多栽培条件下では全く影響が現われなかつた。
  • 第1報 作用特性について
    吉村 成芳, 川久保 克彦, 本間 豊邦
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 84-87
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    1) 3-(2-methyl phenoxy) pyridazineが水田状態, 畑状態いづれの場合にも高い除草活性を有するので, 除草剤としての作用特性について検討した。
    2) 土壌透過性は減水深, 土性のちがいによつてかなり変化するが, 残効性は長い。
    3) 除草効果は一般に発芽前処理で高く, 発芽後生育がすすむと低下する。
    4) イネ科, カヤツリグサ科雑草に対し特に効果が高いが, いくつかの広葉雑草にも効果的である。
    5) イネ科植物が極めて感受性であるのに対してユリ科, バラ科, マメ科, ナス科植物, 特にトマトは抵抗性である。
  • 白坂 進, 岩田 岩保
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 88-91
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    落花生畑におけるtrifluralin乳剤の土壌混和処理の作用性と, 薬剤の処理層を異にした場合の殺草性および土壌中の移動性を検討した結果,
    1) Trifluralin乳剤の散布から土壌混和までの時間は, 薬剤散布後2時間までの間に混和する場合は極めて高い。 しかし, 24時間後でも50%程度の抑草率を示す。
    2) また, 落花生に対する薬害も同様な傾向を示すが, 回復が早く, 収量に対する悪影響はなかつた。
    3) 薬剤の処理層と雑草の発生深度との関係は, 薬剤を土壌表面処理し, 雑草の播種深度をかえた場合, 雑草の発生深度が浅いほど, また雑草を表層播種とし, 薬剤の処理層をかえた場合は, 処理層が浅いほど殺草性は大きい。
    4) 陸稲に対する薬害は, 薬剤の処理層が播種位置の下層になる場合にもつとも発生しやすい。
    5) 土壌中の移動性の検定から, 土壌中におけるtrifluralin乳剤の移動拡散は上方移動のみでなく, 処理層がある程度深い場合は, 処理層を中心にその上下層に移動拡散することがわかつた。
  • 第1報 土壌の違いによる薬害発現様相の差異
    中沢 秋雄, 中山 兼徳, 小岩 武, 高橋 哲二
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 91-96
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    バイオアッセイ法により, 次の結果をえた。
    1. CAT, prometryneの薬害発現には, 降雨 (灌水) が大きな因子となり, 多雨 (湿潤) 条件下で薬害が大きい。
    2. 成熟した火山灰土 (A層) における薬害は沖積土でのものよりやや小さいが, B層ではいちじるしく大きい。 これらの差は主として腐植・粘土による土壌の薬剤吸着能の差によるものである。
    3. 砂の混入による薬害差は土壌理化学性の変化にもかかわらず小さいものであり, 原土の差による薬害差のほうが大きい。
    4. 降雨 (灌水) による薬剤の移動程度は, 土壌のもつ薬剤吸着能にほぼ決定され, 土壌透水性のはたす役割は小さい。 薬害は土壌の剤吸着能に大きく影響される。
    5. 火山灰土B層に堆肥を添加した場合, 一面で陸稲の生育を促進し, みかけ上の生育はよいが, 薬害を軽減するには至らず, むしろ一部では増加した。 堆肥の薬剤吸着能は多少あると考えられるが, その力はごく弱いものであり, 堆肥添加により増加した有機質は自然状態で蓄積されたものとは異質なものであると解釈せざるをえない。
    6. CATはprometryneにくらべ薬害が大きかつた。 両剤の薬害差は水に対する溶解度に起因するほか, 化学的性質のちがいによるもので, この影響差がでたものであろう。
  • 近江 静雄
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 96-100
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    (1) 本試験は, 土壌中のNIPの鋭敏で簡便な生物検定を行なうことを目的として, NIPに敏感な植物を選定し, そめ結果から, ソバの根にるよ土壌中のNIPの生物検定を実施したものである。
    (2) イネ・コムギ・食用ビエ・ダイコン・ハクサイ・ソバのうちNIP液に最も敏感な植物はソバであり, イネ・食用ビエ・キウリ・ソバのうち土壌中に混入したNIPに最も敏感な植物もソバであつた。
    (3) 上記の結果より, ソバを検定植物として選定し, 土壌をみたしたシャーレをほぼ垂直に立てて地表とふたの間で浴光下においてソバの根を36時間伸長させ, 土壌中のNIPの検定を行なつた。その結果, 検出されたNIPは2-100ppmw [NIP(mg)/乾土1,000(g)] であり, 根の伸長を50%阻害する土中NIPの濃度は10ppmwであつた。
  • 中村 拓, 小泉 順三, 松中 昭一
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 100-104
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    Propanilの作用機作を明らかにするために, propanil散布がイネおよびタイヌビエの水分代謝および光合成にどのように影響するかを検討した。
    Propanil散布後, イネ・タイヌビエともに一時葉の水分含有率が高まつた。 その後, タイヌビエにおいては急激に脱水されるが, イネは回復して無処理区と同じレベルとなつた。 吸水能および蒸散能は, propanil散布直後より両植物とも急激に低下した。 イネにおいては, 処理後1時間で無処理区の70%程度に, 翌日になると完全に回復したが, タイヌビエにおいては低下したままであつた。
    光合成能は, イネ・タイヌビエともに処理直後から完全に停止した。 イネにおける光合成は漸次回復したが, その回復は水分代謝阻害のそれよりはかなりおくれ, 3-5日後に無処理区と同程度となつた。 一方, タイヌビエでは全然回復を示さず枯死した。
    Propanilの作用機作としては, 光合成能を強く阻害することが見いだされたが, これ以外に, 本実験で散布直後の水分代謝阻害としてとらえられた直接的な作用も重要であることがみとめられた。 イネがpropanilに対して抵抗的な理由として, 解毒酵素による無毒化以外に, この初期の直接的な作用に抵抗的であることにも注目する必要があろう。
  • 野田 健児, 茨木 和典
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 105-110
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    除草剤, とくにprometryneのイネに対する薬害が高温によつて増大する機作を考察するための実験, 並びにs-triazine系9種の除草剤の温度による変動の大小についての実験を行なつた。 その要旨は次のごとくである。
    1. 除草剤, とくにprometryneの作用力の変動は, イネの地下部の温度よりも地上部の温度に左右されることが大きい。
    2. 高温によるprometryneの土壌移動の増大は認められない。 従つて, 高温による薬害の増大, 促進は土壌行動の面からは考えられない。
    3. 同じ温度下では空気湿度が低い場合が, イネの蒸散量は大きく, 恐らくprometryneの吸収が増加するために, 薬害の発生も促進される。
    4. イネの蒸散量は高温下の方が低温下より大である。 しかし, prometryne処理に伴う蒸散の低下は高温下の方が早く, 著しい。 恐らく蒸散流によるprometryneの吸収パターンが温度によつて異なるためと推測される。
    5. イネの薬害に対しては, prometryne吸収時の温度が著しく影響し, その最高の薬害を発生するに要する日数は1-3日間位である。
    6. イネ体に吸収されたprometryneの量が同じでも, その後の高温によつて薬害の発生が促進される。
    7. Prometryneによるイネへの薬害が高温によつて増大する機作は, 蒸散流による吸収, 並びに一部は根の積極吸収, などの吸収パターンが高温によつて変化すること, すなわち短い期間により多くの薬剤を取りこむこと, 吸収された薬剤の作用力が増大すること, また, イネ体の生理的, 生化学的体制が薬害をうけ易くなること, などの複合的な結果と考えられる。
    8. s-Triazine系9種の除草剤の作用力の温度反応の大小をみると, R5 (第2図参照) の基についてはCl>SCH3>OCH3の順に群別され, 各群ではR2・R4の置換基についてisopropyl>ethylの傾向がみられる。
  • 植木 邦和, 清水 矩宏
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 110-115
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    1) 本実験はタイヌビエ種子に対する21のハロゲン化脂肪酸エステル類の殺種子および休眠覚醒活性を検討したものである。
    2) 総ての供試化合物が, 1.0%処理において高い殺種子活性を示しているが, 0.1%以下では処理温度あるいは化合物の種類によつて, 効果の発現に緩急が認められる。 また, 一般に同濃度処理によつては, 5℃よりも30℃処理によつてより活性が強く発現しているが, 化合物の化学構造のみによつては, 一定の傾向は存在しない。
    3) 数種の供試化合物は, 1.0あるいは0.1%処理で休眠覚醒効果が認められるが, 同時に殺種子活性も有し, 両者の関係は, まず休眠覚醒活性が発揮され, しかる後に, その感受性の高まつた種子に対して殺種子活性が発現するものと考えられる。
    4) Scarification種子に対しては, 0.1%以上で高い殺種子活性があらわれ, 0.01%でも発芽抑制効果が認められる。 また, 発芽に至るステージが進行した種子に対しては殺種子および発芽抑制効果が大きく発現している。
  • 服部 金次郎, 千坂 英雄
    1968 年 1968 巻 7 号 p. 116-128
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
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