前報ではNK-049の殺草特性について述べたが, 本報では水稲に対する作用の2, 3について報告した。
1. 発芽前土壌処理で水稲: ヒエ間の選択殺草性程度をクロロフィル含量の面から, また生育期の湛水下処理で光合成能力に及ぼす影響を検討した。NK-049処理により, 水稲ではクロロフィル含量または光合成能力が一時低下するが, やがて正常に復し, 無処理区と同等の生育を示すのに対し, ヒエではクロロフィル含量, 光合成能力ともに急激な低下を示し, 枯死した。
2. 移植水稲に対する作用は弱く, 主として茎葉部からの作用であり, 根部からの作用はほとんどない。移植前の処理では湛水下土壌表面処理の場合, 一時クロロシスの発現が認められるが, 経日的に回復し, 生育には支障なかった。土壌混和処理, または苗令の進んだものでは, このクロロシス症状は全く認められないか, あっても軽微であった。
3. 温度による作用発現の差はほとんど無く, 低温条件ではクロロシスの回復が遅れるが, 高温ほど回復が早く, 生育には差が認められなかった。
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