雑草研究
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1969 巻, 9 号
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  • 戸苅 義次
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 1-4
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 真部 辰夫
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 5-10
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • CMMPの作用機構について
    白川 憲夫
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 11-15
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    選択性除草剤CMMPについて, その作用点および作用点における有機燐剤との相互作用を検討した。
    (1) CMMP感受性植物ホウレンソウ葉緑体を用いてHILL反応および cyclic, non cyclic 光燐酸化反応におよぼすCMMPの影響を検討した結果, それぞれ50%阻害濃度は2.7×10-6M, 5.3×10-6M, 1.4×10-6Mであり, 大差を認めなかった。 したがってCMMPの主たる殺草作用点は, HILL反応および光燐酸化反応阻害であることが判明した。
    (2) つぎに各種CMMP感受性植物, 抵抗性植物を供試し, HILL 反応および non cyclic 光燐酸化反応におよぼすCMMPの影響を検討した結果, いずれの植物も同様に強い阻害をうけることから, この反応系の抵抗力の差による選択性発現ではないことが明らかとなった。
    (3) HILL反応および non cyclic 光燐酸化反応に対する ethylthiometon, CMMP・ethylthiometon 混合物の影響を検討した結果, 明らかに ethylthiometon のみでも供試植物すべての non cyclic 光燐酸化反応を阻害し, またCMMPと共存した場合は相加的に阻害作用は高まった。このことは, 従来のCMMP散布前後における有機燐剤使用による選択性消失作用に何らかの関係があるものと考えられる。
    (4) 一方, cyclic 光燐酸化反応におよぼすCMMPあるいは有機燐剤の阻害作用は明らかに認められ, 両者を同時に添加した場合は, ethylthiometon ではかなり阻害が高められた。このことも前と同様, CMMPの選択性消失の一原因となる可能性がある。
    (5) 今後さらに多くの植物について, cyclic な光燐酸化反応が植物により異なるかどうかを検討し, CMMPの作用機構を明らかにしたい。
  • 第1報 プラスチックマルチ栽培場面における除草効果と実用性
    白川 憲夫, 富岡 博実, 中村 一年, 富樫 邦彦
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 15-21
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ダイズ, ラッカセイ, カンショ, タバコなどに対して作用の小さい選択性除草剤 vernolate について, その除草効果および実用性をプラスチックマルチ栽培場面に導入して検討した。
    (1) 薬剤処理方法と除草効果との関係を検討したところ, 除草力の強さは土壌混和後マルチ≧土壌表面処理後マルチ>土壌混和処理>土壌表面処理の順位であった。すなわちマルチすることにより, 従来の使用方法である土壌混和に要する労力が省け, さらに薬量が1/2程度に減量できることが明らかとなった。
    (2) 薬剤処理後マルチングまでの時間と効果との関係を検討したところ, マルチングまでの時間が経過するにしたがって除草効果は徐々に低下した。すなわち土壌表面に処理後12時間以内にマルチングすると十分な除草効果を示すことが判明した。
    (3) 規格品疏菜用プラスチックシートホールの大きさと除草効果との関係を検討したが, とくに関係は認められなかった。
    (4) 薬剤土壌処理深度と除草効果との関係を検討したところ, 土壌表面より0~3cmの処理深度ではマルチ区, 無マルチ区いずれも高い除草効果を示したが, 処理深度が4cm≦では, いずれの区もかなり効果は低下し, 10cmではまったく効果を示さなかった。
    (5) 薬剤処理期間中の温度と除草効果との関係を検討したところ, マルチ区では明らかに処理後の温度が高いほうが高い除草効果を示したが, 無マルチ区では実験した条件でいずれも除草効果が低く, 高低温による差が明らかでなかった。
    (6) 本剤がきわめて揮発性であることから, その気化成分の効果を検討したところ, 気化成分は強力に供試植物茎葉部の生育を抑制し, これは作用性からみて有効成分そのものの作用と判断される。
    (7) 実用性については, タバコおよびトマトを供試し検討したが, 土壌表面処理後混和せずマルチ処理後移植 (あるいは移植後, 土壌表面処理後マルチ) した場合, いずれも薬害なく, 除草効果はきわめて高かった。なおタバコを用いた場合はマルチ, 無マルチにかかわらず混和すると薬害が発生しやすいので, プラスチックシート使用場面に本剤を導入する場合は必ず土壌表面処理後マルチ処理の方法を行なうべきであろう。
    (8) 以上の結果を総括すると, vernolate 剤をプラスチックマルチ栽培場面に導入することは可能であり, その際は薬量, 労力の両面から考えて土壌混和の方法と比較し, 土壌表面処理後マルチの方法はきわめて経済的であることが判明した。
  • 渡辺 弘
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 21-25
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 佐竹 治男, 桑野 正信
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 25-29
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    (1) ウリカワの生態と防除法について試験を行なった。
    (2) 塊茎は, 発芽に対する休眠性はないようであるが, 発根に休眠性がみられ, その覚醒には低温処理が有効で, 3~6℃では50~60日でほぼ覚醒した。
    (3) 休眠から覚醒した塊茎は, 湛水条件を与えられれば, 平均気温14~15℃で発生が可能である。
    (4) 塊茎からの発生深度は, 地表下15cm程度が限界とみられ, 10cm以下の深層になると発生するものは少なくなる。また, 塊茎の形成深度は比較的浅く, 大部分が地表下5cmまでの層であった。
    (5) 除草剤を使って, 田植後処理, 生育中期処理, 秋期処理をこころみた結果, 各処理時期とも有効なものがみられ, 防除の手段を得た。
  • 第2報 萌芽および初期生育に関する諸特性
    植木 邦和, 坂口 敏雄
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 29-36
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    本研究は多年生雑草クログワイの防除を, その生物学的特徴を利用して行なうための基礎として, 萌芽の法則性および初期生育に関与する諸要因について検討したものである。
    1) クログワイtuber上部の3~6枚の包皮に覆われた4~6個の芽は, その着生部位により明確に区分され, 各芽の間に萌芽における競合関係が存在した。 すなわち, 最頂部にある芽と他芽の間に頂芽優勢的現象がみられた。 また包皮の枚数と萌芽との間には相関が認められ, 包皮の枚数の増加にともなって萌芽が遅延した。
    2) 萌芽につづく初期生育において, 背地性rhizomeの伸長は水中置床深度が深く, 暗黒において促進さおたが, 発根は光に関係なく, 置床深度の浅くなることが大きな促進要因であった。
    3) 背地性rhizomeの伸長は, 1mg/l以下の低水中溶存酸素濃度および暗条件で促進され, 2~6mg/lで抑制された。さらに, 根および茎の分化は6~7.5mg/lの高溶存酸素濃度で促進され, 1mg/lで完全に抑制された。
    4) 土壌中のクログワイの初期生育において, 間歓灌水条件下では, いわゆる多段式分化が発現した。 この多段式分化における各ステージの分化基部には約3~7本の根と0~1本の茎が発生した。 さらに, 新規の分化基部は置床後5~7日目に生起しはじめたが, 発根は分化基部形成より数日遅れた。
  • 渡辺 泰, 広川 文彦
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 36-41
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    北海道の畑作雑草10種を対象に, 種子の休眠の程度とこれらの越冬条件に対する反応を調査した。
    (1) イヌタデ, シロザ, オオイヌタデ, タニソバは休眠が深く, 半年地中越冬すると覚醒したが, 5℃室内越冬によっても後の2種は相当覚めた。アキノエノコログサ, ツユクサ, ヒメイヌビエも休眠が深いが, これらの種子は5℃室内越冬によって休眠が覚めた。ナギナタコウジュは採種直後の種子で休眠を示した。地中越冬よりも5℃室内越冬の発芽率が高かった。ハコベは8~9月採種種子は休眠が浅く, 地中越冬で二次休眠に入り, 翌春変温下で覚醒した。11月採種種子は休眠がかなり深く, 低温湿潤処理しても覚めなかった。アキメヒシバは休眠が最も深く, 各種の処理でも覚めなかった。
    (2) 冬期間戸外の大気中で後熟したものはアキノエノコログサ, オオイヌタデ, ナギナタコウジュ, ヒメイヌビエであった。
    (3) 0~1℃の湿潤濾紙上で休眠が覚めた種類とその所要期間は, オオイヌタデとシロザが1か月, イヌタデが2か月, ナギナタコウジュが4か月, タニソバが6か月であった。その他の種類は6か月の処理期間中全く休眠が覚めなかった。
  • 第1報 HOK-7501および類縁化合物の化学的性質並びに除草作用について
    大井 卓雄, 瀬戸 祐, 田村 穣太郎, 青木 繁, 大山 広志, 高橋 三郎
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 41-46
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    アリロオキシチオカルボン酸誘導体を合成し, 水田除草剤としての活性を試験し, 各誘導体間及び芳香核置換基及びアルキレン基の変化と生理活性を調べた。
    (1) 湛水土壌処理による殺草力では低級エステル類がすべての雑草に対し最も活性が大きく, 次いで含窒素化合物のチオアミド, チオアニリド類であったが, これらは雑草間の選択性がみられ, マツバイに対する効果は劣った。水溶性の大きな酸, 塩類の効果は低かった。
    (2) 根茎吸収毒によるマツバイ殺草力は, 湛水土壌処理の殺草効果とほぼ一致し, 誘導体間の差は極めて大きかった。
    (3) イネ新根抑制試験では誘導体間の差はマツバイに対するよりも小さく, 酸, 塩類でもかなりの活性を有した。
    (4) 芳香核置換基は2-メチル4-クロル型, 2, 4-ジクロル型が最も活性が強く, 2, 4, 5-T型はやや活性が弱かった。
    (5) アルキレン基は酢酸型が最も強く, α-プロピオン酸型はイネ新根阻害率も低かった。
    以上の結果から, 水田除草剤として最も優れた性質を有するものは2-メチル4-クロルフェノキシチオ酢酸S-エチルエステル, すなわちHOK-7501であった。
  • 第2報 HOK-7501の水稲に対する影響と作用性について
    大井 卓雄, 瀬戸 祐, 田村 穣太郎, 青木 繁, 井出 陽郎, 大山 広志, 高橋 三郎
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 46-51
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    HOK-7501の水稲に対する影響と水田雑草の殺草性について検討した。水稲に対する作用性として, HOK-7501は,
    1) 水稲の根部から薬剤を接触吸収させた場合, 根および地上部茎葉に対する抑制はMCP-エチルエステルより軽度であった。
    2) さらに実際的な試験として, 減水深, 水温の変動等の条件をあたえた薬害試験でもHOK-7501はより薬害が小さかった。このようにHOK-7501の薬害がMCP-エチルエステルより軽度の理由としては, 稲体に吸収され解毒不活性化される速度が速いためか, 溶解度が小さいために稲に徐々に吸収されるためか, また加えるに揮散性がより小さく水中での行動が激しくないためか, 恐らくこれらのことが, 薬害の原因である過剰吸収への過程をゆるやかにしているのであろうと考えられる。
    3) HOK-7501のマツバイ, コナギに対する殺草効果は, 根茎吸収毒試験でも, また減水深条件のポット試験でも優れた結果を示し, MCP-エチルエステルと同程度か, またはそれ以上の殺草力を示した。このことは, 恐らく田水中での残効性がやや長いことによるのであろう。
  • 古谷 勝司, 千坂 英雄, 片岡 孝義, 荒井 正雄
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 51-56
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    水稲稚苗移植栽培の初期雑草対象除草剤を選定するために, ポット試験および圃場試験に各種除草剤を供試して殺草性について検討した。
    CNP粒剤およびNIP粒剤は, 田植前後の表面処理でマツバイに対する除草効果がやや劣るが, 一年生雑草には効果が大きい。稚苗に対する薬害はCNPおよびNIPとも比較的小さいが, 薬害発生の危険性は, NIPがCNPより大きい。CNPは適使用量幅が広く, 田植前土壌混層処理剤としても比較的安定している。
    TOPE粒剤は, 田植後処理でマツバイに効果がやや劣るが, 一年生雑草には除草効果が大きく, CNPやNIPよりも処理適期幅が広い。薬害発生の危険性はCNPよりさらに小さい。
    シメトリン粒剤は, 田植後処理で一年生雑草に除草効果が大きく, 残効期間も長いが, マツバイにはやや劣る。薬害は使用量が多いと発現するが, 水深・漏水条件によっても変動するおそれがある。
    TDW-43・シメトリンA粒剤は, 田植前・後の表面処理でマツバイ以外には除草効果が大きいが, シメトリンの薬害が発生する条件下では薬害発生の危険性がある。
    その他の供試除草剤については, 稚苗に対する薬害の面からさらに検討を要する。
  • 植木 邦和, 松中 昭一, 中村 拓
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 57-73
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 服部 金次郎, 古谷 勝司
    1969 年 1969 巻 9 号 p. 74-86
    発行日: 1969/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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