雑草研究
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27 巻, 3 号
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  • 菅原 清康
    1982 年 27 巻 3 号 p. 155-161
    発行日: 1982/10/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    Shifts in weed vegetation during maturation process of farms were studied in relation to chemical characters of the soils. Vegetations in unclutivated land, mature field and immature field were found to consist of wild plants, arable weeds and both, respectively. Immature fields tended to have a larger number of species, greater biomass, and higher population density, larger plant height and coverage. Among soil chemical characters, exchangeable acidity, degree of calcium saturation, pH (KCL) remarkably varied between those three types of fields.
    Effect of the artificial disturbances after the field reclamation on weed vegetation was investigated. As the results it proved that most cf the cultural practices contributed only to quantitativfi change but little to qualitative change except for the weed shift by heavy application of calcum carbonate.
    Fifteen-year trials on the successive applications of calcium carbonate and barnyard manure indicated that critical points in soil exchangeable acidity, degree of calcium saturation and pH which couldcause the shift from “wild plants” to “wild plant+weeds” and further shift to “weeds” were around 10.0, 20% and 4.40, and 1.0, 50% and 5.00, respectively.
    The degree of resistance to soil acidity was rated on 54 species of weed. The classification was referred to soil acidity at the place where a pure stand was formed.
    Index for degree of field maturation was feasibly calculated from the correlation between an avreage responsiveness index of weed community and soil acidity, concerning 15 areas with five different soil types. Quantitative index of weed corresponding to field maturation could be given by the equation for the relation between weed biomass and soil acidity, under the various conditions in the essential factors that affect the weed emergence.
    Cropping systems in old slash-and burn method were investigated with particular reference to weed control, and one of the interesting weed control method was the cropping of perilla (Perilla frutescens Brit.) in a series of rotation expecting its phytotoxic ability for inhibiting weed emergence and growth.
  • 伊藤 操子
    1982 年 27 巻 3 号 p. 162-176
    発行日: 1982/10/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • アハメド サエドアシューラ, 伊藤 操子, 植木 邦和
    1982 年 27 巻 3 号 p. 177-183
    発行日: 1982/10/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    防除後のホテイアオイの枯死・分解演水質に及ぼす影響として, これまで水質の理化学的変化について明らかにしてきたが, 枯死分解過程での溶脱物質の植物生理活性も重要な検討事項であると考えられる。そこで本実験では, ホテイアオイ生体の水抽出物ならびに枯死・分解過程で滲出する物質の生育阻害活性について, アカマルダイコンを用いて検定した。
    まず, 生植物体については, 器官ごとに分け常温で蒸留水と混合・摩細し, ろ液を濃度3段階に調整して, シャーレ内でのダイコンの発芽, 生育の検定に供した。25℃, 1,000ルクスの条件下で96時間置いた結果, 葉, 根茎及び全植物体の抽出液高濃度区において, 発芽及び幼根伸長が有意に阻害された。根の抽出液には阻害作用はみとめられなかった (Table 1.)。
    枯死・分解過程における滲出物の溶液の作成は次のように行った。すなわち, 器官ごとに細断した生体を, 蒸留水及び3.7×10-6Mの2,4-Dジメチルアミン溶液に浸漬して, 25℃暗黒下で8週間分解させた。滲出液は経時的に採取し, さきの実験と同様の方法で検定した。蒸留水滲出液ではダイコンの発芽はわずかに抑えられたが, 幼根, 胚軸の伸長阻害はほとんどみとめられなかった。一方, 2,4-D溶液滲出の場合には, 幼根, 胚軸ともに萎縮現象を呈した。しかしながら, この2,4-D活性は, ホテイアオイの根を用いた場合6週間以上の浸漬で消失した。ダイコン実生の乾物重は, 蒸留水, 2,4-D溶液のいずれの滲出液でも減少する傾向を示し, これは特に後者において顕著であったが, 8週間の浸漬で回復した (以上 Fig. 1~4)。
  • 第12報 エゴマの作付による雑草の抑草効果
    菅原 清康
    1982 年 27 巻 3 号 p. 184-190
    発行日: 1982/10/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1) 本研究は, わが国における焼畑農法から得た示唆により, 未熟畑, 休耕田ならびに焼畑におけるエゴマの雑草抑制効果の有無, 程度, 草種などを究明しようとしたものである。
    2) 未熟畑および休耕田でエゴマの条播区および散播区の草種数がかなり少なく, 生草重では未熟畑, 休耕田, 焼畑の3供試地で共通しダイズ, デントコーン摘播の両試験区が無作付区との間にさほど相異が認められなかったが, エゴマの条播区が平均60%, 散播区で同50%程度の生草重比率であつた。
    3) エゴマの作付によって未熟畑ではメヒシバ, エノコログサ, 休耕田ではケイヌビエ, また焼畑ではエコノコログサの抑草効果が顕著にみられた。
    4) エゴマの保有する雑草抑制作用の要因は, 発芽の早期性, 根の浅根性, 広葉による遮ぺい力, 根の他感作用現象などではないかと考えられる。
    5) 本研究の結果, わが国における焼畑農法の中でエゴマの雑草抑制効果の存在を伝承した俚言群の妥当性が証明されたとともに, 今後休耕田の荒廃を遅延または防止する一法としてエゴマの散播は有効な手段であると思考される。
  • 鳥生 誠二, 渡辺 全
    1982 年 27 巻 3 号 p. 191-197
    発行日: 1982/10/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    麦作用除草剤を単独あるいは相互に混合したものを〓麦の2葉期に散布し, 光合成と生育に及ぼす影響を調査した。
    1) 光合成阻害型除草剤の中で, 処理直後に〓麦の光合成を著しく阻害したのは, アイオキシニル, プロメトリン, DCMU, リニュロンで, アイオキシニル以外の薬剤ではその後の回復はほとんどみられなかった。CATでは光合成の阻害はやや遅れて現われた。
    2) 生長抑制型除草剤のCIPCとDBNの処理により光合成の生育に伴う増加が阻害されたが, これは主に葉面積の拡大が抑えられたことによるものと推察された。また, 〓麦の生育抑制の程度はCIPCよりDBNの方が大きかった。
    3) CIPCやDBNと光合成阻害型薬剤を混用すると光合成阻害作用が増大したが, それらの中で処理後の外観的な薬害が少なかったのはCATとCIPCおよびCATとDBNの組合せであった。
    4) DCMUとCIPCまたはDBNとの混用では, 光合成の阻害はDBNとの混用の方が少なかった。
  • 1. ゲレインソルガムの生育特性の解明と除草必要期間の設定
    野口 勝可, 中山 兼徳
    1982 年 27 巻 3 号 p. 198-203
    発行日: 1982/10/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    グレインソルガム畑における雑草防除技術を確立する基礎資料を得るため, 雑草との競合からみたグレインソルガムの生育特性について検討した。
    1) グレインソルガムとメヒシバの草丈を比較したところ, 播種後から60日頃までは前者の生育が優れたのに対し, 70日頃に同等となり, その時期以降後者の生育が勝った。
    2) グレインソルガムの播種後日数と畦間地表面中央部における相対照度の対数との間に負の相関関係が認められ, 回帰式が得られた。その関係を用いて, 雑草の生育が著しく抑制される相対照度10%以下に低下する日数を推定すると, 播種後約56日であった。
    3) 畦間地表面中央部の相対照度が10%以下に低下した時期において, グレインソルガムは地表面から約30cmの高さまで相対照度10%以下に保持した。
    4) 相対照度の対数とLAIとの間にも負の相関関係が得られ, 相対照度10%以下に低下した時期のLAIは5.0であった。
    5) 以上の結果とこれまでに得られた雑草の生育の知見をあわせ, グレインソルガムについて播種後からの除草必要期間を推定すると播種後約26日であった。
  • 松尾 喜義, 片岡 孝義
    1982 年 27 巻 3 号 p. 204-209
    発行日: 1982/10/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    アゼガヤのほふく型, そう生型の2変異型を発生時期, 土壌水分を変えて生育させ, 生育特性を調べるとともに, 両者が“変異型”であることを再確認しようとした。
    1) そう生型は, 4~8月に発生した揚合, 発生後40~50日で出穂始期となり, 開花結実期間は10月まで続いた。一方, ほふく型は4~8月に発生した場合, 8月下旬~9月上旬に出穂始期となり, 開花結実期間は9月上旬~10月中旬で短かった。
    2) 8月発生の場合を除いて, 発生時期, 土壌水分にかかわらず, 2変異型それぞれの草型が示された。従って, この2変異は遺伝的変異であるとみられ, 開花結実期間に違いがあるので, 両変異型は生殖的に隔離されている場合が多いとみられる。
    3) 生育特性と四国農試圃場の発生割合からみて, ほふく型は水田, 畑のいずれでも増殖力が大きく, そう生型は畑水分条件の非農耕地を中心に生育するものとみられる。
  • 小林 勝一郎, 福地 和恵, 百武 博, 石塚 皓造
    1982 年 27 巻 3 号 p. 210-216
    発行日: 1982/10/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    32℃ (高温区) と27℃ (中温区) の人工光温室内で栽培した4葉期と6葉期のイネに, シメトリンを施用した場合の生育障害と吸収・移行を比較検討した。
    1) 土耕栽培で, シメトリン5~20g/aを湛水に処理した場合, 高温区において, また若いイネほど顕著な生育障害が認められた。水耕栽培で, 5~50ppmのシメトリン水溶液に根を浸漬した場合にも同様な結果が得られた。
    2) 14C-シメトリン (0.6ppm) を含む水耕液に根を6時間浸漬した場合, 4葉期および6葉期のいずれにおいても高温区では中温区の約2倍量のシメトリンが吸収された。根部から茎葉部への移行率には温度の影響が認められないので, 茎葉部中のシメトリン濃度は根による吸収によって律速されると推定された。4葉期と6葉期のイネ茎葉中のシメトリン濃度には差が認められなかった。
    3) 高温区で生育障害が発生しやすいのは, 根によるシメトリンの吸収量が多くなるためであると考えられる。
  • 坂 斉, 千坂 英雄
    1982 年 27 巻 3 号 p. 217-224
    発行日: 1982/10/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    酸素電極法により, 開花期のイネ (品種, 密陽23号) の止葉の光合成に対する53種類の除草剤および代謝阻害剤の阻害力を調べ, 次の結果を得た。
    1) ヒル反応阻害型除草剤は, 若干の例外 (ioxynil, bromoxynil および bentazon) を除いて, いずれも葉片光合成を顕著に阻害した。各除草剤が示す光合成の50%阻害濃度 (pI50) は10-6M~10-4M前後であった。本来ヒル反応阻害力が弱い bentazon のpI50は10-3Mオーダーで, ioxynil は強力なヒル反応阻害剤にもかかわらず, bentazon に似たpI50をもっていた。
    2) 呼吸攪乱型薬剤のpI50は, 2,4-DNPを除いて, ヒル反応阻害型薬剤のそれより若干弱く, 10-4M~10-3M前後であった。
    3) オーキシン型と有糸分裂阻害型および大部分の蛋白質・核酸合成阻害型と光関与型の除草剤は, 本実験で使用した濃度範囲では光合成に影響せず, 従ってpI50値を求めることができなかった。
    4) 光関与型除草剤として分類されている paraquat と diquat は, いずれも, ヒル反応阻害型や呼吸攪乱型の除草剤よりも, 明らかに高濃度で光合成を阻害し, そのpI50は10-2M~10-1Mオーダーと推定された。
    5) ヒル反応阻害とともに阻害的脱共役作用をもつ ioxynil と, 蛋白質・核酸合成阻害とともに酸化的リン酸阻害あるいは脱共役の作用をもつ CIPCと methazoi のpI50は, 10-3Mオーダーで, 呼吸攪乱型薬剤に似た光合成阻害作用を示した。
    6) 53種類の薬剤のなかには, 製剤中の溶剤の作用によって光合成阻害が発現すると思われるものが認められた。
    7) ヒル反応阻害型除草剤と呼吸攪乱型除草剤のうち19種類の薬剤のpI50を, 参考として引用したクロロプラストのヒル反応を50%阻害する濃度 (HI50) と対比させたところ, 両者の間には高い正の相関 (γ=0.697**) が認められた。
    以上のように, 本結果は, 薬剤のpI50の有無やその値のちがいと各薬剤グループがもつ作用機構との相互関係を明らかにすることができた。今後, この手法は, 未知薬剤のスクリーニングや作用機構解明の一助になるものと期待される。
  • 一前 宣正, 伊藤 一幸, 児嶋 清, 松尾 和之, 野口 勝可
    1982 年 27 巻 3 号 p. 225-231
    発行日: 1982/10/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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