上越・中越地方の染色教材の開発に資する目的で,当地方の里山環境に生育する身近な野生植物を対象にその染色結果を主に市民協働調査により収集し,それらの色彩を明らかにした。染色に供する繊維には濃染処理を施した木綿布を,媒染剤には焼ミョウバンを用いた。調査の結果,146の植物種,使用部位や採集時期の違いを考慮すると219の染色結果を取得できた。CMYK値を用いた階層クラスター分析の結果,染色結果は7つのタイプに類別化された。多くの染色結果は淡褐色系や褐色系,黄色系等の色彩タイプに属するが,一部は高彩度の黄色系,赤茶色系,灰色系,青色系のタイプに属することが示された。