山形県遊佐町の水田産のアゼナ {
Lindernia procumbens (Krock.) Borbás}, 宮城県田尻町の水田産のアメリカアゼナ (
Lindernia dubia var.
major Pennell) および遊佐町の水田産のタケトアゼナ (
Lindernia dubia Pennell var.
dubia) について, ベンスルフロンメチルに対する感受性を, 秋田県大曲市の水田産のアゼナとアメリカアゼナおよび岩手県雫石町の水田産のタケトアゼナと比較した。ワグネルポットを用いた試験では, 遊佐町のタケトアゼナは雫石町のタケトアゼナの5,110倍のI
50 (乾物生産の50%阻害薬量) を示し, ベンスルフロンメチルに対する高い抵抗性を示した。深型シャーレを用いた試験では, 遊佐町あるいは田尻町から採取したアゼナ, アメリカアゼナおよびタケトアゼナが, 大曲市あるいは雫石町のものに対してそれぞれ60.7倍, 10,200倍および14,100倍のI
50を示し, それぞれ高い抵抗性を示した。遊佐町のタケトアゼナは, エトキシスルフロン, シクロスルファムロン, アジムスルフロン, イマゾスルフロンおよびピラゾスルフロンエチルに対しても抵抗性を示した。遊佐町のタケトアゼナに対する数種除草剤の効果をワグネルポット試験で検討した結果, プレチラクロール, ビフェノックスおよびカフェンストロールの発生前処理, ナプロアニリドおよびベンチオカーブ/シメトリン/MCPB混合剤の1葉期処理に高い効果が見られた。現地試験では, プレチラクロールやナプロアニリドが含まれる除草剤, ベンチオカーブ/シメトリン/MCPB混合剤およびベンタゾンに高い効果が見られた。従ってSU剤抵抗性タケトアゼナの防除には, これらの成分を含む除草剤の利用が有効であると考えられる。
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