雑草研究
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45 巻, 1 号
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  • 佃 和明, 一前 宣正, 近内 誠登, 竹松 哲夫
    2000 年 45 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ヒエ類対象の移植水稲用除草剤ピリブチカルブの直播水稲栽培への適用拡大の可能性を検討するため, 温室条件で播種深度及び処理時期に伴う薬害変動を試験した。また, 薬害を軽減する可能性のあるダイムロンまたはジメピペレートとの混合処理による薬害変動も検討した。その結果, ピリブチカルブは, 土壌表面に播種したイネに対して処理時期にかかわらずある程度の生育抑制を発現させたが, 土中1cmに播種されたイネに対しては2葉期以降であれば, 標準薬量の630g a. i./haで有意な抑制を発現させなかった。また, ダイムロンとの混合でピリブチカルブの直播イネに対する抑制は有意に軽減されたが, ジメピペレートによる同様の抑制軽減作用は観察されなかった。これらの結果から, ピリブチカルブには水稲土中直播栽培に適用の可能性があることが示唆された。
  • 平木 真幸, 石田 静香, 渡辺 博之, 小川 人士, 河野 均, Peter Böger, 若林 攻
    2000 年 45 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    Peroxidizing 除草剤は Chlorophyll 生合成経路中の酵素 Protoporphyrinogen-IX Oxidase (Protox) を阻害する除草剤である。従って Peroxidizing 除草剤の植物毒性を検討するには Protox 阻害試験が重要である。検定用植物としてトウモロコシが頻繁に用いられ, 当グループや海外の幾つかのグループでは Anjou という品種を使用してきた。しかし Anjou は, 病害耐性の劣化に伴い, 世界的に生産中止となった。そこで, 12種のトウモロコシ品種を集め, それぞれの Protox 活性と Peroxidizing 除草剤に対する感受性を比較した。その結果, DK212MFが最も高い Protox 活性を示し, Anjou の約2倍であった (Table 1)。4種の Peroxidizing 化合物 (oxyfluorfen, chlorophthalim, flumiclorac-pentyl, BW-110) を用いた Protox 阻害試験を行った結果, 全てのトウモロコシ品種において, 同程度の感受性が認められた (Fig. 2)。また, 茎葉処理によるポット試験を Anjou とDK212MFを用いて行った結果, oxyfluorfen と chlorophthalim の双方に対してDK212MFは Anjou よりも生育阻害効果の程度が小さかった (Fig. 3)。その原因を解明するために Proto-IX 蓄積の測定を行った所, DK212MFで Anjou よりも低い Proto-IX 蓄積が確認された。
  • 内野 彰, 伊藤 一幸, 汪 光煕, 橘 雅明
    2000 年 45 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    山形県遊佐町の水田産のアゼナ {Lindernia procumbens (Krock.) Borbás}, 宮城県田尻町の水田産のアメリカアゼナ (Lindernia dubia var. major Pennell) および遊佐町の水田産のタケトアゼナ (Lindernia dubia Pennell var. dubia) について, ベンスルフロンメチルに対する感受性を, 秋田県大曲市の水田産のアゼナとアメリカアゼナおよび岩手県雫石町の水田産のタケトアゼナと比較した。ワグネルポットを用いた試験では, 遊佐町のタケトアゼナは雫石町のタケトアゼナの5,110倍のI50 (乾物生産の50%阻害薬量) を示し, ベンスルフロンメチルに対する高い抵抗性を示した。深型シャーレを用いた試験では, 遊佐町あるいは田尻町から採取したアゼナ, アメリカアゼナおよびタケトアゼナが, 大曲市あるいは雫石町のものに対してそれぞれ60.7倍, 10,200倍および14,100倍のI50を示し, それぞれ高い抵抗性を示した。遊佐町のタケトアゼナは, エトキシスルフロン, シクロスルファムロン, アジムスルフロン, イマゾスルフロンおよびピラゾスルフロンエチルに対しても抵抗性を示した。遊佐町のタケトアゼナに対する数種除草剤の効果をワグネルポット試験で検討した結果, プレチラクロール, ビフェノックスおよびカフェンストロールの発生前処理, ナプロアニリドおよびベンチオカーブ/シメトリン/MCPB混合剤の1葉期処理に高い効果が見られた。現地試験では, プレチラクロールやナプロアニリドが含まれる除草剤, ベンチオカーブ/シメトリン/MCPB混合剤およびベンタゾンに高い効果が見られた。従ってSU剤抵抗性タケトアゼナの防除には, これらの成分を含む除草剤の利用が有効であると考えられる。
  • 小笠原 勝, 小林 智美, 米山 弘一, 竹内 安智
    2000 年 45 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    イヌビエ (Echinochloa crus-galli (L.) Beauv. var. crus-galli) の環境適応性を明らかにすることを目的に, 異なる水ストレス下で4週間育成したイヌビエ幼苗の茎葉と根の成長, および根の通気組織を調べた。
    イヌビエの草丈, 茎葉新鮮重, 冠根数, 根重および根の直径は, 畑区>飽水区>湛水 (3cm) 区の順で大きな値を示した (Tables 1 and 4)。しかし, 冠根における通気組織の発達程度を表わす間隙率は, 湛水区>飽水区>畑区の順で高かった。また, 通気組織はいずれの処理区においても冠根の先端部には形成されず, 基部に近い部分あるいは成熟した冠根において顕著に観察された通気組織は皮層内の細胞崩壊によるものであった (Fig. 1, Tables 2 and 3)。したがって, イヌビエ冠根における通気組織は破生的に形成されるものであり, しかも低酸素条件 (湛水) に適応するための根の形態反応のひとつであると考えられた。
  • 柳田 元継, 松本 宏, 臼井 健二
    2000 年 45 巻 1 号 p. 26-33
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ジフェニルエーテル系除草剤は植物のヘム及びクロロフィル生合成系の酵素, プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を阻害し, プロトポルフィリン IX (Proto IX) を蓄積させる。この Proto IX によって生成する活性酸素により植物生体成分が過酸化され枯死すると考えられているが, Proto IX によって活性酸素が生成し, 植物体に酸化傷害が現れるメカニズムについての詳細な知見は得られていない。そこで, 植物細胞内に蓄積する Proto IX が光照射下で活性酸素を生成し, 植物細胞成分, 特に脂質を過酸化するメカニズムを解明する端緒として, Proto IX が誘起する脂質過酸化反応の in vitro での測定系を作出し, 反応液中の溶存酸素量を酸素電極法により測定すると共に過酸化脂質量を測定した。脂質としてはリノール酸, リノレン酸及び植物細胞抽出液を用いた。その結果, 光の照射下でいずれの脂質を用いた場合でも溶存酸素の消費と過酸化脂質の生成が同時に認められ, この反応系が植物細胞内に蓄積した Proto IX が誘起する脂質過酸化反応のモデルとして利用できる可能性が示された。この過酸化反応系を用いて, 過酸化反応が起きている反応液中の溶存酸素減少速度に与える抗酸化剤の影響を調べた。その結果, 一重項酸素消去剤は溶存酸素減少速度に対して顕著な抑制効果を示し, またスーパーオキシド, 過酸化水素, ヒドロキシルラジカルおよび過酸化脂質ラジカルの消去剤も抑制効果を示した。この結果から, 光照射下で Proto IX が誘起する過酸化反応には一重項酸素に加え, 様々な活性酸素分子種が関与する可能性が示唆された。さらにクロロフィル合成系に由来する4種のポルフィリン間における植物細胞成分の過酸化誘導能力の比較を行った。その結果, ポルフィリン種間でその過酸化能力は顕著に異なり, マグネシウムプロトポルフィリンIXの酸化能力が供試したポルフィリンの中で最も高く, Proto IX が最も低かった。この結果より Proto IX が酸化傷害を引き起こすには他のポルフィリンと比較して, より大量に細胞内に蓄積する必要のあることが示唆された。
  • 大橋 善之
    2000 年 45 巻 1 号 p. 34-38
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 尹 旻沫, 沈 利星, 臼井 健二
    2000 年 45 巻 1 号 p. 39-42
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • アンケート調査結果
    徐 錫元, 城戸 淳
    2000 年 45 巻 1 号 p. 43-52
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 45 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 春原 由香里, 三浦 励一, 石川 枝津子, 橘 雅明, 内野 彰, 平瀬 寒月
    2000 年 45 巻 1 号 p. 64-70
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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