スルホニルウレア化合物のうち, DPX-F5384とその類縁化合物について, イネに対する選択性および水田雑草に対する除草活性を比較検討した。その結果は下記のように要約できた。
1. 2-CO
2CH
3 の置換をもつスルホニルウレア誘導体, DPX-F5384 (benzyl group), DPX-T6375 (phenyl group) について, イネ, ハクサイの種子およびウリカワの塊茎を供試して, ペトリー皿試験を行い, その初期生育への影響を調べた。その結果, DPX-F5384 はイネと他の2植物の間で, 高い選択性が認められたが, DPX-T6375 の選択性は相対的に低かった。
2. DPX-F5384 とその類縁化合物の除草活性とイネに対する安全性について, 水田状態のポットで比較検討した。スルホニルウレア化合物の構造中に, phenyl 部分をもつ DPX-W4515, T6375, W4189, T6376 は, いずれも高い除草活性を示したけれども, イネに対して強い薬害をひき起し, イネと雑草との間の選択性は小さかった。
3. 2-CO
2CH
3 置換 benzyl タイプの DPX-F5384 は, 除草活性も高くイネに対する安全幅も十分認められた。しかしながら, 2-Cl 置換 benzyl 構造の DPX-F5390 の活性は著るしく低かった。また, 2-Cl 置換 Phenoxy タイプである DPX-R5582 の活性は, DPX-F5390 よりも, かなり高かったが, DPX-F5384 に比較すると低く, 特に水田の重要雑草であるホタルイに対する防除効果が不十分であり, イネに対する安全幅も狭かった。
以上の結果から, DPX-F5384 は, その高い除草活性とイネに対する選択的安全性によって, スルホニルウレア誘導体の中で最適の水稲除草剤であると結論された。
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