雑草研究
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30 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 新妻 芳弘
    1985 年 30 巻 4 号 p. 255-261
    発行日: 1985/12/21
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 石嶺 行男, 仲間 操, 仲田 栄二, 松本 重男
    1985 年 30 巻 4 号 p. 262-269
    発行日: 1985/12/21
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1. 本報告は, 奄美群島を除く琉球列島 (沖縄県) におけるサトウキビ畑の雑草群落を植物社会学的方法によって分類することを目的として実施した一連の調査のなかから石垣島に関する結果をまとめたものである。
    2. 石垣島のサトウキビ畑から31個の植生調査資料が得られた。これらの資料をチューリヒ・モンペリエー学派の方法により表操作した結果, 次の植生単位が明らかになった。
    ハマクワガタールリハコベ群集
    A. ハリビユ亜群集
    a. ノミノツヅリ変群集
    b: 典型変群集
    B. 典型亜群集
    C. ツボクサ亜群集
    c: 典型変群集
    d: オガサワラスズメノヒエ変群集
    3. ハリビユ亜群集のノミノツヅリ変群集と典型変群集はいずれも肥培管理の良い新植畑にみられるが, 管理の良さの程度は前者の場合が勝る。ツボクサ亜群集のオガサワラスズメノヒエ変群集は肥培管理の悪い新植畑と同じく肥培管理の悪い株出し畑の両方にみられる。
  • 後藤 三千代
    1985 年 30 巻 4 号 p. 270-277
    発行日: 1985/12/21
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    庄内地方の水田で発生がみられるタイヌビエ, イヌビエについて生理, 生態的な性質を比較調査し, ホソメイガによる生物的防除の可能性を検討した。タイヌビエは芒が短く, 種子重が重く, 耐水性が強く, 繁殖価が高いなど水田に適応した生活環を築き上げているのに対しイヌビエは移動性が高く, 生長速度が早く, 植物体は大きく重く, 生態遷移の初期段階の新しい生息地をめぐる侵入や定着の競争で優れた性質を有していることが考えられた。
    ホソメイガの利用性を検討した結果タイヌビエは除草剤散布以後も発生がみられ, 栄養生長期から生殖生長期への転換が遅いことからホソメイガの加害の影響を強く受ける可能性が考えられた。イヌビエは発芽が斉一で除草剤が効率的に作用し, また栄養生長期間が短いことからホソメイガの影響は大きくないと思われる。以上から第2回目の除草剤の散布を軽減する方向でタイヌビエを対象に検討を加える可能性が期待された。
  • 武田 俊司, 湯山 猛, Robert C. ACKERSON, Russell C. WEIGEL
    1985 年 30 巻 4 号 p. 278-283
    発行日: 1985/12/21
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    スルホニルウレア化合物のうち, DPX-F5384とその類縁化合物について, イネに対する選択性および水田雑草に対する除草活性を比較検討した。その結果は下記のように要約できた。
    1. 2-CO2CH3 の置換をもつスルホニルウレア誘導体, DPX-F5384 (benzyl group), DPX-T6375 (phenyl group) について, イネ, ハクサイの種子およびウリカワの塊茎を供試して, ペトリー皿試験を行い, その初期生育への影響を調べた。その結果, DPX-F5384 はイネと他の2植物の間で, 高い選択性が認められたが, DPX-T6375 の選択性は相対的に低かった。
    2. DPX-F5384 とその類縁化合物の除草活性とイネに対する安全性について, 水田状態のポットで比較検討した。スルホニルウレア化合物の構造中に, phenyl 部分をもつ DPX-W4515, T6375, W4189, T6376 は, いずれも高い除草活性を示したけれども, イネに対して強い薬害をひき起し, イネと雑草との間の選択性は小さかった。
    3. 2-CO2CH3 置換 benzyl タイプの DPX-F5384 は, 除草活性も高くイネに対する安全幅も十分認められた。しかしながら, 2-Cl 置換 benzyl 構造の DPX-F5390 の活性は著るしく低かった。また, 2-Cl 置換 Phenoxy タイプである DPX-R5582 の活性は, DPX-F5390 よりも, かなり高かったが, DPX-F5384 に比較すると低く, 特に水田の重要雑草であるホタルイに対する防除効果が不十分であり, イネに対する安全幅も狭かった。
    以上の結果から, DPX-F5384 は, その高い除草活性とイネに対する選択的安全性によって, スルホニルウレア誘導体の中で最適の水稲除草剤であると結論された。
  • 武田 俊司, 湯山 猛, Robert C. ACKERSON, Russell C. WEIGEL, Richard F. SAUERS, ...
    1985 年 30 巻 4 号 p. 284-289
    発行日: 1985/12/21
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    DPX-F5384の除草活性, 作物安全性, 選択性および水田土壌中での移動性について検討した。除草活性と作物安全性に関しては, 温室内と戸外でのポット試験と圃場試験によって検定した。また, イネ科作物と広葉作物との間の感受性の差異については, 本剤の所定量を処理した畑土壌で, 水田土壌中での薬剤の移動性は, シリンダーを用いた標準試験法により検定した。それらの結果は下記のように要約される。
    1. 本剤25g a. i./haの出芽前土壌処理と出芽後土壌兼茎葉処理は, 水田の1年生広葉雑草およびカヤツリグサ科雑草に対し, ほぼ完全な防除効果を示した (Table 2)。
    2. ホタルイ, マツバイ, ウリカワおよびミズガヤツリなどの多年生雑草に対しては, 本剤50gai/haの出芽前土壌処理および出芽後土壌兼茎葉処理で, すぐれた防除効果が認められた。しかしながら, タイヌビエは本剤に対し感受性が低く, 200gai/haの薬量でも十分な防除効果を示さなかった (Table 2, 3, 4)。
    3. 水稲に対する安全性については, 本剤100~200gai/haの出芽前, 後の土壌および土壌兼茎葉処理で, イネに軽度の生育抑制が観察されたが, 生育抑制は比較的短期間に回復した (Tables 3, 4)。
    4. イネ科作物と広葉作物の本剤に対する感受性には, 大きな差異が認められた。イネ科作物 (イネ, ムギ) は本剤に高い耐性を示したが, 広葉作物は顕著な感受性を示した (Table 5)。
    5, 水田土壌中における本剤の移動性は比較的小さく, ブタクロールとほぼ同程度であった (Table 6)。
  • 第5報 タチアワユキセンダングサの種子の発芽に及ぼす諸要因の影響
    石嶺 行男, 宮里 清松, 松本 重男
    1985 年 30 巻 4 号 p. 290-296
    発行日: 1985/12/21
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    琉球列島のサトウキビ畑の強害草であるキク科の二形性多年生雑草タチアワユキセンダングサ (Bidens pilosa L. var. radiata Scherff.) について, 長形種子と短形種子の発芽に及ぼす諸要因の影響を検討した。
    1. 採種後10日間室内で風乾した後, 室温下のデシケーター内で20日間貯蔵した種子の発芽は, 明条件では25~35℃で促進され, 10℃では抑制された。一方, 暗条件では発芽は30~40℃で抑制され, 10~20℃で促進された。発芽率は長形種子が短形種子に勝った。
    2. 9か月間貯蔵種子は明条件では20℃と30℃で発芽が促進され, 10℃で著しく抑制された。一方, 暗条件では20日間貯蔵種子に比べ, 10℃で発芽が若干抑制され, 20℃で明条件下と同程度の発芽率を示した。
    3. 発芽に及ぼす光の波長の影響は大きく, 赤色光区で促進され, 緑色光区では長形種子, 短形種子のいずれでも発芽が著しく抑制された。
    4. 出芽は長形種子, 短形種子のいずれでも裸地で最も多く, 覆土の厚さの増加とともに減少し, 覆土10cm区では全く出芽しなかった。
    5. 土壌水分が高い区ほど長形種子, 短形種子のいずれでも発芽率が増加した。土壌水分の最も低い37.5%区では長形種子, 短形種子のいずれも全く発芽しなかった。
  • 児嶋 清, 松尾 和之, 野口 勝可, 高柳 繁
    1985 年 30 巻 4 号 p. 297-303
    発行日: 1985/12/21
    公開日: 2009/12/17
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